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今日から学校と仕事、始まります。②莞

殺人デッキ

作者: 孤独

パッパッ………


シュラララララ


「ふむ……」


喫茶店のマスター、アシズムは丁度。

トランプを使った手品でもするかのように、カウンター席でそのカードを片手で広げた。

マジシャンとかがお似合いそうな、老店主だ。

そんな彼と対峙して座っている、野球帽の男は


「似合ってるな。アシズム」

「そうかね?ありがとう、広嶋くん」

「だけどよ、邪魔だ。俺はモーニングセットを頼んだぞ」

「そうだったね。じゃあ、先ほどしていた目が覚める話を君にするよ」

「手短にな」


◇        ◇


自分の周囲から半径40メートルにいる人間を、問答無用で即死させる魔法のカードデッキがあった。

髑髏のふちに入れられた、その人間達の姿と名前、生年月日が映し出されたカード。


生成したデッキをシャッフルし、一枚引き。確認したその瞬間。

選ばれたカードの者は、即死する。


証拠も残らず、無関係な人間を理不尽のまま命を断つ。

凶悪な能力。


『そんなに人を殺したいのならあげようか』


包丁を手に取り、暴れる狂人になれず。拳銃なんて手にもできず。それでも、このクソみたいな世界をグチャグチャのクチャクチャにしたい。あと一歩進むと、自分はそうなるんじゃないか。そういう人間に接触した神様は、死を身近にできる能力を与える。


『君はシャッフルして、カードを引くだけ。それだけで君の近くの誰かが死んでしまう。手を汚す、汚いこともしない、誰かに疑われることなく。絶対の死を与えるもの』


誰かの人生をメチャクチャにしたい。そんな気持ちが塵程度にあるのなら、……。

男は頷き。授かった。


パッパッ………


近くの飲食店に入り、カウンター席の下でそれをおこなう。

カードをシャッフル。そして、一枚目を引くだけ。

この中にいる人間の誰かが死ぬ。

どうにでもなれっ………。


◇        ◇


「そして、自分を引きましたとさ」

「だろうな」


魔術、”殺人デッキ”

使用者の半径40mにいる生物40名未満から、カードに選ばれた1人を問答無用で即死させる。

カードに選ばれる生物の条件。

1.使用者の半径40m以内、使用者を含めた生物

2.使用者を含め、生物のフルネームが分かること

3.使用者を含め、生物の生年月日が分かること


カードは常に40枚生成され、範囲内に条件を持つ40名が満たない場合。カードの生成条件を満たした人物をランダムで被らせる。



「ちゃんと説明してやれよ」

「そーする頭があれば、まだまだやり直しはできたという事さ」


珍しく短く話が終わったところで、広嶋の頼んだモーニングセットを運ぶアシズム。

随分、短い話だったなぁ。って思いながら、パンを食べる広嶋にアシズムは、ハッとした口をし。


「あ、今回はちゃんと自分で後始末できたオチだからね!!決して、いつも!君達に頭を下げて、能力の回収をお願いしてるわけじゃーないからね!」

「別に疑ってねぇよ……話が短いなーぐらい」

「ホントに大丈夫だからね」

「……いや、人死んでて大丈夫なのか?まぁ、大丈夫な奴なんだろうけどさ」


結構焦り気味な表情で、信じてくださいよっていうお願い。


「お前、人に迷惑をかける神様なんだから、ドンッと胸を張れよ」

「その言い方は全然、讃えてないよね?」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 作者は、いわゆる「デッキを組む」タイプのカードゲームの未経験者なのかな?と。 どんなゲームであろうと【ルール】は在り、特に【カードゲーム】では何があろうと『自作カード』という「非公式…
2020/06/14 00:10 退会済み
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