その2
投稿したつもりでずっとしてなかった事に気がついた。
話は全く進んでいないのに(^◇^;)
ホットサラダとペストリー、コーヒーにヨーグルトという、質はともあれ、量だけはたっぷりの朝食を取れたのは、昨年買った業務用冷凍庫の存在が大きい。家を空けることも多く、また、いったん引きこもるとなると徹底的に引きこもる忍の生活様式からして、保存食の有無は死活問題だ。
ビバ、冷凍庫!
忍は、そこそこ舌が肥えている自信がある。そして、自分の料理スキルが非常にお粗末なものであることにも残念ながら同じくらい自信があったり、する。
昨今の冷凍食品はレベルが高いのだ。オーブンとトースター、電子レンジをフル活用すれば、どんなに乏しい料理スキルの持ち主でもそれなりのレベルで自炊ができる。
――文明の利器とは本当に素晴らしいッ。
現実逃避的にアメリカ〜ンな文明礼讃などしてしまっているのはもちろん、目の前にある現実から目を逸らす為だ。
「主様、どうかなさいましたか?」
金髪美人さん――なのだろう。人の顔の美醜に疎い忍でも、ここまでシンメトリーな顔はモニターの中以外で見たことがない。――は小首をかしげて問う。
なぜだか『主様』というのも、この家の『主』様、というだけの意味ではないように感じる。それ以上に、深く突っ込んではならないという、警鐘が忍の脳裏にじゃんじゃんと鳴り響いているのだが。
「すると、何か? 私が貴方を助けた、と?」
「はい。助けて頂きました。」
あ〜。
飲んで意気投合パターンかと思ったが、違ったか?
「身動きも取れず、難儀しておりましたところをお救い下さり、こちらへとお連れ下さいました。更には追手の事まで御案じ下さり、このご恩は必ずやお返し致します。どうぞ何なりとお申し付け下さい。」
本気で落ちてた人を拾って来たらしい。
更に、追手とか、かなーりな面倒事がオマケで付いてきている様子。
まあ、その辺は何とでもなるとして。
何故にここまで心酔されてる⁈
何だ? 何をやった?
いい加減にしろよ、昨夜の自分。
この家は、しばらく仕事で使えない事が確定した。
仕方がない。
とりあえず、パーティーだ。