お風呂コント『右手』
えーっと、ホラーです。
無理やりオチをつけました(^_^;)
お風呂コント
『右手』
お婆さん)
はー良いお湯ですこと。
お爺さん)
ガラガラガラ。
ただいまー。
お婆さん)
あら、おかえりなさい。
早かったですね。
お爺さん)
ああ、うんまぁね。
お婆さん)
村上総帥とDr.ヤナギーと三人で、伊豆へドライブって言っていたので、私はてっきり泊まって来るのかと思ってましたよ。
お爺さん)
その予定じゃったんじゃがなあ。
ちょっとな。
お婆さん)
どうしたんですか?
元気がありませんね。
お爺さん)
とりあえず、お湯に浸からせておくれ。
よいしょ、ふー。
お婆さん)
あれ?
そういえば伊豆まで行って、お風呂には入らなかったんですか?
お爺さん)
入ったよ。
入ったんじゃが、身も凍ると言うか肝が冷えたと言うか。
とにかく今は、婆さんの側にいたいんじゃ。
なぁ婆さん、伊豆で体験したワシ等の話しを聞いてくれんか?
お婆さん)
ええ、構いませんよ。
いったい何があったんです?
お爺さん)
少し長くなるが、そのまま聞いておくれ。
お婆さん)
わかりました。
お爺さん)
ドライブはとても楽しかったんじゃ。
いろんな風景を見て、いろんなお風呂に入って、 すっかり童心に帰ってな。
車の中の会話も盛り上がったんじゃ。
やがて車の中の会話が、誰ともなしに怖い話になったんじゃよ。
これも盛り上がってな。
じゃあいっそ、みんなで肝試しに行こうって話になってな。
あの界隈で最強の心霊スポットに行こうって事になったんじゃ。
そしてわしらは山の中の、その場所に辿り着いた。
昼間でも薄暗い場所でな、ワシらは車を置いてメインのトンネルとその周辺を探検する事にしたんじゃ。
車を降りてしばらく歩いて、そこを探検してみたんじゃが、そこでは特に何も起こらなかった。
そしてワシ等は、「なんだつまらん」と言って車に戻ったんじゃ。
そこで異常を発見したんじゃよ。
車の前から後ろまで、ほぼ全面にべったりと無数の手形がついておっての。
窓ガラスにもべったりと付いていて、拭き取らないと前が見えないぐらいじゃった。
気味が悪かったが、どうにかしないといけないんでな。
ワシ等は一生懸命拭き取ったんじゃ。
そしてあることに気がついた。
手形が全部右手なんじゃよ。
一体どういう意味があるのかわからんがな、右手ばかりの手形が無数についておった。
どうにか前方の視界を確保したワシ等は、残った手形はそのままに、気味が悪いんで宿も探さず一目散に帰ってきたというわけなんじゃ。
そしてこの街に着いてから、Dr.ヤナギーが「左手が一つだけある」と言ったんじゃ。
見てみると、リアウィンドの真ん中に一つ。
確かに左手じゃった。
とにもかくにも、残りの手形を全部拭き取ってしまわないと、車の持ち主の村上総帥が可哀相なんでな、ワシ等はもう一度ふき取り作業をしたんじゃ。
そしたら、その左手の手形だけがどうやっても取れないんじゃよ。
そしてあることに気がついたんじゃ。
これは左手の手形じゃない。
車の内側からついた右手の手形だと。
ワシは恐ろしくなってしまって、拭き取り作業を放り出して、逃げ帰ってきたというわけじゃ。
お爺さん)
そういう事だったんですか。
なんとなく分かった気がします。
悪い遊びをしてきた訳じゃないんですね。
鬼ちゃん)
ん?
何が分かったと言うんじゃ?
悪い遊びとはどういう事じゃ?
茉奈ちゃん)
おじいさんのお股に、右手の手のひらのような形のアザができていますよ。
二人)
ザバーン
ホラーテイストのコントを台本風に文字に起こす。
難しいです。
修行します。
読んでくださってありがとうございました。