四話
ふっかふかのソファに座り、向き合う
「(本当に美形ねぇ・・・)」
此処まで美形だと我が身を振り返る気にもならない
「魔王様、余り見ないでくださいまし・・・あぁ、やっぱり見て頂きたいような・・・でもっ」
「は、あ」
「魔王様、余り瞳を覗いてはいけません。魔王様程の御力の持ち主ならば瞳を合わせるだけで魔力を流してしまいます。力の制御も出来ていない以上危険です」
「魔力を流すと危険なの?」
「弱者同士ならば問題ないのです
しかし、魔王様のように力があり、留め方を知らないと魔力は相手に流し込まれ、その量が大きいほど、相手が弱いほど容量少なく溢れます」
「(嫌な予感)
ひょっとして破裂する??」
「致しますね」
ユリウスさんの無表情が余計に恐怖を感じさせる
「・・・・・・・・本当に夢落ち希望するわ」
「誠に残念ながら・・・イエ、我等には喜ばしい事に現実で御座います」
溜息を吐く
今日だけで何度目か・・・
「魔王様にはそれまでの生活があった事は分るのですが、我等としては数百年振りの主なのです
待ちに待った主が貴方のように可愛い人で嬉しく思います」
「数百年ぶりなの?・・・・っていうか貴方達の様な美形にそんな事言われても」
「正確には583年振りで御座います。前魔王が逝去され長く魔力を継承する者が現れなかったものですから」
悶えていたエルンストさんが復活した
「魔王って、居ないとダメなものなの?ひょっとして人と戦っているとか・・・?」
「人族は度々戦を仕掛けてきますが、魔国に被害はあまりありませんね。
魔王様は我等魔族にとって居なくてはならない存在で御座います」
「魔王様はこの国に存在するだけで魔人や魔獣に魔力を供給しているのですよ
魔力は人族で言う所の食事のようなもの。魔力がなければ餓死してしまいます
ここ数百年は力の無い魔人や魔獣同士での魔力の奪い合いが酷くそこかしこに血の匂いが漂っていたモノですが、魔王様が御渡りになられてからはピタリとやみましたね」
そんな血みどろな世界嫌過ぎる