謎の声
ーーーおーーーきてーーーー
気づいたらどこからか、女性の声が聞こえる。何故だろうとても愛しくなる。
ーーーごめんーーーなさいーーごめんなさいーーーーーー
聞こえてくる声は、すごく悲しそうだ。
どうしてだろう この声の女性には悲しんで欲しくない気持ちになる。
ーーわたしのーーせいーーーだーーーー
泣いているのか? 声に出そうとしても、何故か声が出てこない。
俺はこの声の女性に、何も言えないのか?
そんなのーーそんなのは、俺は嫌だ! 頼む神でも悪魔でも良い!
せめて一言この声の女性に言わせて欲しい。
『なく・・・な・・・・・・・・・・している』
俺は何て言ったんだ?
でも凄く言えて良かったと、心から思える。
ここに居られる時間が、もう少ないのかもしれない段々と意識が、途絶え始めてきた。
ーーーくんーー〇〇くんーーー〇〇〇くんーーわたしもーーーしているーーーだからーーおいてーーーいかないで!
そこで彼女の声は、聞こえなくなった。
だけどそうか、ーーーそれが俺の名前なのか。
俺は全てを、理解し思い出した。
声の女性が誰なのか、俺が誰なのかも、そこで俺の意識は完全に途絶えた。