俺と彼女の関係性
好きな人からメールがくる。
男子高校生である俺 長谷優人にとっては大イベントである。
メアドを交換してから早数週間。
初めの内は、お互いに好きな物何?
とかそんなくだらないコトです盛り上がっていた。
でも、ここ最近のメールは……
『好きな人が出来たんだ……
相談に乗ってくれないかな?』
といった恋愛相談のメールしか来ない。
好きな人からのメールだから無視もできないし、振られてしまって彼女──莉子が悲しむところは見たくないから真剣に考えてメールを返してしまう。
莉子からは
『優人のおかげで一緒にプリクラ取れたよ♡』
とかきて、さらにそのプリクラも添付されているというね……
イヤートッテモアリガタイナー。
この話を友人である古木伸也にしてみた。
「馬鹿じゃねーの?お前がお人好しなのは知っているがそれでも今回のはあんまりだぞ?」
言われなくても自分がお人好しなのは分かっている。
確かに俺が変なアドバイスを出すこともできる。
それで二人の仲が上手くいかないようにすることもできる。
だけどその場合俺が莉子に恨まれてしまう。
つまり俺がとれる最善の行動は真剣に相談に乗ること。
「最善策に留まっているようでは到底敵を上回る事はできない。全てを失う覚悟で挑まなければならない」
尚も伸也は続ける。
「必要なら大きなリスクを背負う。そうして戦わなければ人類は勝てない」
「いや俺別に巨人とは戦ってないから……」
「てへぺろ」
「てへぺろじゃねーよ…」