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Re:綺麗化
「ふぅ」コーヒーを飲んで一息つく。
綾への思いを不意に気づいた時からおおよそ一年が過ぎた。何も無かったと言えば嘘になる。色々な所へ遊びに行ったし、時計の針が一周するほど話したこともあった。もみじだって見に行った。ただ、あの告白だけがなかった。悲しくはあったし、どうにもならない虚しさはあった。ただそれを淡々と受け入れられる自分への驚きが一番大きかった。やはり俺は大切な何がが抜け落ちているのだ。そして自分で一つ決めた事があった。それは、綺麗化だ。もちろん俺の。そして今度は俺が告白する。想定していたあのシチュエーションで。