通知表が返ってきた!
「もう朝か。そっか俺、振られたんだ」
「これからも結局、葵と付き合えないなら、
せめて葵にとって有益な存在に、なりたい。
――そう言って、リキは葵の事が好きな気持ちを、
忘れる事にした。
「俺のやる事に、集中しよう」
――リキは、毎日5時に起きるようになり、
朝練と、勉強を欠かさなくなった。
――期末テストも、返ってきて、
平均、72.5点と、中間テストの合計5点より、
かなり成長を見せた。
――そして通知表が、返ってきた。
大山リキ。
「はい」
――先生に呼ばれた。
リキ、中間の後から、よく盛り返したな。
お前の努力は皆が見てるし、
良い影響を与えている。
二学期もその調子でよろしくな。
「はい」
――5月まで「オール1」を目指していた、
リキの通知表は、体育が5、美術が4で、他は3だった。
「俺だってやれば、できるんだな。
――リキは少し自信がついた。
「もう、一学期も最終日か」
――終業式が終わると、クラスで打ち上げを、
やるらしい。
「リキ、お前は行かないの?」
――リキがクラスのメンバーに、
話しかけられるのは珍しい。
ごめん。明日から駅伝部も、始まるし、
今日はしっかり休もうと思う。
「そっか。じゃあ、二学期もよろしくな」
うん。またね。
――先程の男子が、クラスのメンバーに、
リキは来ない事を伝えた。そしたら、女子の2人が、
こっちを見て、近付いて来た。
「リキ君は行かないの?」
うん。明日から駅伝もあるしね。
「そっか。じゃあ、私達、打ち上げ行かないから、
三人で少し過ごさない?」
えっ!?俺はいいから行って来いよ?
「いや、リキ君来ないなら、良いよ。行こー!行こー」
そう言って、三人で出かける事になった。
――クラスの男子からは、何であいつが?
と、言う目で見られたが、悟りを開いて対処した。
「さて、どこ行こっか?リキ君は、何時まで位なら、
大丈夫?」
帰ったら、軽くランニングと、勉強もしておきたいから、遅くても17時位かなー。
青山さん?と、名取さん、だっけ?
今日は突然どうしたの?
――普段殆ど話さない、
女子からの誘いにリキは困惑していた。
「いや、リキ君と過ごしたいなと思って、
誘っただけだよ?ごめん。迷惑だった」
――そう青山が言った。名取は恥ずかしそうにして、
何も話さない。
いや別に。
――俺はそっけない、態度を取り続けた。
葵の一件もあって、どこかで女性に不信感があった。
皆がそうではないと思うが、
簡単に、心を許したくなかった。
――結局、その日は公園を散歩して、
ラインを交換して帰った。
そして、明日からは、夏休み。
秋の、中学駅伝に向けた「駅伝部」が誕生する。




