登場人物と武具
雲ひとつ無い快晴。
広大な街並みには王城が一際目立つ。
その街の外れ、ドーナツのように中心に穴が空いた円環状の施設。
観客で賑わっている、闘技場。
その中心に女性達が横並びに四人。
異世界「チキュウ」から召喚された英雄達。
多種に渡る外見をしているが、皆整った顔立ちをしている。
それぞれが得意とする武具を持ち、飛び交う喝采に応えている。
多種多様。中には通常では武器になり得ない物さえあるが、この魔力に満ち溢れた大陸ではどのような物であろうと実践的な強度を保つことが出来るため、問題は無いのだろう。
入口から向かって右端の女性から名前を読み上げられる。
「鉄腕事務員・山梨 佳奈子!」
向かって右端の女性。整えられた長いロングの黒髪、鋭い目付きを隠すような銀縁眼鏡、黒いスーツでは抑えきれない胸元。女性的な体型だが、その手には不釣り合いな金属製のメリケンが鈍く光っている。
「新婚旅行から帰り立て・風見鳥 楓花!」
茶色に染められたセミロングの髪に柔和な表情。簡素なワンピースの上からフリルのあしらわれたエプロンを着ている。
彼女が持っているのは、先端が分かれた50cm程の白ネギ。これが彼女の武器なのだろうか。周囲の怪訝そうな視線などお構い無しに、本人は観客達に対して緩やかに手を振っている。
「麗しのヨガマスター・フレイミー!」
黒髪褐色の女性。色とりどりの布で胸元を多い、その下には地面に着くほどに長いスカート。腹をむき出しにしたインドの民族を纏う彼女が腰にベルトのように吊るしているのは直径15cm程の円月輪。丁度コロシアムの外観のように中心に穴の空いた円状の投擲武器。円周の鋭く研ぎ澄まされた刃が見る人を威嚇するかのようにギラリと輝いているが、本人は柔らかな笑みを見せている。
「とある高校の風紀委員・松葉山 琳子」
最後の一人は少女だった。他の三人が二十代に見えるのに対して、彼女だけは十代後半に見える。茶色のブレザーに赤いチェックのスカート、中には白いブラウス。首元には赤いリボンを付けている。右腕には「風紀委員」と書かれたの腕章が付けられている。
しかし、その眼前に置かれているのは禍々しい意匠の大鎌。全長3m程の死神を彷彿とさせる巨大なそれは、彼女の外見とは酷くミスマッチだ。
この四人が此度の「第二十回!異世界選出!最強女子決定戦!」の参加者である。
尚、大会名は作者が適当に付けたものなのであまり気にしなくても良い。ただのノリである。
こうして、Twitter企画より生まれた、美しくも苛烈な戦いの火蓋が切って落とされた。
悪ふざけの物語、ここに開幕!