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つまらない積み重ね
新聞配達を始めてから二週間が経った。綾は話ながら完走することが出来るようになるまで成長していた。
話は基本質問責めだった。好きな色、食べ物、タイプなどなどだ。少し痩せてきたなと言うか言わまいかを迷っていると綾はこう言った。
「そろそろ新しいなにかを始めない?これだけじゃ痩せるだけだよ」
そうして俺は新しい指示を出した。
「そうだな。じゃあ、ストレッチを始めよう。」
「ストレッチ?」綾が訝しげそうに言った。
「お前の顔のそれは肉とむくみだ。取り除けばそこそこマシになるはずだ」そう言ってストレッチを始めさせた。
「ふーん、まあ綺麗化が派手である必要はないもんね」綾は納得する素振りを見せたので、ストレッチのメニューを教え始めた。
この一ヶ月後に俺は人生で味わったことの無い経験をする。