リキの目標が明かされる!あのリキがついに!?
「そうだ決めた。俺は将来、自分で会社を作って、
そこの社長になる」
「その為にも、専門学校の経営学科で、
ビジネスの事を学んでおきたい」
ーーよしっ!目標が決まった。
そしてリキは、産まれてから14年経って、
初めて思った、
「勉強がしたい」と。
「俺は、勉強をして、専門学校に行き、
企業して、社長になる」
ーーオール1を、本気で目指してた男は、
人生で初めて、勉強をすると決意した。
「社長になれば、自分の思うように、
会社も回せるし、何より、不器用な自分には、
誰かの下について、働くより、その方が良いと思った」
ーー目標が決まってリキは、ノートと、
教科書を取り、勉強を始めた。
昨日のテストの時に、オール0点を、
本気で狙っていた姿は、そこには無かった。
ーー翌日、朝、早くから、教室にはリキがいた。
朝、一番に教室に入ると、ひたすら基礎から、
少しづつ何度も、反復して勉強していった。
教室に入ってくる、クラスメイトは、
声を上げて驚き。
病院へ行く事を本気で勧めてくる。
先生も教室に入って来た時には、
リキのその姿に驚き、しりもちをついた。
リキは、その日から授業でも、
ノートを取るようになり、
良く質問するようになった。
今まで、勉強をしていなかったから、
分からない事も多いが、
基礎からしっかり反復し、
分からない事があったら、
昼休みに先生の所に、
聞きに行き、リキは積極的に勉強していった。
元々、大真面目のリキだ、
目標が、できれば、本気で全力で取り組む。
こう言う人間が、伸びるものだ。
ーーそして放課後。何故かリキは、グラウンドにいた。
そして、陸上部の顧問が声をかけて来た。
「おい!リキじゃないか。
帰宅部のお前が、何故ここにいるんだ?」
声をかけて来たのは、あの体育教師だ。
「あの。今日はお願いがあって来ました。
僕を陸上部で、長距離走をやらせて下さい」
リキは、綺麗に頭を下げた。
俺は確かに、お前は、オリンピックも狙えると言ったし、お前の実力は本物だ。ただ、中途入部のお前が、入ってきてみんなはどう思う?
今まで部活も、やって来なかった奴が、
入って来たら迷惑じゃ無いか?
「いや!それでも」
リキは、そう言うと、
体育教師金子の目を、見続けた。
分かった。お前の覚悟は伝わった。
中途半端な気持ちだったら、突き放すつもりだったが。
だが、ウチの陸上部は県内でも上位に入る強豪校だ、
条件がある。
11月の、全国をかけた、
中学駅伝の予選に出れるのは六人。
今日は、3000mのタイムトライアルをやる。
お前がウチのメンバーと走って、
10番以内に入れたら、入部を認めよう。
ーータイムトライアルとは、簡単に言えば、
3000mのタイムを計測する事だ。
「分かりました。お願いします」
ーーリキはアップをして、スタート地点に立った。
選手は20人近くいるだろうか?
ーーよーい!スタート!
スタートからリキは飛び出し独走。
そのまま、一周400mの周回コースを、走っていく。
「俺だって、帰宅部として、往復6km以上、
毎回、走ってるんだ。負けてたまるか」
ーー1kmを通過。
だが、徐々に、リキのスピードが、落ちて行き。
1600mを過ぎた時には、最初の勢いも無くなっていた。
「体が動かない。体が重くてスピードが上がらない」
ーーリキはどんどん失速した。
そして、何とかゴールするものの、
11分42秒で、20人中最下位だった。
ーー2組目もその後、
スタートするが、リキの目には、映っていない。
ただ悔しい。それだけだった。
「リキ!スタートは良かったが残念だったな。
だが、お前のスピードは、本物だ。
是非、ウチに入ってくれ。お前なら、しっかり練習すれば、全国屈指のエースになれる」
ーーだがリキは首を縦に振らない。
「いや、先生。約束が違います。僕は負けたんです。敗者は言い訳せず、去るだけです」
そう言い、頭を下げて、リキは、帰宅をした。
ーーだが、リキはこの位で諦める男では無い。
「俺は陸上を知らなかった。
いつもの帰宅よりも、速いスピードで走って、
そのまま行けると思った。甘かった」
帰宅部としての走りと、
長距離としての走りは、別物だ。
俺には、練習が足りない。
本格的に練習して、2週間でリベンジしてやる!
ーー勉強に、陸上。リキが本当にやりたい事ができた。
ーーリキは今、凄いイキイキしてる。
ーーそして2週間後。
また、リキは、3000mのタイムトライアルの、
スタート地点にいた。
「この2週間は、10km以上走ったり、
短い距離をスピードを、上げて何度も走ったり、
本格的に練習してきた」
ーー昨日と一昨日は、休養日にして、
疲労も抜けてて準備万端だ。
ーーそしてスタートした。
リキは、今回は飛ばさず、第2集団にくらいついた。
そして、2kmを過ぎると、
ここからペースアップ。
怒涛の追撃を見せた。
タイムは、10分52秒で、ギリギリ10位。
前回と同じメンバーの中で、
リキは、2週間で、50秒縮め、
陸上部に正式に入部した。
もう明後日で、6月。
2年の6月での入部は、かなり遅いが。
リキは、どの位成長できるのか!?
ーーリキは、陸上部として走り出す。