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夢の島再開発計画  作者: 若松ユウ
第一部「視察団訪問」
2/10

#001「ジェットコースター」

――ジェットコースターで起こった事故のこと知ってるか? 「事故があった」とは聞くのに、どんな事故だったのか誰に聞いても答えが違うんだ。

  *

佐藤「上り坂のテッペンから突然、逆走した。ループの途中で安全バーが外れて転落した。カーブの途中で脱輪して最後尾の車両が脱線した。事故があったらしいとは言われながら、集まってくる証言はバラバラなんだから、遊園地が嫌いな人間が、口さがない噂をでっち上げたってところなんだろう」

佐藤、座席に腰掛ける。

佐藤「異常ありませんでした、と言えば済むんだ。それに俺は、いの一番に割り当てられたアドバンテージもある。ちょっとくらい惰眠を貪ったって良いだろう」

放送『スリルと興奮のジェットコースターへ、ようこそ』

佐藤「アレ? 電源は切れてるはずなのに。ウワッ」

放送『そのバーは、君たちの安全を守る大事な命綱だから、しっかり握っとこうね』

佐藤「どうなってんだ? チクショウ。安全バーが、上がらない」

放送『心の準備は良いかな? 三、二、一。出発進行!』

  *

局長「何やってるのよ、佐藤くん。降りなさい」

佐藤「安全バーが上がらないんですよ、局長。もう、三周目です」

放送『心の準備は良いかな? 三、二、一。出発進行!』

佐藤「降ろしてくれー」

局長、踵を返し、立ち去る。

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