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三話「運命の朝③」

峡東東小学校前で出会った少女、山崎綾野やまざきあやの。彼女との出会いが聡の運命を大きく変えていくことを本人は知らないまま、学校へ向かい始める。

聡に手を握られた綾野は、初めこそきょとんとしていたが、何をするのか分かったのかスタンディングスタートの姿勢になる。その姿を横目で確認しつつ、聡は握った手に力を込めて合図をする。

二人は同時に走り出し、小学校前の坂道を上る…はずだった。正確には坂道を上ったことに関しては間違っていないが、その光景は「異常」の二文字を与えるには十分だった。普通人間が坂道を上る際、走る速度は遅くなり、最大加速度に達するまでにそれなりの時間を要する。ところが、聡に関しては違った。まるで風が吹き抜けるかのような速さで坂道を駆け上り、小学一年生が五分かかるであろう坂道をたった三十秒で上り切ってしまった。もちろん、綾野はその速度に引っ張られて駆け上るというよりつんのめっていたらいつの間にかそこにいた…という感じである。

一般の大人ですら二分半はかかろうという坂道を風のように駆け抜けたにもかかわらず、聡は息一つ乱れていない。綾野も息切れは起こしていない(走っていないので当たり前ではあるが)。


「ほら、着いたよ。」


誇らしげに振り向いた聡であったが、ここで回りの異変に気が付いた。


「お、おい。あの子たちさっきまであんな所にいたか!?」


「いや、そもそも上ってきたところを見た奴いたか?」


「あの子たち私たちより後に上ってきたはずなのになんで先にいるの!?抜かれた記憶すらないのに!」


そう、この異常事態に(聡を除く)周りはついていけていない。


「さ、聡君?い、今何をしたの?なんとなく察しはついたけど。」


(しまった!無意識に能力を使っちまったのか!)


「…こ、このことは誰にも言わないで。」


「…わかったわ。」


すくなからず、暫くはおとなしくしていようと思う聡であった。

皆様どうもお久しぶりです。

大変長らくお待たせいたしました。三話の投稿です。

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