未公開お風呂コント『おたまたま、ズッキー・スー、白子焼き』
未公開お風呂コントです。
電波に乗らなかった1話目の続き、お楽しみいただけたら幸いです。
『Dr.ヤナギー実験失敗、ズッキー・スーの心遣い』
お爺さん)
はー気持ち良いなあ。
骨身にしみるわい。
ってあれ?ここはどこじゃ?
知らない壁、知らない天井、そして知らないお風呂。
お婆さん)
気が付きましたか、ホッとしましたよ。
骨身というか、骨なんですけどね。
ここはDr.ヤナギーのラボですよ。
お爺さん)
ラボ?
ぬわああ?!
本当じゃ、ワシの身体が骨格標本みたいになっとる!
お婆さん)
あ、お爺さん、あまり暴れないでくださいね。
Dr.ヤナギー特性の培養液のおかげで、ようやく骨格が復元できたんですから。
あまり動くとバラバラになっちゃいますよ。
お爺さん)
いったいどうなっとるんじゃ?
Dr.ヤナギーが開発した石鹸を使っていたはずなんじゃが。
お婆さん)
ちょっとした手違いがありまして、お爺さんは『おタマタマ』だけになっちゃったんですよ。
お爺さん)
それで、この培養液が入った浴槽と言うわけか。
お婆さん)
そうですよ。
コレに浸かってジッとしていれば、排水口から集めた細胞がお爺さんを復元してくれますからね。
お爺さん)
なるほどなあ。
なんとなく事態は把握したんじゃが、そうなると、なんで婆さんが一緒に入っているのかが謎なんじゃ。
お婆さん)
排水口から集めた細胞だけだと、量が足りないんですって。
かなりの量が下水道にファラウェイしちゃいましたからね。
ですから、私の細胞を共有するように入ってるんです。
お爺さん)
さすがDr.ヤナギーじゃなぁ。
お婆さん)
いえ、Dr.ヤナギーはお留守なんですって。
助手のズッキー・スーの指示なんです。
お爺さん)
ああ、あの日本生まれ日本育ちの日本人かぁ。
なかなかの好青年じゃよな。
まあ、そういう事なら心配ないな。
ところで婆さん。
お婆さん)
なんですか?
お爺さん)
おタマタマが残っておったんじゃな?
お婆さん)
ええ、そうですよ。
お爺さん)
どこにあるの?
お婆さん)
ズッキー・スーに預けましたよ?
お爺さん)
ふーん。
お股の定位置に納まってないようなんじゃが、何か聞いておらんか?
お婆さん)
そう言えば細胞と一緒に、おタマタマを渡した時に、ズッキー・スーは「ありがとうございます」って言ってましたね。
日本語が不自由なだけかと思いましたけど、考えてみたら少し不自然ですね。
お爺さん)
このまま再生治療を続けるとどうなるの?
お婆さん)
私の細胞が足りない分を穴埋めしますから、かなりの高確率でノーたま爺さん。
ていうか、お爺さんはお婆さんになるんでしょうね。
お爺さん)
でしょうね、じゃないわ!
婆さん頼む!
ズッキー・スーを探してきてくれんか?
お婆さん)
あら、ズッキー・スーならほら。
あの扉の向こう、見えるでしょ?
隣の部屋にいますよ。
お爺さん)
あいつはフラスコ片手に七輪なんか見つめて何をやっとるんじゃ?
お婆さん)
もうかなり深い時間ですからね。
晩酌じゃないですか?
フラスコの中身は芋焼酎でしょうね。
さっき注いでいるのが見えましたから。
お爺さん)
なぁ婆さん。
お婆さん)
なんですか?
お爺さん)
あの七輪の上。
ズッキー・スーが待ち遠しそうに見つめながら炙っているアレ。
なんに見える?
お婆さん)
えーっと、あ?!
お爺さん)
ワシの見間違いじゃないよな?!
お婆さん)
間違いありません!
お爺さん)
スーは何と勘違いしたんじゃ?!
お婆さん)
わかりませんが、アレは間違いなく!
お爺さん)
ワシの!
お婆さん)
金の!
お爺さん)
おタマタマ!
お婆さん)
OH!
お爺さん)
NOーーー!
二人)
ザバーン
調子にノッテ2話連続掲載
からの『おたまたま』大変に失礼いたしました。
こんな感じでやって行きたいな〜
そんなふうに思います。
いずれはココ専用の書き下ろし(キッツイやつ)もかけたらいいな。
読んでくれて、本当にありがとうございました。