表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自称インキャぼっちは悩みの数だけ彼女がいるようです  作者: 史本 会
自称インキャは後輩女優に翻弄されているようです
36/48

ぼっち再来

新章スタートです

私が先輩を好きになったのはいつからだろうか・・・それは多分1ヶ月前のあの日から。



先輩、私は先輩が大好きです!




——————————————————





俺の物語も、いよいよ大詰め・・・・っていうわけでもなく、これからが長い!本当に長い、と思う。てな訳で、横田健二の日常のはじまりはじまり〜。





「おはよう横田くん!」




「おう、おはよう峯崎」




残念なことに今日の天気は晴れ、そして鮫島さんは欠席、さらに部活はなく代わりに委員会があるという最悪な1日だ。



そして今、俺の日課である鮫島さんへの挨拶は峯崎によって崩された。



あぁ、神は私をお見捨てになったのかーなどと心の中では思い、授業を受ける。



鮫島さんもいないし、いろりもいない。こんな静かな学校生活は久しぶりだ。


ここ最近、ずっとインキャから程遠い場所にいた気がする。だからこの1人という気持ちの良さを忘れてしまっていたらしい。




「やっぱり1人で静かに生活するのはいいな〜」




少し言葉にして呟いた。

いつもなら鮫島さんが反応してくれそうなのだが、今日はいない。それは少し寂しく感じた。




——————————————————




委員会が行われるこの部屋、まだ5月だというのに暑い!この部屋だけなぜか暑い!なんでこんなに暑いんだ!ああ早く帰りたい。




今日から司会進行は委員長である俺の役目な訳だが、なぜか桜木音々も教室に足を運んでいた。




「それでは横田くん、始めて下さい」




「は、はい」




人前で何かをすることは嫌いである。普通に緊張するし、恥ずかしいし、いろいろ面倒だし!



ただ今回の場合は、この時間でやることを桜木音々に明確にしてもらっている。なので司会進行もやりやすいと思っていた。この時までは・・・。




「それじゃあ委員会を始めます。今日は文化祭のスローガンについてです」



すごい、みんな集中して俺の方を見ている・・・めっちゃ緊張する!

そして俺は続けた。



「毎年スローガンを決めて、それを目標として行われているので、それぞれ考え、何かいい案を出していただきたいと思います」



よかった、みんな真面目に考えてくれている。てっきり、「なんでだよ!」とか「めんどくさ!」とか言われるものだと思っていた。




それから3分程が過ぎた。



「何か思いついた人はいますか?」




辺りを見渡すが、なかなか挙手はない。


まぁそれもそうだろう、俺がそっちの立場でもわざわざ挙手して発言しようとは思わない。


すると1人の女子生徒が手を挙げた。



「あっ、じぁ君どうぞ」




そういって彼女を指名すると、少しムッとした顔でこう言った。



「鈴木です!2年B組、鈴木茜です!覚えておいて下さい委員長」



「ご、ごめん」



え、この子怖いんだけど、なんかいきなり怒られたんだけど、やっぱやだもう辞めたい・・・。




「じ、じゃあ鈴木さんお願いします」




「はい・・・」




返事をして提案をしている彼女を見て、何かが引っかかった。


あれ、鈴木ってどこかで聞いたような・・・。



そんなことを考えていた俺は、彼女の提案を聞き逃すという失態をしてしまった。


他の人は拍手を送っている。多分それなりの提案をしたのだろう。書記の2人も全力でメモを取っている。



一瞬焦ったが、まぁこれなら後でメモを見ればいいだろう。と余裕をぶっこいていた。




「ありがとうございます。鈴木さん・・・他に何かある人はいませんか?」






・・・結局そのあとは特に意見がでず、中途半端な会議になってしまった。




会議が終了し、解散したあと桜木音々は俺の方に来てこう言った。



「横田くん、あなたもう少しお兄さんを見習って頑張りなさい。このままでは文化祭を失敗させた委員長として、名前が残ってしまうわよ!」



「ご、ごめんなさい・・・」




何も言い返せない。桜木の言う通り、今日のままいけば、文化祭が良くない方向に進みそうだ。俺のせいで・・・。



「まぁ、まだ時間はあるわ!それなりに期待もしてるし、応援もしているから頑張りなさい」



「あ、ありがとうございます」



え、なんかちょっと嬉しい。次期生徒会長であろう人物から期待されてるとかなんか照れる。




「あと、その敬語もやめなさい。私たち同級生じゃない!」



「ご、ごめん桜木さん」



「さんづけも禁止!」



「は、はい」



やはり副会長というだけあって、口調からその威厳が伝わってくる。



「それじゃあ明日からは私のことは呼び捨てでいいから、私もあなたのこと呼び捨てでいいかしら?」



「えっ、あぁ別に構わないけど」



「分かったわ、それじゃ今日はこの辺で」



そうして、勝手に呼び捨てで呼び合う仲にされてしまった。


明日からって、当分委員会はないから会わないと思うんだけど・・・。


まさか絡んでくるとかないよな・・・まぁそんなことをあの桜木音々にかぎってあるわけがない。そう思っていた。





「やっと帰れるー」


1人でそう呟いていると、昇降口で誰かが待っているのが見える。


夕日のせいで、顔がよく見えない。が2つのシルエットがそこにはあった。


そして、近くまで行きその人物は手を振って笑顔を向けた。



「先輩!遅いです」



「別に待っててなんて頼んだ覚えはないぞ」



「そういうことじゃありません!」



そう言って百合子は不機嫌な顔を見せた。


そしてもう1人、その正体は長谷川さん。



長谷川さんは会釈をしたが特に何も言ってはこない。



長谷川さんも何も喋らなければ可愛いのにな、とか思いつつ軽く手を挙げて挨拶を返した。



「先輩、早く帰りましょ!」



「なんでお前らと帰らなきゃいかんのじゃ!」



「先輩、そんなこと言ってツンデレですか?」



「違うわ!」



そんなこんなで一緒に帰ることになり、結局自称インキャは静かなぼっち生活を送ることは出来なかった。




ポイント評価お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ