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自称インキャぼっちは悩みの数だけ彼女がいるようです  作者: 史本 会
自称インキャはクラスメイトの副部長を放っておけないようです
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最愛の妹

「ねぇ健二!」




「なに霞姉さん?」




「あんたさ、今日の朝友達ができたとか言ってたけど・・・」




「それがどうかしたの?」






「いや、なんでもない」




「いや、気になるからちゃんと言ってよ!」




「じゃあ言うけどさ、その友達ってもしかして2次元とかじゃ・・・ないよね?」




「は!?そんなわけあるか!ちゃんと3次次元の友達ですよ!」




「そう・・・ならいいんだけど」




この姉やはり俺のことを昔のままだと思ってやがるな、確かに昔は友達どころかクラスメイトと話すことすらなかったた・・・だが今は違う!男子だけじゃない、女子とも普通に話せるし、友達どころか俺を好きだ、と言ってくれる人までいる。俺は成長したんだ・・・!。





「健二にい、帰ってたんですか!おかえりなさい」




「うん、さっき帰ってきたんだ・・・ただいま」




やっぱり聖奈のおかえりの方が落ち着く。これからもずっと聖奈のおかえりが聞きたい!なんて思っていると、それが顔に出ていたのか、霞姉さんが変な目で見てきた。




「健二!今、変なこと考えてたでしょ!」




「えっ、いや別にそんなこと・・・」




「ふーんまぁいいけど・・・それで健二、お風呂にする?ご飯にする?それともワ・タ・シ?」




いや、霞姉さんに言われても何にも思わないし、俺はそれを聖奈に言って欲しいんだ!そしてそれを伝えようと聖奈を見て目で訴えた。



「な、なんですか健二にい・・・」




「えっ!いやなんでもないよ」




「健二、今すごくいやらしい目してたけど、まさか妹に欲情でもしたの!?」




「そ、そんなわけあるかー!」




「やっぱり健二にいは変態です・・・」




そう言って、聖奈は自分の部屋に戻ってしまった。




「お、おい!どうすんだよ霞姉さん!」




「えー、なんのこと?」




「お前な・・・!」




その時、玄関のドアが開く音がした。

鍵を開け、入ってきたのは健一兄さんである。




「声が聞こえると思ったら玄関で独り言を言ってたのか健二、お前も一人は辛いんだな・・・」




「えっ!?独り言・・・?」




振り返ると霞姉さんの姿がなかった。あのやろー!ってちょっと待て、今お前も一人は辛いって言ったような気がしたけど、まさかな・・・。






トントン!


「おーい聖奈、ちょっと話があるんだが」




「・・・」




「おーい」




すると少しだけドアを開き、覗きながらこう言った。



「妹で欲情する健二にいなんて嫌いです!さっさとどっかに行ってください!」




「おいおい、霞姉さんの言葉を間に受けるなよ。確かに俺はお前のこと好きだけど、それは妹としてであって決していやらしいこととか・・・ってあれ?」




話している最中に聖奈の様子がおかしくなった。



「す、好きですか・・・」




「え、まぁ好きだけど・・・」




「・・・」




「聖奈?」




「やっぱり健二にいは変態です」




「え?」




「健二にいの・・・へんたーい!」





そう叫んで、勢いよくドアを閉めた。



えっと・・・これはもしや聖奈に嫌われた!?それはやだ、絶対やだ!俺今なにか悪いことしたか!?どうすればいい、考えろ・・・。




結局なにも思いつかず諦めて、自分の部屋に戻った。





その後夕食を食べにリビングに行くと、健一兄さんと霞姉さんが先に食事をしていた。




「あれっ、聖奈はどうしたの?」




「あいつならもう食べて自分の部屋に戻ったぞ」




な、なに!これはやっぱり完全に嫌われた!最悪だ・・・。俺は肩を落とし、周りにも伝わるくらいの最悪オーラを放った。



「ちょっと健二!そんな落ち込んでるとこっちまで元気なくなるからやめてよね!」




「ご、ごめん」




・・・ってなんでこいつに謝らなきゃならんのだ!全ての原因はこいつじゃないか!くそ、健一兄さんがいなければこの女を締め上げてたとこなのに・・・まぁそんなことできないけど。




部屋に戻り、横になった。そういえば鮫島さんの提案のことちゃんと考えとけって言ってたな・・・でも何をどう考えればいいのやら、全くわからん。




ダメだ、いくら考えてもやっぱりわからない。

ちょっと早いけど寝るか・・・とその時、ドアを叩く音が聞こえた。




「健二にい、ちょっといいですか?」




聖奈の声だと判断すると、大急ぎでドアを開けた。



「ど、どうした聖奈・・・?」




「そ、その先程はすみませんでした・・・ちょっと言いすぎてしまったというか、なんといいますか・・・」




「いいよ、別に対して気にしてないから」




わざわざ謝りに来てくれるなんて!やはり俺は最高の妹をもった。もし妹じゃなかったら間違いなく告白しているレベルだ!




「そ、そうですか なら良かったです」




「うん・・・ありがとな、わざわざ謝りに来てくれて」




「い、いえ別に大したことではないですよ!そ、それに私が言いすぎてしまったことは確かですし・・・」




「そっか・・・」




俺は少し微笑んで見せた。すると聖奈はそれを見て顔を赤くし、急いで自分の部屋に戻っていった。



「け、健二にいのバカ・・・そんな笑顔を見せられたら私は・・・」




どうしたんだろう?まぁいいや、それにしても聖奈と仲直りできて良かったー!本当に良かった。明日も学校だし、いい気分のまま寝るかな・・・。







「起きろー健二!」




「今何時だよ・・・」




「6時よ!」




「あと1時間たったら起こしてくれ・・・」




「はぁ、そんな生活してたら社会に出てから大変だぞ!」




「ろくな社会生活を送っていない霞姉さんには、言われたくない」




「ちょっと、なにそれ!ひどい!・・・とりあえず起きなさい!」




「もう少し寝させろ!」





結局、霞姉さんに起こされて6時少し過ぎに起きてしまった。




「ねぇ、朝食は?」




「ふん!あんなこと言う人には朝食はあげません!」




同じ「ふん!」という仕草でもいろりと比べると霞姉さんはまだまだだな。




「っていうかいつも聖奈が作ってるだろ、それはどうした?」




「それなら私が食べちゃいました・・・てへっ!」




「てへっ!とか言っても霞姉さんじゃ・・・」




「私じゃなによ!」




「いえ、なんでも・・・てか人の飯食ったんだからその分ちゃんと作れよ!」




「えーめんどくさい」




「それが本音か・・・もういいや自分で作るから」




そう言って、トーストと目玉焼き、ベーコンの簡単な朝食を作った。




「へー意外!健二ってご飯とか作れるんだ」




「簡単なものならね」




霞姉さんは俺に関心したかのように腕を組み、何回かうなづいた。






「それじゃ、行ってくるよ!」




「いってらっしゃい」




玄関を出てから、もう一度 今度は家に向かって



「いってきます!」



と一礼してから学校へ向かった。





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