アルミナとのデート
今回は、タイトル通りアルミナのデート回です。
王都に着いてから、俺は久しぶりにアルミナと一緒のでかけに行った。
俺が初めて屋敷近くの町まで行ったことがあるのは、四歳の頃だ。
あの時は初めての外の町で、結構興奮してたのを、憶えている。
「アルミナどこから行こうか?」
「そうですねーー屋台でも回って行きましょうか?」
「それで良いよ!」
商業区の屋台は沢山あり、食べ物から食材にアクセサリー、武器、防具、服、骨董品、小道具等など、色々と売っていた。
俺は屋台でアルミナに買ってもらった、牛肉の串を食べながら見ていた。
「アスナ様、美味しいですか?」
「うん!美味しいよ。アルミナも食べる?」
「いえ、私めはいいです。アスナ様が美味しそうに食べてるだけで私は良いのです」
「ならアルミナ、主からの命令。俺の肉結構量があって、食べ切れないから、一緒に食べて」
「アスナ様.....わかりました。ではいただかせてもらいます」
アルミナは、少し頬を赤らめながらも、ちゃんと食べてくれた。
「どう、アルミナ美味しい?」
「はい、美味しいですよ」
「なら良いや、次行こうアルミナ」
「はい、アスナ様」
それから俺は夕方まで商業区を回って色々な物を、見て行った。
宿まで歩いて帰っていると、冒険者みたいな格好をしているおっさんにぶつかってしまった。
「いたっ!」
「おい、坊主どこ見て歩いてんだよ!」
「ごめんなさい、おじさん」
「ごめんで済むかよ!俺の飯がてめーがぶつかって落ちたじゃないか!それに服まで汚してよー」
「お金は払うので、許して下さいませんか?」
「おっスゲー美人さんじゃないか。そうだなお前が今日の俺の夜の相手をするなら、許しても良いぜ。どうする?」
「おい!ゴリール、俺達にも"やらして"くれるんだろうな?」
「俺の後ならいくらでもやって良いさ」
「ギャーハッハッハッハ」
俺はその時、完全に切れた。そして目の前のクソ共を、ぶっ倒すと決めた。
「おい、クソ野郎共。俺のアルミナに、何手を出そうとしてるんだよ」
「何だ、坊主ーーーひっ!」
「だから、俺のアルミナに何手を出そうとしてるんだと聞いてんだよ。おい!」
俺は魔力を全開にしながら、クソ野郎共に聞いた。
「テメエら、死ねよ」
俺は魔力を乗せた手で、軽く横に振った。それだけでおっさん共の髪は、綺麗にカットされた。
「今回は見逃してやるよ。次俺達の前に出たら、本当に殺すぞ?」
「す、すみませんでしたーー!」
「だったらさっさと失せろ」
おっさん共が消えてから、俺は冷静になって今更思った。俺のチートみたいなステータス、どう誤魔化そう、それに怒りでつい、素が出てしまったし俺のアルミナとか言っちゃたし、何してんだよー俺は!
「アスナ様、今のは」
「いや違うんだ、アルミナ」
「俺のアルミナとか言っておりましたけど」
「それは、つい、切れちゃって」
「................うれしい、凄くうれしいです。アスナ様が私の事、そこまで思ってくれているなんて」
「あのーアルミナさん?俺の力に関しては、何も質問しないんですか?」
「アスナ様がお強いのは、当たり前です。それよりも私が嬉しいのは、アスナ様が思ってくれる事です」
「そうなんだ。なら良いや、それにアルミナが好きなのは本当だし」
「アスナ様........」
「アルミナ、俺は君の事が好きだ。でもそれと同じ位に、ルナの事が好きなんだ。そんな俺だけど、大人になったら、結婚してくれますか?」
「私はそれでも嬉しいです。ルナ共々これからよろしくお願い致します。アスナ様」
「アルミナ」
「アスナ様良いですよ」
俺はその日、アルミナと初めてのキスをした。
「ただいまー」
「おっ!兄ちゃん帰ってきたか、どうだった商業区は?」
「おかえりなさいませ、アスナ様。どうでしたか?王都の商業区は」
「楽しかったよ」
「それは何よりで、では夕食を食べに、食堂へ行きますか?」
「俺は腹減ったから行くぜ!」
「クライネ、僕も行くよ」
「では、降りましょうか」
宿の一階の食堂で食事をして、アルミナとのデートの日は幕を迎えた。




