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セカンドコンタクト
「いらっしゃいませ」
俺はバイトに勤しんでいた。バイトに関しては余力あまさず全て全力だ。なぜなら
「川島くん、今日も廃棄いる?」
「いりますっっ!」
そう、廃棄を頂けるからだ。親父と二人暮しの俺にとってそれほどありがたいものは無い。親父が働いていないから家計がカツカツなのだ。
今晩、明日の朝、昼の分までカバンにつめて帰るのが許されるからここで働いている。
この恩は働いて返す。
俄然やる気が湧いて出てきた時だった。
「レジ行ってくれ」店長から指示が出る。
行くとそこには菓子パンを大量にカゴに入れた綾が立っていた。
「あっ川島くん!お菓子無しの菓子パン減量で綺麗化最高のスタートをきったよぉ」
「阿呆が。多すぎるわ」
驚いた素振りを見せた綾にする困惑するしかなかった。
「わかった。一日二個までにしてくれ。それで手を打とう。」
「残酷..ううん、私がんばる!」
カゴに入ったパンを置き場に戻して二つドーナツを買っていった。
「今度こそ、また明日!」
そう言って綾が去ってから呟く。
「一番カロリー高いやつ...しかも同じのかよ...」
俺は絶句した。