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自称インキャぼっちは悩みの数だけ彼女がいるようです  作者: 史本 会
自称インキャはクラスメイトの副部長を放っておけないようです
31/48

3人ベット

あーもう、寝れない!

俺の隣で寝ているいろり、そして反対側に聖奈・・・なぜこんな状況に!



ー遡ること1時間ー




いろりが風呂から上がり、みんなで食事を取っている。今日は健一兄さんは遅くなるらしく、まだ家にはいなかった。

隣にいたいろりからは、風呂上がりのいい匂いがした。霞姉さんの服を貸しているので、少し大きいようにも見える。

そのおかげで谷間とかは、はっきりと・・・。





「なぁいろり」




「ん?」




「お前、どこで寝るつもりなんだ?」




「なにを今更、ヨコッチの部屋に決まってるじゃん!」




なんでや!なんでわいの部屋って決まっとるんや!・・・おっと大阪弁が出てしまった。

別に大阪出身とかではないからね。




「い、いやでも、それはまずいんじゃないか?」




「それなら大丈夫よ!ねぇ聖奈ちゃん」



いきなり聖奈を下の名前で、しかもちゃん付けで呼んだ。いつの間にそんなに仲良くなったんだ?

聖奈を見ると、唖然としている様子だった。これはいろりの独断である・・・聖奈を見て、それがはっきりと分かった。




「・・・でどうして大丈夫なんだ?」



「そりゃ聖奈ちゃんも一緒に寝るからよ!」




「は、はい!?」



この女とんでもないことを言う。一緒の部屋で寝るだけでもまずいのに、聖奈も加えた3人でなんて・・・流石にまずいだろ!




「お、おいいろり・・・お前今何言ったのかわかるよな?」




「もちろん、いい案だと思わない!?」




この子はあれですね、バカですね。

男心を何にも分かってない。クラスの女子と可愛い妹と一緒に寝る!?そんなことしたら俺の理性がもたねぇよ!




「せ、聖奈はどうなんだよ?」




いろりの案を否定して欲しいという、願望を込めて、目線を送った。




「そ、そうですね・・・健二にいと一緒にですか、し、仕方ないので承諾します」




おいー!承諾するなよ!そしたら俺、夜絶対寝れないんですけど!




「えっと、考え直さないか?俺だけ別の部屋に寝るとかさ・・・」




「何言ってるのヨコッチ、そんなのダメに決まってるじゃん」




そう言ったいろりの圧もすごいが、隣にいる聖奈の圧もなかなかのものである。なぜ聖奈がそんな圧を送るんだー!と叫びたい。




「あ、もうこんな時間だ、早く寝ないとなー」




わざとらしいんだよこの女、なんだよその棒読みみたいな言い方。ちょっと可愛い声出しやがって、お前はあれですか、見た目は子供、素顔は大人的なアレですか。




「け、健二にい・・・一緒に寝・ま・しょう・・・」




おいおい聖奈、お前までそんなこと言わなくていいからな!それにめちゃめちゃ緊張してるよね、言い方がすごく硬いんですけど!





「早く、ヨコッチ!」




「待て待て!食器、片付けてからな」




「チッ!」




えっ!?今舌打ちしませんでしたこの子!?なんで俺はこいつのお泊まりを許可しちまったんだか・・・。




俺はゆっくりと時間を稼ぐように食器を片付けてた。

片付け終わってすぐ、俺はトイレにこもる。目をつぶって考える・・・もうここで寝てもいいんじゃないか!?なんてことも思ったりした。




「ヨコッチ、やっと出てきた!」




ドアを開けると、目の前にいろりがいる。その後ろに隠れるようにして、聖奈もいた。

パジャマ姿の聖奈は何度見ても可愛い!

対していろりはちょっとエロい・・・。




「ほら、なにボッーとしてんの!早く行くよ!」




そう言って俺の手を強引に引っ張り、部屋の前まで来てしまった。




「早くドア開けて!」



「えっ!?ここまで来て俺が開けるの?」



「当たり前でしょ!ヨコッチの部屋なんだから!」




「はいはい・・・」




部屋に入るといろりは真っ先にベットにダイブした。

そしてこっちに来るように手で合図を出してくる。



「いやいや、流石にな・・・」




「なによヨコッチ、ヘタレなの?」




「いや、そういうわけじゃねぇけど」




「健二にい、こちらに来てください」



いろりに続いて、後からベットに入った聖奈が、優しい声で誘惑する。

聖奈にそんな可愛い声で言われたら行きたくなってしまう。



「うっ、それはずるい・・・」




「健二にい・・・」



聖奈は指を少し曲げ唇に少しだけつけながらさらに俺を誘惑する。

やめろー、そんな可愛い仕草するなー!

惚れてまうやろー!・・・実際とっくに惚れてます。




「わ、分かったよ・・・」




仕方なく、ゆっくりと・・・ベットに入った。




うぉぉおおおおお!何だこれ!こんなハッピーなシチュエーションがあっていいのか!?それに、もう俺気絶しそう・・・。





「ほら、ヨコッチこっち」



「いえ、健二にいはこっちです!」




いろりと聖奈の手が、足が、体が、俺に触れる。引っ張られ、くっつかれを繰り返し、俺は2人の間にはさまれた。




やばい、やばい、やばい、やばい!

もう理性がとんでいきそうだ!





そう思いつつ、横をみる。すると先ほどまで、起きていたはずの聖奈が寝てしまっていた。反対を見る・・・バッチリと、目を開き、こちらを見ている。恥ずかしい・・・。




「い、いろり・・・寝ないのか?」





「もうちょっとだけ」




そう言って、さっきよりもくっついてきた。俺の手を抱き、笑顔で俺の方を見る。



「い、いろり・・・」




「ダメ!」



俺が逃げようとしたのが伝わったのか、いろりはなにも言っていない俺に、一言そう言った。



その時の表情はきっと忘れない・・・優しくて、可愛い、そして何かを思いつめたような表情だった。




あぁそっか、こいついつ死んでもおかしくないんだもんな・・・。さっきまでのいろりを見てると、やっぱりそんなこと忘れてしまう。




俺はもう一度いろりの顔を見た・・・ってもう寝とるんかい!



「まったく、しょうがないな・・・」



そっと手を出し、いろりの頭を撫でた。そして俺も目をつぶった。













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