リキが、電話をかける!明日の予定は!?
――合宿も終わり、今日は二日間、練習も休み。
――リキ、そろそろ9時になるわよー!
良い加減に起きなさい。
――合宿中は、朝はいつも宮森が、
声をかけていたが、家にいると、
母親が声をかけてくる。
「さて、そろそろ起きるか……」
「結局、23時に机で寝落ちしてから、
10時間位寝てたなー!」
「さーて」
――リキは何となく、携帯を開き、
ラインを確認した。
「そうだ。名取さんに連絡しなきゃ」
「電話するか」
はい。もしもし……
――寝起きの様な、眠そうな声が聞こえた。
「おはよう。名取さん!ごめん寝てた?」
えっ!?大山くん!わー!!!
――名取が、驚きながら返事をして、
その後に、大きな物音がした。
ごめんなさい。ベットから落ちちゃって。
「えっ!?大丈夫!?」
いてて……。何とか大丈夫です。
「やっぱ寝てたんだ」
はい。寝てました。
――このやり取りで2人は笑った。
「それでさ。この前、2人で遊ばないか?
って、言ってたよね?
良かったら、明日の、地元の夏祭り行こうよ」
え、夏祭りですか。良いですね。
行きましょう!!!
「それじゃあ明日、19時位から、夏祭り始まるから、
18時30分位に、N駅集合で良いかな?」
OKです!楽しみにしてます!
――普段、大人しい名取さんだけど、
本当に嬉しそうな声で話していた。
「明日は、2人でお出かけか。
まだ、女性の事は苦手だけど、
とりあえず楽しもう」
――リキは何だかんだで、明日が楽しみだった。
――その時、リキの携帯に着信が入った。
「あっ!?何だ今日は」
「葵か」
「もしもし」
あっ!リキ君。おはよう!昨日はお疲れ様。
「うん。葵もお疲れ様。今日はどうしたの?」
合宿は結局、お互い殆ど話せなかったし、
電話で話そうかなって思って。
今、時間大丈夫?
「なるほどね。うん!ってか、今日は予定無いし暇」
「そう言えば、昨日、女子のAチームも、
3kmのタイムトライアルやったって、
聞いたけど、どうだった?」
それね。私は、12人中5番だったよ!
合宿の疲れもあったけど、
何とか、10分25秒で走った。
「おおっ!!!マジで凄い!」
ありがとう。あの主将の清水さんでも、2位で、
1位の人なんて、あんなに合宿で走ってきたのに、
10分切ってたからね。
リキ君はどうだった?
「俺は、9分48秒だったよ」
えっ!?10分切ったんだ。
でも、泣いてたよね?
「うん。あれはラスト1kmで、
ペース上がらなくて、悔し過ぎて、涙出てきた」
そっか……
ってか、電話長くなりそうだし、
どうせ近所だから、少し会わない?
私、今日は暇だし。
「良いよ。俺も暇」
――いつも通りリキの家の前で、待ち合わせに
すると、すぐに葵はやって来た。
リキ君。おはよー!
「おっ!葵。何か久しぶりだね」
「今日も海でも行くか」
えー!また海。いつもリキ君海じゃん(笑)
「え、海嫌だった?」
海好きだけど、とりあえず今日は歌いたい気分
「じゃあ、カラオケ行くか」
――結局、近くのカラオケ店に行って、
フリータイムで5時間位歌った。
いやー!歌ったな。もう、14時30分位だよ。
「いや、本当歌った。フリータイムって、
3時間で終わりの時多いけど、今日は5時間も、
歌えてラッキーだったね」
だねー。そう言えば、明日まで、
駅伝部も休みだけど、明日とか予定あるの?
「明日は夏祭り行くよ?」
えー!夏休み!1人で?
「いや、1人は寂しすぎるだろ」
「いや…まぁ…その」
もしかして女の子?
――リキの顔が赤くなった。
やっぱそうなんだ。
リキ君にも、とうとう春が来るのかー。
今、夏だけど。
「そもそも、葵が振らなきゃ、
こんな事にならなかったのに」
――リキは少し笑いながら言った。
リキ君とは、親友の関係がいいの。
さて、そろそろ家だね。
今日はありがとう。楽しかったよ!
「そう言えば、葵は、明日予定あるの?」
それは、内緒!
「何だそれ?俺には聞いたくせに」
じゃあね。
――リキは家に帰ってからは、
勉強をしたり、ノートを書いたりして、過ごした。
「そうだ。明日は2人で出かけるんだった」
「服はどれが良いかな?明日はどこ回ろう?」
「そもそも名取さんと、あまり話した事無いな」
――女子と2人で出かけるのか。
「何か、突然緊張してきた」
「葵とは、良く2人きりで、行動してるけど、
お互いの事は、結構知ってたし」
――リキが、少し大きめの鏡の前で、
沢山、服を出して着替えている時に、
突然、ドアが開いた。
リキー!ちょっといい!?
「おい!急に開けんなよ!」
――母親はリキの様子を見て、察したらしい。
明日、女の子に会うんだ?
「ちっ……違うし」
別に、嘘つかなくて良いじゃ無い。
まぁ、楽しんでおいで。
そう言えば、ご飯食べた?
「まだ」
そっか。ラーメンと、オムライスでも、
作ってくるわ。
――母親は10分もすると、部屋に料理を持ってきた。
それじゃあ、冷めないうちに食べなね。
「うん。ありがとう」
リキ、何か最近、たくましくなったよね。
部活に勉強に、熱中してて凄いと思う。
「まぁね。目標ができたから、
本気でやってるよ」
応援してる。
「ありがとう」
――リキは、勉強を始めたり、部活を始めて、
目標に向けて、本気で取り組んでいたら、
周りからも、認められるようになったが、
以前は、バカにしてきたり、
見下す人も沢山いた。
母親も、真面目になってからは、
少し前より態度が、変わった。
「結局、俺はダメ人間のままじゃ、
誰も愛してくれないのか?」
――そう思うと少し悲しくなった。
「とは言え、悪く言われるよりは、
褒められたりする方が、やっぱ嬉しいな」
「明日だって、俺が変わらなければ、
誘いすらされ、無かったはずだし」
「とりあえず明日は楽しもう」
――そして当日の朝を迎えた。




