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遭遇

俺は目標を決めたところで一つ問題に気がついた。

綾がやっていた事は今俺がやっていることと全く同じなのだ。綾はただ痩せただけ。なのにあんなに美人になったというのには生まれ持ったものが違うのだと今更気がついたのだ。そしてどうすれば告白を受け入れて貰えるかを考えた。金だろうか、地位だろうか、それとも別の何かなのだろうか。俺が出した結論は否だった。そして決心をした。

「俺も見た目を良くする。それしかない。」

彼にとって綾と同じ道を通るようにして行くのは一つの美学とすら感じていた。以前の理に働きかけていた彼にはなかったものだ。

そしてその決心をしてからは早かった。

これまでのルーティンワークに追加してランニングを始めたし筋トレも始めた。

ファッションや化粧の勉強もした。

とにかくかっこよくためにひたすら努力したのだ。

そして決心からおおよそ五ヶ月後の夕暮れ、ランニング中の川島は一つの場面に遭遇する。

綾が洒落っ気のある男と一緒に歩いていた。

自分の中で何かが割れるような感覚に陥った。

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