従者達の実力
次の試合は確かクロエだったな。
あいつが俺達以外にどれだけ実力が出せるか楽しみだな。
「アスナ楽しそう」
「そう見えるかい?ルナ」
「うん。アスナ楽しい時いつも笑顔」
「僕は何時でも笑顔だけどな?」
「それ以上に笑顔」
俺は心の中でルナには勝てないなと思った。
ルナ自身は俺以外にあまり表情を出さなくて、他人から見ると無表情で何を考えているのか分からないと思われがちだが実際はよく相手の表情を観て対応をしているので、相手の考えを読むのは得意なのだ。
何故かは知らないけど特に俺に対してはそれが異常な程に発揮する。
「それはアスナの事が大好きだから」
「ルナには勝てないな」
俺は苦笑いしながら、微笑んでるルナの頭を撫でていた。
ルナのを撫でて楽しんでいると観客席から受験生の女子達が騒ぎ始めみんながクロエを観ていた。
俺は仕方がないと思ったクロエは少し馬鹿だが見た目はかなりのイケメンで将来はかなりモテるのは確かだ。
そんなクロエはステージに立つとこちらに気づいて軽くお辞儀をした。
さすがに今のクロエの態度はアスナを驚かせた。
クロエは年相応に子どもらしい性格で、やんちゃな子なのだ。
「あの子ちゃんと出来てますね」
そう答えたのはルナとは逆に座っていたシロナだった。
「シロナ達が教えたのか?僕は知らないぞ?」
「はい。私とルナお姉様と一緒にクロエが学園に入学しても従者として、しっかりとした礼儀が出来るように調…訓練をさせてもらいました」
「おい、今調教と言おうとしなかったか?」
「いえ、そのようなことは……」
「シロナ俺の目を見て話そうか?」
「アスナ様もうそろそろクロエの試験の開始です」
「シロナ後でお仕置きだからな」
クロエの武器は大剣で相手の試験官の武器はレイピアだ普通子どもが大剣等を使うのはまずいないだろうあれはクロエともう一人姉のシロナだけが例外だ。
クロエとシロナは元はドラゴンで今は人化のスキルで人間の姿をしているがその力はドラゴンの時と変わらず強力だ。
だがドラゴンとしてもまだ子どもなので筋力は大人と同じぐらいしかない。
相手の試験官や他の受験生達もクロエが大剣を扱っているのを観て驚いていた。
だがクロエの凄いところはそれだけでは無い、それは試験が始まって直ぐにそれは起きた。
クロエは両手で大剣を持つと神経を集中させて火属性の魔力を大剣に纏わせたのだ。
これは俺がクロエ用に教えた『エレメント・ソード』の劣化版『フレイム・ソード』だ。
クロエとシロナは『エレメント・ソード』までは後少しと惜しい所までは行ったのだがそれ以上は何かきっかけがない限り難しくそこで思いついたのがこの魔法だ。
これはクロエとシロナが一番得意な属性で編み出した魔法でクロエの場合は火属性が最も得意な為、今実際に使っている『フレイム・ソード』でシロナの場合は風属性が得意な為、『ウインド・ソード』になる。
何故クロエやシロナに教えた魔法が『エレメント・ソード』の劣化版なのかそれはエレメント・ソードと違って弱点が多いことだ。
エレメント・ソードはその名の通りにあらゆる属性を剣に纏わせる事が出来るのがポイントだ。
だがあらゆる属性を纏わせるにはその属性魔力を持っていないと使えないそれがある意味エレメント・ソードの欠点になるだがそこに地球の知識を入れる事によって全てとは言わないがそれなりの数の属性が操れるようになるのが出来るようになった。
例えば火と水の魔力を持っていれば氷の魔力を使う事が出来る他にも火と風を持っていれば雷の魔力を扱えるこれらは属性と属性の複合により出来る一種の魔法だ。
この複合により出来る雷と元々雷を操れる魔法使いで違いが存在する。
それは複合により出来る雷は火と風により出来てる為、火属性を強くすれば凄まじい威力のある力の雷でき逆に風属性を強くすれば速く鋭い速の雷ができ色々な工夫ができるようになる。
そしてもう一つのただの雷属性所持者は複合よりも扱うのは簡単だが複合以上の威力も速さも出すことができないのだ。
あれは火の力と風の速さによって出来る為ある意味通常の雷とは別の物と考えた方がいいと言える。
これがエレメント・ソードの欠点を補う方法だ。
これは属性が一つでもその属性によっては他にも可能性がある魔法だ。
ここでクロエの『フレイム・ソード』の欠点を教えよう。
フレイム・ソードはそののままの意味で剣に火を纏わせる魔法だ。
だがこれには欠点があり、ただ火を纏わせるだけなのでエレメント・ソードのように他の属性で属性変化させたり、火それ自体を強化させることも出来ないのだ。
これはこれで普通は凄いのだがやはりアスナとしては物足りなくて仕方がなかった。
実際に今クロエは大剣に火を纏わせる『フレイム・ソード』を使用し試験官のレイピアを両断させてみせた。
試験官はクロエが火を纏わせたところで呆気にとられていて、まともに動くこともしなずに負けた。
「次はシロナだな。頑張って来い」
「応援してる」
「ありがとうございます。アスナ様 ルナお姉様では行ってきます」
そう言うとシロナはお辞儀をして試験ステージへと向かって行った。
シロナがステージ出ると男子達の目がシロナに集中していた。
俺はそれを見てまあ仕方が無いだろうと思った。
シロナはまだ子どもだがルナやレイラに負けない程の美少女だ。
あまり見る事の無い白銀の髪に碧い瞳と整っている顔をしていて、確かよく買い物に行く街では聖女と言われるほどに有名だ。
ルナの方もたしか女神と言われるほどに人気があり街では二人を合わせて双輪の花と言われていたっけな?
そんな美少女のシロナも目立っているのをお構い無しにこちらに軽くお辞儀をしてステージに立った。
シロナの武器はさっきのクロエが相手した試験官と同じでレイピアを扱っていた。
そんなシロナの相手はシロナと同じく女性の試験官で武器は少し刃が短い剣とバックラーを装備していた。
試験開始と直後にシロナはクロエと同じように『ウインド・ソード』を発動して風を纏ったレイピアの先で相手の喉先に向けた。
相手の試験官は今のシロナの速さについて来れず呆気なく終わった。
「そろそろ俺とルナの出番か」
「うん。頑張ろうアスナ」
「あぁ、じゃあ行きますか」
俺とルナはシロナの試合を見た後自分たちの試合するステージまで向かって行った。




