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学生魔術師物語  作者: マンボウ
過去編
8/32

拒絶

八話です!!楽しんでいって下さい!

 優樹菜が魔物を倒した頃、上では淳也とフードの人物が剣を打ち合わせていた。ただし、劣勢なのはフードの人物である。

 「なぜだ!?なぜ貫けない!」

 「貫けないに決まってる。それはまだ完全に顕現してないからな。」

 淳也は内心驚きを隠せないでいたが、その理由を答えた。

 「ヤドリギの断空剣(ミスティルテイン)は本来はレイピアじゃなく、一本の槍だ。つまり、お前は完全にそいつを扱えていないんだよ。」

 では、なぜミスティルテインはヤドリギの断空・剣と言うのか。

 ガキィィィンッ!!

 「お前はまだ、事象形成までしかいってない。だから、俺の剣でも受けきれる。」

 フードの下の顔が見えそうな位、近くで鍔迫り合っていた。

 「ヤドリギの断空剣(ミスティルテイン)の本来の性能は、そんなもんじゃねぇ!!」

 そうして淳也はフードの人物を吹き飛ばした。

 「くっ!!」

 フードの人物は淳也から距離をとった。

 「なら、出直すとしましょう。」

 その声はさっきと違い、とても落ち着いた声音だった。

 「逃がすと思うか?」

 「いえですから、あちらにいるお嬢さんに人質になって貰います。」

 あっち?

 そして、淳也が見た先には、ソフトクリームを食べながら歩いている、ポニーテールの少女が映った。

 「ッ!!」

 あの阿呆!!っていうか、人払いの結界は!?

 振り向いた時には、すでにフードの人物が空間にその少女を引き込む所であった。

        ☆☆☆

 時は少し遡る。その少女、後藤有紗は淳也を待つのを諦め、コンビニでソフトクリームを買い、ブチブチ言いながら歩いていた。

 「もうっ、何であいつ来ないのよ!!」

 大変ご立腹である。

 「そりゃあ、いきなりアイアンクローしたのは悪いと思ってるけど……」

 肩を落とした後、ガァーっと叫び声を上げた。だが周りに誰もいない事に気づいた。

 「変だなぁ、この辺こんなに活気なかったっけ。っていうか、人いなくない?」

 そう呟いた時だった。

 「失礼しますよ、お嬢さん。」

 目の前の空間が現れ、そこからフードの人物が手を伸ばした。その時、少女は目の前に黒い落雷が墜ちたのかと思うほどの勢いで、彼女と一緒の制服を着た少年が飛び込んで、彼女の前に割り込んだのを見た。

 その顔は、忘れる筈のない少年の顔だった。

        ☆☆☆

 「この馬鹿、周りに人が居ないこと位気付けよ!!」

 第一声がこれだったため、有紗も緊張するはずもなく、

 「うるさいわね!!あんた達じゃないんだから気付く筈ないじゃない!!」

 ギャース、ギャースやっている中、フードの人物は、

 「………」

 無言だった。しかし、いつまでも無言でいるわけにもいかず、

 「黒王殿、その魔術は一体。」

 それに気づいた淳也は、

 「これは俺のオリジナルだから、真似は出来ないよ。っていうかお前あっち行ってろ。」

 それを聞いて、何なのよもうっ、と言いながら、団子屋の赤い椅子まで行って座った。

 「んじゃ、俺もこれ見せたし、お前の固有魔術見せてくれない?」

 「嫌だと言ったら?」

 「消えて貰う。まぁ見せて貰っても消すけど。」

 フードの人物はヤドリギの断空剣(ミスティルテイン)を構えた。しかし、構えた途端、目の前に淳也が現れ、

 「冥土のみやげに俺の固有魔術の一端を見せてやる。」

 フードの人物の胸に手を置いた。

 「なにを」

 する、と言う前に、

 「俺はお前の存在を『拒絶』する。」

 フードの人物の存在は、欠片も残らず砕け散った。

 「ふぅ~、疲れた。」

 そして、淳也は不機嫌な彼女の所に赴くのだった。

 

 

結局フードの人物、名前すら出てきませんでしたね。

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