現れたのは……
楽しんでいって下さい!
暗い次元の穴から、一つ目の魔物の身体の半分が出て来た時、淳也は携帯の相手に言った。
「礼司、お前はこの辺一体の人払いと結界を頼む。」
頼み事だけ頼み、彼は携帯を優樹菜に渡し、上空へ飛んで行った。
『分かったが、お前は?』
淳也に聞いたつもりだったが代わりに優樹菜が答えた。
「淳也なら、上の奴よ。恐らく、今回の一連の事件の首謀者ね。」
携帯の相手(礼司)の溜め息が聞こえた後、優樹菜は携帯(淳也の)を放り投げた。
「さぁ~て、こっちも始めようかな。」
そして、優樹菜は迫り来る脅威に対して、臨戦態勢を整えた。
☆☆☆
優樹菜が臨戦態勢を整えている時、上空千メートル付近で、黒いフードを被った人物が次元の穴から出て来る魔物を見て、淳也が後ろに来ると、魔物から目を逸らし、淳也を見て言った。
「これはこれは、黒王殿。下は大丈夫なのですかな?」
慇懃な礼をした後、質問した。
「あいつが、やられるわけが無いこと位、お前にも分かってるんだろう?」
そう言いながら、淳也は純粋な魔力だけで、剣を創り出した。その色は黒色で、太陽の光さえ反射しない。
「お前が今回の首謀者か?」
フードの人物は、それを聞き、
「教えてほしいのなら、」
黒いフードの人物も、純粋な魔力だけで、黄緑色の鎌を創り出して言った。
「力ずくで、か?」
淳也は黒い剣を構えた。
「察しの通り。」
黒いフードの人物も、黄緑色の鎌を構えた。
そして、間もなく黒い剣と黄緑の鎌が激突した。
☆☆☆
上空で剣戟が響く中、優樹菜も戦闘を開始していた。
「まずは、様子見っと!!」
走りながら、紅蓮の火球を放ったが、一つ目の魔物に触れた途端に霧散した。
「ッ!!」
「ゴォォォォォォォ!!」
一つ目の魔物は、叫びながら腕を振り回した。体長六メートル近くある巨体である。当然周りの木は、全て薙ぎ払われた。
「魔術耐性が高い……」
彼女の頬は引きつっていた。
「仕方ない、疲れるけどあれじゃ、固有魔術も効きそうにないし、魔力がだめなら神器しかないじゃん。」
彼女の手に一冊の魔導書が現れた。そして、厳かにその名を告げた。
「神器『騎士道物語(story of knight road)』」
誤字や脱字があれば、教えてくれると助かります。