九話
グラニールの背から見下ろす魔国は、部屋から見えるそれとは違い遠く迄見渡せた
魔王の城、おおよそ直径20kmに渡って城を囲むように石造りの建物が並ぶ
それより奥には幾つか村と思われる集落が点在していた
エルンストさんの授業通りなら、魔王の城近くの建物には高位の魔力を持つ魔人や魔獣が
集落には魔人が種族(鬼や婬魔など)で固まって
あちこちにある見るからに深い森には魔獣が
城に近いほど魔力が高い(とはいえ、単独でフラフラしている強い魔族もいるとか)
「広いなあ」
私の呟きにグラニールが首を曲げてこちらを見る
「魔国って広いねぇ」
そう?と瞳を瞬かせるグラニールに笑う
「魔王だなんて夢みたいだけど、現実なのよねぇ。何回も確認しては、実感するわ」
この魔国に来て、2週間
実感する度に、【魔王】と向き合う
グラニールが少しずつ高度を落とす
目指しているのは、眼下に広がる深い森らしい
さあ、どんな植物があるのか