閑話 奴隷の独白
やっぱりシリアスは苦手です
私はエリン。ある村で家族3人で幸せに暮らしてした。
でも幸せは長くはなかった。ある日、帰ると父と母が血だらけで倒れていた。私の「幸せ」は突如として奪われた……
意味が分からなかった。何度呼んでも返らない返事……いつも私を笑顔で迎えてくれる顔はそこにはなく、生気の感じられない顔がそこにはあった。
私はいつの間にか泣いていた。ずっとずっと時間という物を忘れたように……
起きた時、私は牢屋に入れられていた。涙は枯れていた。
2日は経っただろうか……牢屋から出された。ある部屋に入ると、そこには村長がいた。やっとこの訳の分からない状況から開放される。そう思った。
が、それは裏切られることになる。
「お前の親は俺が殺した。お前は一生俺の奴隷となるのだ」
続けて
「お前が生まれなければ、お前の親は死ななかったのになぁ」
髪を撫でながらそう、気持ち悪い笑顔でそう言ったのだ。
その時私は大事な何かを失った。涙はもう枯れたのか何故か出なかった。
◆
次に目覚めた時には1人の少年が立っていた。名前はエルと言うらしい、助けに来たと頭を撫でてくれた。
訳が分からなかった。どうせ嘘をついていると思った。
私は何日ぶりかの日の光を浴びた。眩しい……顔に出ていたのか、笑われた。
その後ご飯を食べさせてくれた。最初は警戒して食べなかったけど食欲には勝てなかった。
どうやら毒は入っていないらしい……
それから服を買って着せられた。高そうな服……
次はこれから暮らす所に行くらしい、そこはでかい所だった……
ある部屋に入ろうとすると、女の子が出てきて泣きつかれていた。宥められて落ち着いた今度はニッコリと笑っていた。
次の瞬間ドアが開かれ、また女の子が入ってきた。その時の彼の表情を見ると、笑えた
そして舌を出して女の子の後ろに隠れた。
私は何故、あそこで笑って舌を出したのだろうか……
私はここのメイドとして働くこととなった。私は行く所もないので、素直に従った。
そうして数日経ち、ある時「幸せ」そうに働いている女の子に、何でそんなにも幸せなのか聞いてみた。
女の子は「エルのために働いているから、エルのことを思うと胸がポカポカしてくるんだ」
とても幸せそうだった。
1番幸せな事は?と聞くと
「エルの胸に抱きつくことかなー」
と言っていた。
私は早速試すことにした。何故かは分からないが……
彼に抱きつくとポカポカはしないが安心した。彼は驚いているようだった。でもすぐに頭を撫でてくれた。
その時、私は泣いていた、悲しくないのに涙が出た。それでも彼は撫でるのを止めず、それだけなく抱きしめてくれた。
その日の夜は一緒に寝た。私はとても久しぶり安心して眠れた。
私の「幸せ」は彼といること……なのかな?
お父さんとお母さんは居なくなったけど、彼が居れば大丈夫な気がした。
私の「幸せ」は他に見つかるかもしれない……でもそこには絶対に彼がいることだろう。
アニメの主人公はどうやって彼女を助けたのでしょうか?謎ですね