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自称インキャぼっちは悩みの数だけ彼女がいるようです  作者: 史本 会
自称インキャはぼっちを卒業するようです
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部活始動

放課後になった...さて帰ろうかな...。




「ヨコッチ!部活いこー!...もしかして今帰ろうとしてた?」




「い、いやそんなわけないだろ...」




「ふーん...まぁいいや、じゃ早くいこーよ」




「お、おぅ」




そんなわけで今日はまだ家には帰れそうにない...早く帰って聖奈に癒されたいな...なんて人には絶対に言えないことを思ったりした。



「ねぇ、ヨコッチ...」




「ん?どうかしたか?」




「えっと、その...鮫島さんのことどう思ってる?」




まさか鮫島さんのことを聞かれるとは思ってもいなかった...自分でも分かるくらい動揺していた。



「えっ...いきなりなんだよ、なんでそんなこと聞くんだよ...」





「あっ、その...深い意味はないんだけど...い、今のは忘れて!」




その後部室に着くまで俺といろりの会話はなかった。



部室に着くと知っている顔が2人と知らない顔が1人いた...知っている顔の方は、長谷川さんともう1人...。



「やぁ横田くん!君のために僕もこの部活に入ったよ!」




そう声をかけたのは峯崎である...なんでこいつこの部活にいるんだよ...。




「おい、なんで峯崎がこの部活に入ってるんだよ!?」



心の声を小さな声に変えいろりに伝えた。



「いやー、それがさ...いろんな人に声かけてたら、峯崎くんが入るーって言うからさ...入ってもらっちゃった!」





はぁ....ため息を1回、いや2回ついた。





「で、もう1人の人は?誰なんです?」





「あー、それはね...」




「3年Aクラス淵野可憐です...よろしく後輩くん」




淵野可憐...聞いたことがあるような無いような...。




「可憐さんには部長をやってもらってるんだよ...気軽に可憐ちゃんって呼んであげて!」




「お、おい...それはダメだ、呼んだら殺すからな後輩くん」





こ、怖い...目で人を殺すとはこういうことなのだろうか...。





「あ、あの先輩...こんにちは...」




黙っていた長谷川がこのタイミングで口を開いた。




「こ、こんにちは長谷川さん...」





「よし!じゃあ部活始めようか!」





いろりの掛け声で、バラバラに座っていた部員たちは円を作るようにイスを並べ席に着いた。





「じゃあ今日は初めての正式に部活と決まってからの部活ということで、みんな集まってくれてありがとう」




今日が初めての部活の集まりなのか...てか鮫島さん部員じゃなかったっけ!?




「あの、佐倉先輩...鮫島先輩がまだ来ていないのですが...」




俺の疑問を長谷川さんが口にしてくれた...しかしいろりはそれを完全にスルーして話を続けた。




「えっと、まずこの部活なんだけど...スキー部というのは仮の姿で実際は何をするか何にも決めて無いんだよね...ということで今日はこの部活で何をするか決めたいと思います!」




えっ!この部活、スキー部じゃなかったの!?...それに鮫島さん来ないし、てか長谷川さんのことスルーしないであげて、可哀想だから...。




「はいはーい!僕的に奉仕部とかいいと思いまーす!」




「それはダメよ、それだとなんか他の小説と被りそうだもの...」




いやまて!なんで小説家目線なの!?...てかよく見たら淵野先輩誰かによく似てるような... 容姿もだけど、話し方とか...。




「じゃあヨコッチ!なんかいい案ない!?」




いきなり振られてもな...それよりも鮫島さん来ないんですか!?




「えっと...なんでもいいんじゃないかな...?」




「なにそれ答えになってない!ヨコッチに聞いた私がバカだった」



始まりました...いろりさんの俺へのディスり...今日は何回ディスられるんだか...。




「えっと...じゃあ恋愛相談部的な...」





「....」




俺の発言にみんな俺の方を真顔で見てなにも言わなかった。




なに、そのしらけた人みたいな人の扱い...やめて、お願いだからやめて!





「いいじゃんそれ!ヨコッチまじナイス!」



「はい、先輩の案いいと思います...」



「流石俺の友達!横田くんまじナイス!」



「ええ、それでいいわ...」



俺の意見はみんなの同意を得ることができたようだった...あぁ良かった、少しホッとした。




「じゃあそれで決まりね!...でどういう風にやるの?」




「それは部長であるお前が決めることだろ...」




「はー!もうヨコッチまじ使えない!」




えー!酷くない...さっきまで絶賛だったじゃん、態度変わるの早すぎない!?




「噂には聞いていたけど、本当に使えないのね、後輩くん」



いやいや淵野先輩今日初対面だよね!?

...てか淵野先輩その喋り方やめて下さい!



「あ、あのネットでそういう相談所サイトを作ってみるのはどうでしょう...?」




「それはグッドアイデアね長谷川さん」




先輩もいろりに似て態度変えるの早すぎ...。




「じゃあヨコッチ、そんな感じのサイト作っておいて!峯崎くんと一緒に!」




こいつわざとだな、なんで俺がこいつと作らなきゃいけないんだよ...。




「それはいいね!横田くんがんばろう!」




峯崎はやる気のようだ...こいつだったらまだいろりと作業したほうがマシだ...と考えた俺は少し面白いことを言ってみた。




「ねぇ、いろり...俺とお前付き合ってるわけだし、一緒につくらないか!?」




「つ、つくるってなにをよ!」




何かすごい誤解を生んだようだ。



「いや、サイトの話だよ...サイトの!」





「わ、わかってるしー!そんなこと...」





「で、どうなんだ俺の意見は...」




「んー確かに、付き合ってはいるけど...今回はあれよ!あれ!...ってことで峯崎くんとやってね!」




いや、あれ!ってなんですか...ちょっと気になるし、そんなに恥ずかしそうに言わないでくれる...こっちまで恥ずかしくなるから...。




その時、ものすごい勢いで誰かが入ってきた。



「ちょっと佐倉さん!なんで違う教室を私に伝えたんですか!?」



すごい疲れた様子で息を切らしていた..その時、初めて鮫島さんの怒った顔を見た。










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