表彰式
――それでは表彰式を始めます。
「中学駅伝県大会男子の部、
優勝、中乃崎中学校」
「はい!!!」
――主将の宮森が大きく返事をし、
代表として前に出た。
「おめでとう」
「ありがとうございます」
――宮森は、笑顔で賞状を受け取った。
――続きまして最高区間選手の表彰に移ります。
「1区、中乃崎中の金口選手」
「記録は、9分16秒」
「2区、浜平中の剣川選手」
「記録は、区間記録を塗り替える、8分38秒」
「6区、中乃崎中の大山選手」
「記録は、9分14秒」
――続きまして女子の部の表彰に移ります。
「1区、美咲中の大田さん」
「記録は、9分50秒」
「5区、中乃崎中の雪山さん」
「記録は、9分42秒」
「16人抜きの走りでした」
「おめでとう」
――賞状が渡された。
――続きまして最優秀選手の表彰に移ります。
「男子の部、浜平中の剣川選手」
はい!!!
「女子の部、中乃崎中の雪山さん」
はっ…はい!
――葵は、驚きながら返事をした。
「おめでとう」
「ありがとうございます」
――それではこれにて表彰式を終了させて、
頂きます。選手の皆様お疲れ様でした。
――表彰式が終わり、バスに向かいながら、
葵とリキは会話をしていた。
「葵が最優秀選手を取るなんてね、流石だよ」
「うん。初めて、本番でも良い走りができて、
自分の中の殻を破れた気がするの」
「リキ君ありがとう」
「おう」
――中乃崎中の女子駅伝部は今日で終わりだ。
「あのさ。葵」
「何?」
「女子は今日で終わりになったけど、
女子の分も俺達は戦うから」
「観てて」
「うん。不甲斐ない走りしたら承知しないから」
――そう言って、葵は笑った。
「あっ!金子先生」
「今日はお疲れ様でした」
「巣鴨先生。お疲れ様です」
――声の主は、浜平中の駅伝部監督の巣鴨だった。
――白髪を生やしていて、年齢は見た目からして、60代位だろうか?
優しそうな顔立ちをしている。
「今日は負けました。強いですね」
「いえいえ、とんでもない。ギリギリの戦いでした」
「関東大会も今日のメンバーで行くんですか?」
――金子は即答する。
「えぇ。関東大会まで後、三週間ですし、
今のメンバーのまま行きますね」
「そうですか」
「ウチは剣川を1区で起用しますよ」
「えっ!?剣川君を」
「楽しみにしてて下さい」
「はい。お願いします」
――金子と巣鴨は握手を交わした。
――県大会を優勝した中乃崎中は、
関東大会の結果に関わらず、全国大会に出場できる。
――しかし。
「やるからには優勝だ」
「関東大会で戦えないで全国で戦えるはずがない」
――バスは学校に向かって出発した。
「なぁ、リキ、今、良いか?」
「はい」
「今日は良い走りだった」
「それで関東大会何だが、単刀直入に言う」
「お前を1区で起用する」
「1区ですか?」
「そうだ。しかも、浜平中は剣川が走るぞ」
「剣川……ずっと対決したかった」
「リキ、お前に全国トップレベルの走りを経験して貰う」
「はい。関東大会までにもっと成長します」
――初めての剣川との対決が決まりにリキは笑顔で笑った。




