真夏とラジオ①(真夏のラジオから)
夏を制する者は受験を制す。私は受験生。深夜の友はシンの友。推しのラジオパーソナリティーの深夜ラジオを聴きながら受験勉強に勤しんでた。母が作ってくれた夜食。おにぎりを食べ。寝落ちした。
<・・・危険ですので外へ出ないでください。繰り返します・・・>
ん?私は目をこすりラジオに耳を傾ける。
<報道部の山崎さんありがとうございました。現在、世界各地でゾンビ化テロが発生しています。危険ですので外へ出ないでください。ラジオの前のあなたへのお願いです・・>
えっ何?嘘でしょ?ラジオドラマ?演出的な?
ああ(窓の下から呻き声。ゾンビがいる)
ピンポーンピンポーン(ゾンビ達が玄関のインターフォンにぶつかってる)
「はーいどなたですか夜遅くに」
「お母さん!出ないで!こっち来て!」
扉が壊された。
私は非常用持出袋のリュックをベッドの下から引っ張り出し背負った。
満月の夜。窓のカーテンは揺れた。