お誘い
超久しぶりです。
これから書ける日は頑張って更新していきます!
次の日の朝、俺が目を覚ましたのは昨日搬送された病室のベッドだった。
窓が少しだけ開いていてそこから流れ込んでくる風が暖かいと思えるようになってきた。
もう5月も終わり今日は6月1日。
高校2年になってから色々あって、あっという間に2ヶ月が過ぎてしまった。
高校初の友達。女子との会話。
そして告白.....
本当に色々あって思い返すと少しだけ笑顔がこぼれてしまう。
退屈しない毎日にみんながいる学校。
俺はそんな2ヶ月が結構気に入っていたらしい。
と今になって、学校を休んでみてそう思う。
わかってると思うけど別にサボりじゃないからな!
病院にいるから仕方なくだからな!
時刻は既に10時をまわり、本当なら学校の教室で授業を受けている時間だ。
それができないのがちょっとだけ寂しいとか思ってしまうのも、きっとあいつらのせいだろう。
それからゆっくりと体を起こした俺は、隣の台に置いてあった、見舞いの品に手を伸ばす。
果物の入ったビニールに、栄養ゼリーとスポーツドリンクが1本入っている。
そのうちの栄養ゼリーに手を伸ばし、それを一気に飲み干した。
「うまいなぁ....」
別にお腹も空いてるわけじゃないし、これくらいが丁度いい。
そしてそのビニールにゼリーのゴミを投げ入れた。
ブー ブー
マナーモードを忘れていたのか隣にあった携帯が小さな音で鳴っている。
健二はそれを手に取ってからその画面に写った通知を確認した。
ソノダゆりこ —着信2件
いつも感じる違和感のある名前と、着信の数が記されている。
ソノダゆり子
これはまぁわかる通りと園田百合子からの連絡だ。
なぜ名前をカタカナとひらがな、そして漢字の3種で構成されているかというと、将来大女優になるかもしれないからひらがなでもカタカナでも漢字でも将来的に名乗れるようにしたいんだとか.....
まぁそんなのは正直どうでもいい。
俺はそのロック画面をスワイプし、百合子がメッセージを送ってきたSNSを開いた。
◇◆
重たい体を起こし、カバンから出した私服を着て、それからその病室を出た。
誰にも見られないように、誰かとすれ違うときは顔を少し逸らして廊下の端っこを歩いていた。
なぜそんなことをしているかというと、簡単なことで本当はまだ入院していなくてはいけないからだ。
もし見つかったらきっと病室に連れ戻される。
連れ戻されたら約束した場所に行けない。
そう、約束の場所に俺は行かなくては行けないんだ。
別にとある漫画に似せようとして”約束”を連呼しているわけではない。
さっき届いた百合子からの着信に
“18時に学校の正門に来て下さい。
絶対ですよ!”
とあったので、俺が
“分かった”
と返したのだ。
そしたら百合子が
“約束ですからね!”
と返してきたのでその”約束”を連呼しているのである。
無事病院を出ると6月ということもあって外はまだ明るかった。
17時25分
付けていた腕時計を確認し歩き出す。
さっき調べたマップでは徒歩で15分とあった。
一応なんかあった時のために少し早めに出たが、もしかしたら早すぎたかもしれない。
実際徒歩10分ほどで無事学校の正門にたどり着いた。
17時37分
何個か教室の明かりがついているのと、強化指定の部活動が外で練習しているくらいで、一般生徒が下校している姿はなかった。
「せーんぱい!」
正門の壁に寄りかかって目を閉じていた健二を誰かが呼んだ。
いや、誰かではなくこの声は百合子で間違いない。
ゆっくり目を開け声のする方を見るとやはりそこには百合子が立っていた。
「・・・」
「どうしました先輩?」
無反応の俺を不思議そうに見ている。
なぜ俺が無反応なのか.....それは.....
簡単に言えばこいつがとてつもなく可愛いのである。
いつもと違ってしっかりと化粧をし、花柄のワンピースを着ている。
それがなんというか、めちゃくちゃ百合子に似合っているのだ。
言うなればオーラを纏った人間である。
「先輩どうかしました?」
「えっ?いやなんでもないよ」
「そうですか?」
「う、うんほんとなんでもないから」
そう言いながら目をそらす。
これ以上見続けるのは俺の理性に関わってくる。
これは薬物と同じ部類だ。
それくらいの破壊力が今の百合子にはある。
ほんと流石人気女優だよ
「それじゃあ先輩、早く行きましょう!」
「行くってどこへ?」
「そんなの決まってるじゃないですか!」
「え?」
「私の家ですよ!」
「・・・」
百合子が何を口にしたのか、一瞬俺の頭は理解ができなかった。
家!?今そう言ったのか!?
1秒後にそれを理解した俺の頭はまず自分を疑った。
いくらこいつでも家に誘うか?
いやでも....え、そうなのか?いやそんなこと...
「先輩早く行きますよー」
「え、お、おう」
そんなことを考えていたが、結局どこに行くのか確認できないまま、百合子の横を並んで歩いた。
緊張で手汗がやばい。鼓動も早い、そしていつもより大きい。
てか、まじで家なのか!?本当に家って言ったのか!?
視線を横に向けたがいつもの表情で歩き続ける百合子。
その態度からはとても家に誘った女子の感じはしなかった。
そして無言のまま10分くらい歩いた。
すると急に立ち止まった百合子は俺を見てから
「先輩ここですよ!!」
と少し大きめの声を上げ、”園田”という看板をめちゃくちゃアピールしてきた。
「え、あ、あぁ おう」
どうしよう俺。どうする俺。
やばいやばいやばい!
これは紛れもなく園田百合子の家だ!!
感想等よろしくお願いします!




