表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
甘党作家と祈りの手首  作者: 甘楽
1/1

プロローグ

  -ガタガタガタ-

このデコボコとした悪路を揺られること2時間。そろそろ私のお尻も悲鳴を上げている。痛むお尻をさすりながら周りを見渡すと、狭い馬車の中を私と同じようにおしりの痛みに眉根を寄せている人々が何人かぐったりとした様子で揺られていた。ふと横を見るとこれまたぐったりとした様子の男が青ざめた顔で私に話しかける。


「・・・おい。カトレアには一体いつ着くんだ。」

「もう少しのはずなんですけど。・・・大丈夫ですか?」


私の問に答える様子もなく、またぐったりと目を瞑ってしまう。

私達はこれからある事件の調査の為、「カトレア」という村に向かっているのだ。



---遡ること3時間前----



 ドタドタドタドタドタッバァン


「先生~~!!!!」


大きな声を出しながら階段を駆け登り、部屋の扉を勢いよく開ける。勢いよく開かれた扉によって、近くにあった山済みにされていた本のタワーがドサドサと雪崩を起こしているが、扉を開けた本人は崩れたタワーには目もくれず、舞い上がった埃に蒸せながら窓際の毛布に包まった塊に詰め寄った。


「先生!もうお昼ですよ、起きてください!いつまで寝てるんですかあ!」

「・・・・・うるさい」

「依頼が来ましたよっっと」


男を起こしにきたこの少女は、頑固に惰眠を貪ろうとする男の毛布をいとも簡単に引っペがした。


「はいはい、起きて」

「・・・馬鹿力め」


長い亜麻色の髪をサイドに1本、三つ編みにしたこの小柄な少女こと"アルマ"は、てきぱきとこの澱んだ暗い部屋のカーテンと窓を開け、部屋の空気を入れ替えていく。


「先生、先程依頼が届いていましたよ。」

「はあー・・・めんどくさい。」


そう呟きながら、ボリボリと頭を掻きながら階段を降りていく。


「あっ待ってくださいよー。」


アルマも先生を追いかけて階段を下りていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ