第7話 魔法ってすごい
「すごーい!」
「おー!ハイテクだ!」
「今のテクノロジーじゃ再現できないなぁ、すご」
京子、健治、正樹の順でステータス画面の印象を語る。
「みんなステータス見れたみたいだね、一番下にスキルがあるよ」
裕也が説明する。
「やったー!火魔法だって!私魔法使いになった!」
京子が喜んでいる。
「ファイアボール!」
京子が手を前にかざし、唱える。
ボッ!
ソフトボール程の大きさの火の塊が飛んで行く。
隣の空き地の木にぶつかる。
「あ!」
直撃した木の表面は黒焦げ、火の粉が舞い散る。
「火事になるって!」
裕也が慌てて、駆け寄る。
3人も続く。
塀を乗り越え、落ちた火の粉を踏んで鎮火させる。
「ごめん・・・興奮して、つい・・・」
「次から気をつけようね、けど、結構な威力あったね」
京子が謝り、裕也が感想を言う。
「魔法すげーな、俺は何も覚えてないなぁ、剣術と錬金だってさ」
「剣術もいいし、錬金なんて最高じゃん!色々作ってよ!」
裕也が錬金を羨ましがる。
「まぁ、普段から鉄やらアルミやら触ってるし、使えるスキルだよな!武器と防具は任せろ!正樹は何のスキルなんだ?」
「俺は、賢者の心得ってのと鑑定だな」
「賢者?鑑定?正樹のスキルやばくね?」
「って言っても使える魔法はまだヒールとキュアの2つだけみたい。僧侶みたいなもん。」
「今は回復キャラってとこか、京子は?」
「私は火魔法以外では弓術士ってやつ。今までの経験が生かせるから活躍できそう!」
「魔法と弓って、どっかの魔法少女みたいだな(笑)で、裕也は?」
「俺はみんなに見せたアイテムボックスと経験値ブースト、で、結界術士ってやつ」
「裕也だけ3つあるのずるーい!」
「えーと、経験値ブーストって何?」
正樹が質問する。
「取得経験値が2倍みたい」
「なにそれ!チートじゃん!ずるい!」
「裕也は倍成長できるのかぁ、俺もそれ欲しいなぁ」
京子と健治が羨ましがっている。
「なんかごめん・・・あとは、結界術でシールドって魔法が使えるみたい、試してみるね」
「シールド!」
裕也の1m程前に平均的なドアのサイズ程度のガラスみたいなものが展開される。
「おー、強度はどんくらいなんだろう?」
コンコン!
健治が剣で軽く叩いてみる。
「裕也、そのまま動いてみて」
正樹が言う。
裕也が動くと、シールドも同じように動く。
「なるほど、裕也の位置に対して固定されるんだね、健治思いっきり叩いてみてよ」
「おーけー!りゃ!」
バキ!
シールドにひびがはいる。
「一回じゃ壊れないか」
パリン!
すると、シールドが弾けるように消えた。
「時間とかあるのか?」
「分かんない、耐えきれなくなったかも?もっかいやってみる」
「シールド!」
先程と同様、シールドが展開される。
「魔法打ってみていい?」
「あれは怖いなぁ・・・よし!こい!」
「ファイアボール!」
少し距離を取った京子が魔法を唱える。
バン!
シールドに当たったファイアボールが弾ける。
その後、数秒も経たずにシールドは消えた。
「おー!魔法も凄いけど、シールドもすげー!」
「ある程度のダメージ量なのか一回攻撃防いだら消えるのかってところか。次、時間経過で消えるか試そう」
「おけ、シールド!」
しーん
「あれ?出ないや。ステータスオープン」
【魔力】 0/4
「あ、魔力無くなった。0/4ってなってるから一回の消費魔力が2ってことみたい」
「なるほどね、今はある程度の攻撃を2回分防げるって思っといてよさそうだね」
「私の魔力も1/5だってー、ファイアボールも消費2みたいだよ」
「色々確認していこう」
正樹が主導で、各自のステータスの共有、消費魔力の把握をしていく。
少し日が落ちてきた夕方過ぎ、
「そろそろ帰らないと親が心配するな、電気消してくる」
裕也が、思い出したように第三倉庫の電気を消しに行く。
「え?・・・みんな!」
裕也が皆を呼ぶ。
「どうしたの?」
皆がドアから第三倉庫へ入ってくる。
「見て、あれ」
裕也が指をさす。
ロッカーが倒れている、その床に直径2mほどの大きな穴が開いていた。