アンカーは大山リキ!最終決戦が始まる!!!!
――二校のアンカーは同時にスタートをした。
スタートから、飛び出しのは浜平中の3年、大澤。
「こいつは、記録会も出てなかったし、
データが無いランナーだ」
「実力から言っても、宮森や金口より上は無いだろう」
――すかさず、リキは大澤に着いて行く。
「おっ。着いてきたか」
でも、既に息が切れてんじゃん。
「やっぱ、こいつ大した事無いな」
――大澤は、リキを見下すような表情で笑った。
レースは進む。
「こいつは、既に息が切れている。そろそろ行くか」
大澤は500Mを過ぎてペースを上げた。
しかし、リキは着いて行けない。
「やっぱ、大した事無いな」
――大澤は優勝を確信した。
そのまま1kmを通過。
――3分04秒。
リキは遅れて、3分10秒で1kmを通過した。
「よし。予定通りだな。多少ペースを落としても、
あいつは着いてこれねぇはず」
「少しここらで休んで、ラストに備える」
大澤はペースを落とした。
――その瞬間をリキは見逃さない。
「舐めるなよ。俺を舐めるなよ」
一気にスピードを上げると、どんどん大澤との距離を詰める。
――少しづつ大きくなる足音。
大澤は後ろを振り向くと、
リキは既に、20M近くまで迫っていた。
「何だこいつ!?ヘロヘロだった癖に」
――大澤もペースを上げる。
「今更、遅いよ」
大澤が気付いてから10秒後には既に、
リキが隣にいた。
「こんにちは」
――リキが笑う。
「油断してたね?あなたみたいな、
人を見下す人は、昔から大嫌いです」
――リキは、大澤に話しかけた。
「お前、さっきは息、切れてたじゃねぇか……!?」
――大澤は驚きの表情を見せる。
「ハハハ。演技ですよ」
「こうなる事を計算してたのか?」
「あなたに答える必要は、無いですね」
「何だと!?クソガキが。2年の癖に」
――大澤は、感情をあらわにした。
「もう、あなたと話すのも飽きた」
「覚えとけ。俺の名前はクソガキじゃねぇ」
――大山リキだ!!!!!!
――大きな声でそう言うと、リキは一気にペースを上げた。
大澤も意地で着いて行く。
しかし。
「はっ……速い。こいつは何者だ……!?」
――リキは大澤を引き離す。
「あなたなんて。元から眼中に無かった。
俺が目指す者はただ1つ。優勝して、
ゴールテープを切る事だ」
――リキはどんどんペースを上げる。
「最初の1kmを抑えて入って良かった。
リラックスも出来ているし、
息も乱れていない。最高の状態」
――現在、1.6km地点。
しかし、既に大澤との差は、100M以上開いていた。
「このまま突っ走る」
――リキは2kmを、6分13秒で通過した。
「練習の成果のお陰かな?確かに疲れたけど、
まだまだ、余力がある」
――その時だった。
「リキ君!!!」
――リキを呼ぶ声がした。
「えっ!?名取さん」
「リキ君。後1kmで優勝できる。
後少し。頑張れ!頑張れっ!!!」
普段、あまり大きな声を出さない名取の、
大きな大きな、応援にリキは元気を貰った。
「ありがとう。やってやるよ」
――そう言うとリキは一気に、もう1段階スピードを上げた。
「ラストの1kmは、3分切ってやる」
――リキはスタート直前の選手のような、
スピードで走っている。
「名取さんが応援してくれた」
「そして、皆が繋いでくれたこの襷」
――リキに、どんどん力が湧いてきた。
ラスト600M。
「足も、息もしんどい。でも……最後まで、
全力を出さなかったら後悔する」
「ここで俺は成長するんだ」
「腕を振れ」
「足を動かせ」
「何も考えず前だけを見て進め」
――リキは無心で走った。
歓声はゴールに近付く毎に、どんどん大きくなる。
そして、
「後、100Mだ」
「もう、限界だ。でも、最後、振り絞れ」
――ラスト、全力で腕を振った。
そして、
「よっしゃあ!!!」
リキはガッツポーズをしながら、
ゴールテープを切った。
――一切にチームメイトが駆け寄る。
金口、宮森、小田、清水、水原、リキ、金子、葵。
そして駅伝部員が皆、笑顔だった。
「よしっ!やるか」
――宮森が声をかける。
「えっ!?」
――リキが驚いてるのを無視して始めた。
そして胴上げが始まった。
――行くぞーーー!!!
――わいしょ!!!わいしょ!!!わいしょ!!!
――リキは3回宙に舞った。
リキは、最高の笑顔を見せる。
――その時、宮森が涙を流した。
すかさず、小田が話しかける。
「あれー。宮森先輩泣いてるんですかー?」
「うるせー。泣いてねぇよ」
――最初はからかっていた小田だったが。
「でも、その気持ち分かります」
――そう言うと小田も泣き出した。
「何だお前も泣いてんじゃねぇか」
――宮森は最高の笑顔で、笑った。
宮森の涙を見て皆が、泣き始めた。
――それは最高の笑顔で笑う、嬉し泣きだった。
中乃崎中、大山リキ、
タイムは、9分14秒。
ラスト1kmは3分を切れなかったが、
自己ベストを16秒更新した。
「良い走りが出来た。全国でも暴れてやる」
――リキは大きくガッツポーズした。
中乃崎中、昨年の2位の悔しさを晴らす、
初めての優勝!全国大会出場は中乃崎に決定!




