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お風呂コント  作者: しっとり和尚
16/28

お風呂コント『阿鼻叫喚』

昨日は珊瑚の日だったそうな


お風呂コント

『阿鼻叫喚』



お爺さん)

はー、思ったよりいい湯じゃ。


お婆さん)

なんでDr.ヤナギーのラボでお風呂に入らないといけないんですか?


お爺さん)

Dr.ヤナギーの研究に協力するんじゃよ。


お婆さん)

協力?


お爺さん)

うむ、わし等は毎日お風呂にしか入ってないじゃろ?


お婆さん)

ええ、まあ。


お爺さん)

そしてわしは常に酷い目にあっている。

じゃが、次の日には何事もなかったように回復をしている。


お婆さん)

それがどうかしたんですか?


お爺さん)

お風呂コントで受けるダメージはな、普通の人は良くて入院、下手をすると命を落としておるレベルらしいんじゃ。


お婆さん)

まさかそんな!

私達みたいな老夫婦より弱っちい人なんているわけありませんよ。


お爺さん)

それがどうやら頑丈なのはコチラらしいんじゃ。

そして婆さんじゃ。


お婆さん)

私?


お爺さん)

婆さんに至っては、毎回ほぼ無傷じゃろ?

不思議に思ったDr.ヤナギーがウチのお風呂で色々データをとったんじゃ。


お婆さん)

いつの間にそんな事を?

まさかカメラで撮影したりしてませんよね?!


お爺さん)

大丈夫、いろんな数字だけを集めたと言っておったわい。

その結果ワシ等の身体から、お風呂に入ると生物の回復力を高める素粒子。

『オフロスキー粒子』

が大量に放出されている事がわかったんじゃ。


お婆さん)

私達の身体からそんなものが?


お爺さん)

そうじゃ、婆さんに関してはほぼ不死身のレベルらしいぞ。


お婆さん)

へぇー。

それで私達は何の研究に協力するんですか?


お爺さん)

この浴槽をどう思う?


お婆さん)

白くてゴツゴツしていて、岩のような感触ですね。

それにお湯が少しドロっとしています。


お爺さん)

この浴槽は死んだサンゴで出来ているんじゃ。

いや、正確には死にかけじゃな。

そして、このドロっとしたお湯が、ドクターの今回の発明品じゃ。


お婆さん)

なんでまたサンゴなんか。


お爺さん)

村上財閥からの依頼でな、村上財閥が開発中のリゾート地のラグーンにオニヒトデが大量発生してしまってな。

珊瑚礁が壊滅的な被害に遭ってしまったらしいんじゃ。

この薬品の入ったお湯は、わし等のオフロスキー粒子の働きを倍増させる効果があるんじゃ。


お婆さん)

そのー、つまりどういう事ですか?


お爺さん)

つまり、薬湯とオフロスキー粒子でサンゴの回復力を底上げして、珊瑚礁を復活させてやろうという計画なんじゃ。


お婆さん)

Dr.ヤナギーの研究の中で初めて人の役にたつ研究なんじゃないですか?

でも、私達は無料でオフロスキー粒子を提供するだけなんですか?

一応労働をするわけでしょ?

あまり気が乗りませんね。


お爺さん)

村上財閥が絡んだ話しじゃぞ?

それなり以上の報酬が出るに決まっとるじゃろうが。


お婆さん)

やります!

喜んでやらせていただきます!

それで、具体的にどうすればイイんですか?


お爺さん)

なーに、薬湯に浸かっているだけで、あとは勝手にサンゴ達が元気になるはずだとドクターは言っておったぞ。


お婆さん)

お風呂に入るだけで報酬にありつけるなんて、今後はDr.ヤナギーに足を向けて寝れませんね。


お爺さん)

本当じゃな。

そういえばDr.ヤナギーからサンゴに関するうんちくを教えてもらったよ。


お婆さん)

どんなうんちくですか?


お爺さん)

長い事わしはサンゴを綺麗な岩ぐらいにしか思ってなかったんじゃがな、れっきとした動物なんだそうじゃ。


お婆さん)

それはなんとなく知ってましたよ。


お爺さん)

分類すると、刺胞動物門しほうどうぶつもんに入るらしい。


お婆さん)

刺胞動物?


お爺さん)

簡単に言うとクラゲの仲間と言うわけじゃ。

針を刺し、毒を注入することで獲物を捉えるんじゃな。


お婆さん)

え?

じゃあサンゴも刺すんですか?


お爺さん)

気が付かないだけで、実際に刺しているそうじゃ。

ただ針が極端に短いのと、毒があまりに弱いため無害なんだそうじゃ。


お婆さん)

へー!

驚きました、勉強になりますね。

あれ?浴槽がピンク色に。


お爺さん)

おお、こっちは青みがかって来たぞ。


お婆さん)

みるみる色が濃くなっていきましゅ。


お爺さん)

見事らな。

わしらのオフロしゅきーりゅうしのおかげらな。


お婆さん)

あの、お爺しゃん。

なんらか上手くしゃべれないんれしゅけろ。

しょれに、浴しょうがチクチクしましゅ。


お爺さん)

ほんとら、舌がしびれてきた。


お婆さん)

なんらか身体の自由も効かないんれしゅけろ。


お爺さん)

だ、だめら。

逃げようにも、もう動けらい。


お婆さん)

お風呂れ溺れしょうれしゅよ!


男性ナレーション)

Dr.ヤナギーが開発した薬湯と、お爺さんとお婆さんの強力なオフロスキー粒子の効果により、死にかけていたサンゴ達は見事に蘇りました。

ただ予想外だったのは、サンゴ達が元気になり過ぎた事でした。

あまりに強力な効果により、サンゴ達は原点を通り越し、長くて強力な針と、猛毒を手にする事となったのです。

そして、元気になれば腹が減る。


女性ナレーション)

何ということでしょう!

お爺さんとお婆さんは、腹ぺこサンゴ達に食われ始めたのでした。

二人は、サンゴに喰われてはオフロスキー回復をし、回復しては毒を撃たれてまた喰われの繰り返し。

阿鼻叫喚あびきょうかんの地獄絵図は、永遠に続くのでした。


二人)

ざばーん



読んでくださって本当にありがとうございます!


作者はこういった後味の悪いお話しが大好物だったりします

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