夏祭り
――今日は、いつも通り5時に起き、勉強をした。
「合宿から、2日目だけど、今日も休養日にして、
明日からの練習に備える」
――リキは、18時30分にN駅集合で、
クラスメイトの名取と、夏祭りに行く。
「今日は夜まで、出来るだけ平常心でいよう」
――リキは、勉強をしたり、読書をしたり、
TVで、マラソンを見たりしながら過ごした。
「もう、17時30分か。そろそろ準備して、
18時00位になったら、出発するか」
――そして、18時00分になったので、
リキは10分間、歩ってN駅まで行った。
「まだ、名取さんは来てないみたいだ」
「後、何分かしたら、名取さんが来る……」
――リキは、緊張しながら、待っていた。
――そして、18時20分。
「あれ、ライン?名取さんからだ」
そろそろ着きます。
「やばい。もうそろそろ来るらしい」
――リキの緊張はピークに達した。
「心拍数がやばい」
――その時!
あの、大山君?
――リキの視線の先にいたのは、
身長155cm位で、ポニーテールの髪型をした、
浴衣姿の女性。
「あっ!名取さん!」
「浴衣着てきたんだね」
そう。お母さんに手伝って貰って。
「そっか。それじゃあ行こっか」
――2人は、歩って夏祭りに向かった。
「名取さんは、夏祭りとかよく来るの?」
はい。毎年良く家族と行ってました。
「へぇー。俺は、小学生の時以来だから久しぶり」
そうなんですね。そう言えば、合宿どうでした?
「合宿キツかったよ。4日間だったんだけど、
毎日、30km以上は走ったかなー」
えっ!30kmも。
あっ!?
「着いたね」
わぁー。屋台に、射的に、金魚掬いもある。
「良いね。時間あるしゆっくり回ろうか」
まずは、そこのたこ焼き食べたいです。
「たこ焼き2人分お願いします」
はい。お待ち。
うわー。美味しそう。
「あそこの、少し人が少ない、
ベンチで食べようか」
はい。
――ベンチでたこ焼きを食べながら、話した。
「そう言えば、名取さんって、何部なの?」
えっ!?あの……
「どうしたの?」
部活は入ってないんです。
元々、テニス部だったんですけど、
人と関わるのが苦手で、
1年の6月に辞めちゃいました。
「そうだったんだ。俺なんて入学した時から、
今年の5月の終わり位に、陸上部入るまで、
ずっと帰宅部だったよ?」
いつも、走ってましたよね。
私、リキ君が、勉強や陸上を始めて、
自分から、変わっていったのが、
凄いと思ってて。
私も変わりたいと思ってても、
全然ダメだし、良い所なんて無いと思うし……。
「でも、名取さんの事、クラスで見てて、
勉強もできるし、裁縫だって凄い上手だし、
絵だって、字だって、凄い上手いじゃん。
全然ダメだとは思わないけれど」
本当ですか!?
「うん。自分には、無い物を持ってるから、
本当に凄いと思う。
結局、1人1人、得意な事も、苦手な事も違う訳だし、
十人十色って、言葉もあるし、
名取さんには、名取さんにしかない、
魅力だってあると思うよ」
そっか。何かスッキリして、
心が軽くなりました。ありがとうございます!
「いえいえ、そんなかしこまらずに。
敬語じゃ無くても良いから」
敬語じゃなくても良いんで……
って、また敬語になっちゃった。
「無理はしなくていいよ」
いや、頑張って、タメ口、意識するぜ!
「いや、それはおかしい」
――リキが突っ込むと、2人は笑った。
「それじゃあ次、どこ行こっか?」
射的とか、金魚掬いとか。
「じゃあ、まず射的行こっか!」
はい。
射的の屋台に着くと、子供達が、
射的をしていた。
くそー。当たんねぇー。
次は俺。
私も、あんな時あったなー。
「えっ!?」
いや、何でもない。
――それじゃあ次の方どうぞ。
パパパパパーン。
――何と名取さんは、
全部の商品を打ち倒してしまった。
――定員さんは、唖然としている。
私、昔は、射的が全然当たらなかったから、
両親に頼んで、
射的用のセットを、準備して貰って、
家で、猛特訓してたから、これは得意で。
「えぇ、凄いな。ってか。俺ができない」
――また、2人は笑った。
――それと、射的の商品は、
子供達にプレゼントしました。
「へぇー!意外だったよ。
名取さんが、射的得意だったなんて」
あれだけは、誰にも負けません。
「じゃあ、右の奥の方にある、金魚掬い行こうか」
――歩き出して少し経ってから、
目が合って、お互いが気付いた。
「アレ、リキ君?」




