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自称インキャぼっちは悩みの数だけ彼女がいるようです  作者: 史本 会
自称インキャはクラスメイトの副部長を放っておけないようです
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幸せ者

「おはよう・・・」




「・・・お、おはよう」



学校に着いて最初に挨拶を交わすのは鮫島さんである。最近はこちらからしなくても、鮫島さんの方から挨拶をしてくれることが多い・・・気がする。



「佐倉さん大変だったんそうですね?」




「あ、あーそうなんだよ、なんか事故ったみたいでね・・・鮫島さんも知ってたんだ・・・」



「はい、淵野さんから連絡がありまして、それでテレビをつけたらニュースで事故があったって・・・本当にびっくりしましたよ・・・でもご無事みたいで本当に良かったです・・・」




「あぁ、本当に良かったよ・・・でもあいつ病院じゃピンピンしてたな・・・」




「お見舞い!お見舞いに行ったんですか!?」




「え、うん、行ったけど・・・」




「私も行きたかったです・・・」




「それならくれば良かったのに・・・」




「いえ・・・その病院の名前知らなかったので、行けなかったんです・・・横田さんはどうやってお知りになったんですか?」




「どうやってって・・・清水先生が教えてくれたんだよ」




「そ、そうだったんですか・・・私も教えて欲しかったです・・・」




いろりと鮫島さんってそんなに仲良かったっけ?と思いながらも、いろりのことを本当に心配している鮫島さんはやはりいい人だと改めて感じた。




「そういえば、佐倉さんは今日は来ないのでしょうか?」




「いや、なんか来るみたいなことを言ってたような気がするけど・・・」




しかし、結局いろりは学校には姿を見せなかった。




ー放課後ー



部室に入ると百合子が座っていた。




「あっ!こんにちは横田先輩!」




「お、おう・・・」




「・・・で先輩!このあいだの返事聞かせてもらえませんか!?」




「このあいだ・・・とは・・・?」




「まさか先輩覚えてないんですか!?・・・最低です!」





「いや・・・なんていうか、まだ気持ちが定かじゃなくてね・・・」




「そうですか・・・って先輩覚えてるじゃないですか!最低です!」




覚えてなくても、覚えてても最低なのかよ・・・。そんなことを思っているとドアが開く音がした。見るとそこに立っていたのはいろりだった。




「い、いろり・・・」




「き、昨日ぶり・・・ヨコッチ・・・」





とっても気まずい、昨日あんなことがあって・・・そもそもいろりがあんなことをしたせいで俺は夜、眠れなかったんだからな!




「横田先輩と佐倉先輩なにかあったんですか?」




この女の子は空気が読めないですね・・・ちょっと黙ろうか、雰囲気悪くなっちゃうから・・・



「・・・でいろり、昨日のことなんだが・・・」




「き、昨日のこと・・・?」



あれ?俺昨日こいつにキ・スされたんだよな・・・ま、まさか!夢オチとかないよな!?




「おい、いろり・・・頬にキ・ス・・・」




「ストップ〜!はいはい昨日のことは忘れようね!」




「えっ、でも・・・」




「ねぇ!?忘れたよねぇ!?」




「わ、忘れました・・・」




「なら結構!」



「あっ、そうだ!いろり・・・部活は来たんだな・・・」




「なによ!その言い方・・・まるで私が部活以外はサボったみたいな言い方じゃない・・・さっきまで検査してたのよ!」




「検査か・・・別に部活出なくても良かったのに・・・」




「ダメよ!私は部長なんだし、園田さんの依頼もまだ終わったわけじゃないんだから!・・・ねぇ、園田さん!?」




「は、はい・・・昨日なにがあったのかすごく気になりますが・・・そうですね!まだ依頼は終わってないので横田先輩はしばらくは私のものってことですしね!」




「は?」




「えっと、私の依頼は終わってないわけですから、横田先輩は私の彼氏って事でいいんですね?」



「仮のね!仮の!」




「分かってます、仮の彼氏です・・・まぁ本当になるのも時間の問題かと思いますけど・・・」



あれ!?百合子ってこんなに積極的だったの?でもなんかちょっと嬉しい・・・少し頬が緩んでしまった。




「ヨコッチ!なに嬉しそうにしてんの!この浮気者!」




「いやいや、俺お前と付き合ってるわけじゃないし、浮気なんかしてないから・・・」




「で、でもヨコッチ気になる人とかいるんじゃないの!?」




「そ、それは・・・」



パッと出てきたのは鮫島さんの顔だった。



「ヨコッチ今誰のこと思い浮かべたのかな!?」




「えっ、いやそれは・・・」




「もちろん私ですよね?横田先輩!」




「そんなわけないじゃない!」



やばい、なんかいろりと百合子が・・・これってもしかして俺の奪い合い!?これがハーレムってやつか!・・・人と関わることすらしてこなかったのに、2年生になってから女子と話ができて、友達みたいな奴もできて、それに俺のことを思ってくれる人もいる・・・俺って幸せ者だな・・・!




「横田先輩なにニヤニヤしてるんですか!?」




「ヨコッチ気持ち悪!」




「おい!2人いつのまに結託してんだ!」




「結託なんてしてません!」




「そうよ!なんで私が園田百合子なんかと・・・」



いろりと百合子は再び喧嘩を始めた。




「あら、教室を間違えたかしら・・・」




一度入ってきた淵野先輩はなにを思ったのかドアを閉め、そしてまたドアを開けた。




「あら、やっぱりここが部室でいいのよね?」



「どうしました淵野先輩?」




「いえ、後輩くんが女をたぶらかす豚野郎に見えたから、てっきり豚小屋かと思ったのよ」



「は、はぁ」




先輩それ、俺だけじゃなくていろりと百合子にも失礼なこと言ってるからね・・・




「あっ!佐倉さんこんにちは!」




そう言って入ってきたのは鮫島さんだった。




「本当に良かったです、ご無事で・・・本当に・・・」




鮫島さんはそう言いながら少し涙を流した。なんていい人だ!やはり鮫島さんは天使だ!




「あ、ありがと・・・心配してれて・・・」



よかった険悪な雰囲気が少し和らいだ気がする・・・




その3分後には全員が集合し、会議が始まった。



「それじゃあ会議を始めるわよ!」




いつも通りのいろりの掛け声とともに、これからのことについて、会議が始まった。



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これからもよろしくお願いします。



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