#000「プロローグ」
――ねぇねぇ、裏野ドリームランドの七不思議って知ってる? 市内では結構有名な話なんだけどさぁ。
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局長「閉園してから五年近く経ちますし、何より駅前の一等地ですからね。市としても、このまま放置しておく訳にはいかない事情がありまして」
オーナー「残念ですね。でも、たしかに老朽化も心配ですね」
局長「ご理解いただけますね?」
オーナー「えぇ。……わかりました。名残り惜しいですが、手放しましょう」
局長「ご協力、深く感謝いたします。それでは、こちらの書類に目を通していただいて、読み終わりましたら末尾にサインと捺印をお願いします」
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局長「それでは、視察に移りましょう。事前に会議で打ち合わせた通り、担当が決まった人から、速やかに点検を始めてください。私は、オーナーと一緒にスタッフルームで待機していますから、異常があったら直ちに知らせること。――佐藤くんは、ジェットコースターを」
佐藤「ハーイ。行ってきまーす」
局長「高橋くんは、アクアツアーを」
高橋「はい、局長。合点承知之助です」
局長「伊藤さんは、ミラーハウスを」
伊藤「承知いたしました」
局長「それから、ドリームキャッスルは、山本くんに」
山本「了解です」
局長「メリーゴーラウンドは、小林くんに」
小林「あっ、はい」
吉田「あたしは、観覧車ですね?」
局長「そう。頼んだわよ」
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オーナー「そうですか。ご来園いただいたことがお有りでしたか」
局長「そうなんです。閉園する、三年ほど前に。――遅いわね。どうしたのかしら?」
オーナー「もうじき、戻られるでしょう。ご心配なのでしたら、様子を見て回ってはいかがでしょう? ここに誰か来られたら、こちらからお知らせしますから」
局長「そうですね。それじゃあ、お願いして、伺ってきます」