表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柿の種の半生  作者: 八雲
1/2

序章

ここに柿の種と呼ばれる女性がいた。

一般的に柿の種、というとおつまみを想像されるだろう。そう、スーパー等でよく売っている、醤油や唐辛子で味付けされたもち米を使ったアレである。


彼女の名前は、柿田藤子。


何故そこから柿の種、と呼ばれるようになったのか。

彼女が22歳のとき、とある会社に就職することが出来た。その新入社員歓迎会の2次会で、彼女はボカロ……つまりボーカロイドの歌を歌ったのである。何を隠そう、藤子は世間一般から言われるオタクであったのだ。給料のほとんどはゲームや漫画、果ては携帯ゲームのアプリにつぎ込こみ毎月カツカツの生活を送っている。そしてそれを隠すことがなかった。そのため、藤子はカラオケでマイクを渡され、ボカロの曲を選択したのだ。


それから、藤子は何故かボカロPと呼ばれるようになった。しかし、彼女はあくまでも歌ってみたや踊ってみたを見るくらいで自ら作ったことはない。すぐにそう説明し、その誤解は解けた。だが、その名残は残ってしまった。


藤子は、柿Pと呼ばれるようになったのである。


そこから柿の種と発展するまでに時間はかからなかった。



藤子本人の前で、そう呼ばれることはない。

柿P、もしくは下の名前である藤子から藤っ子と呼ばれることが多い。ちなみにそれはとある納豆から来たものである。さらには峰不二子……とまで言われるようになったが、こちらはあっという間に立ち消えた。アニメの世界の彼女のように、グラマスな体型ではないからだ。



流石に峰不二子と呼ばれることは嫌がったが、どんな仇名であれ彼女は受け入れた。

反論したところで、どうにもならないことが分かっていたからである。

ムキになればなるだけ、周囲は面白がるということを知ったせいもある。




そんな、柿の種と言われる彼女の最近の口癖は……「死にたい」であった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ