17話 魔法の入門編
「よくできました!」
「ちゅかれた」
あれから、メイドと私の秘密の魔法特訓が本格的に始まった。そして今日、やっと自分で自分の魔力を感知することにやっと成功した。
1度できてしまえば、後は楽だった。簡単に何度でも魔力を感じることができるようになった。
「平均よりかなり早くできてます。凄いことですよ。1度できても、コツを掴めない子もいますから」
彼女はそう言うが、私としてはあまり実感が湧かない。魔法を勉強し始めた人との交流が全くないため、それもそうだが。
「魔法を使うにあたり、まずは属性の話をしないといけませんね。魔法には火・風・水・土の四大元素と呼ばれる属性と光・闇・無の属性があります。私は水属性です。こんな感じです」
そう言うと、掌の上に水の塊を出した。それを自由自在に操った後、水は消滅した。
「自分の属性以外の属性の魔法を扱うことは非常に難しいです。そして、四大元素以外の属性であったり、四大元素でも属性を複数持つことは珍しいです。四大元素はそれぞれの名の通り、火であれば主に火に、水であれば水に関係した魔法を得意とします」
もう既に全て知っている。光属性は女性にしか発現しておらず、聖女と呼ばれる。光属性の魔法——光魔法は闇属性の魔法——闇魔法の精神攻撃にまともに対抗できる唯一の魔法だ。光属性は回復・防御・補助などの援護系に特化しており、援護に関してはどの属性の中でも最強だ。
闇属性はモンスターとかが使うようなイメージがあるが、そうとは限らない。人間に発現した例もある。但し、魔王は必ず持っている。主に精神に影響を与えるような、闇魔法を使う属性。
無属性は判別できない属性を一纏めにしている。人によって様々で、よく分かっていない。念力などがこの属性に入る。
四大元素以外の特殊な属性は、ざっとこんな感じだ。
「……その様子だと、先に進めた方が良さそうですね。そこで、お嬢様の属性を調べたいところですが……幼少期は属性は変わることもよくあるようなので、あてにならないでしょう。そもそも専用の機械が必要なので、できないですが」
私は火属性だった。もし属性が変わっていないのであれば、火が扱いやすいかもしれない。
「順番に試して、属性との相性を見つけましょう。私は水属性ですので、それから始めましょうか」
「はーい!」
だが、教える側の属性は水。私の予想通り、水属性から始まった。
「水を生み出すのは少し難しいので、このコップに入った水を動かしてみましょう」
「……うーん」
コップに触れ、動かそうとしてみる。だが、水の反応は全くない。
水に直接触れたら……と思い、水に指を突っ込む。だが、やはり何の反応もない。
これはまた、道のりが長くなりそうだ。
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