プロローグ
五歳で母が蒸発した俺にとって、達観した性格になるのは当然の事だった。くだらない小説をなぞる頭のように、ただ事象だけが過ぎ去ってゆく。
「川島くん、私と付き合った下さい!」
ごめん、と二つ返事で断る。女性は怖いのだと母が残した教訓に従うように。
実際俺、川島は特別顔がいい訳では無い。あるいは悪い方だ。ただ手入れしている髪と爪、それに諦念みたいなものから来る余裕に似た何かがあるだけだ。
だが高校生というのは単純なもののようで、それだけで月に一度ほど告白される。簡単に言えば少しモテているのだ。。嬉しくないわけじゃないが、女性は怖いのだ。特に美人は。
望んた一人でも、少し寂しいな。そう思いながら帰路を歩いていると角からバッと人が出てきた。
「私と付き合って下さい」
一日に二人は初めての経験だったので少し驚いたがその後さらなる衝撃が走る。
(可愛くない!!)
細い目、太い足、ボサボサな髪。どれをとっても良くて中の下だ。おこがましいが助けてあげたいと思ってしまった。そして、絶対に必要のない、非論理的な言葉が口を衝いて出てしまった。
「一緒に綺麗にならない?」
反応くれたら嬉しいです。
多分五話くらいから面白くなると思います
そこまで読んで欲しい