プロローグ
初めての投稿で、至らないところもあると思いますが、読んでくださったらうれしいです。
小学六年の冬の名残が残る夜、少年は一人の魔術師に出会った。
「ねぇ、今の魔法?」
黒いくたびれたローブを着た男が答えた。
「マジックだよ。魔法なんてあるわけ無いじゃないか。」
「………じゃあ、さっきの変な生き物は?」
「………」
「………」
「わかりましたすみません、その防犯ブザーに伸ばした手を引っ込めてください。
」
「じゃあ、魔法教えて。」
その男は、憂鬱な気持ちになった。
「なぜそうなる。」
「教えてくれないと大声で不審者に襲われた、と叫ぶ。」
「………」
「スゥー」
「わかった!!わかったからやめてくれ!!」
「ヤリィ。」
そして、男の顔が急に真剣になった。
「ただし、他人の前で魔術を使わないこと。それでもいいなら、教えてやる。」
その少年は飛び跳ねながら、「わかったから早く教えて!!」と言った。実に楽しそうである。
男は頭をかきながら困ったように言った。
「本当に分かってんのかなぁ」
☆☆☆
そして、四年間が過ぎた、ある日の昼休み。
「おーい、淳也。寝てんのか?」
今のは夢か。
「なんだよ、ド変態(笑)」
「いや、ド変態(笑)はねーだろ…」
コイツの名前は永田浩平、とある事件をきっかけに、あだ名が通称ド変態なった男だ。
そして、俺の名前は滝川淳也。公立下関高校に通っている高校一年生だ。
まぁ、俺の場合少々人には言えない秘密があるが…
「で、なんだよ?」
「スルーか!!まぁいい。お前、今朝の新聞読んだかよ?」
「いや、親父が朝読むからまだだな。それがどうかしたのか?」
「また、怪物がでたんだと。」
「そりゃまた、物騒な。」
「他人事かよ…襲われそうになったのはウチの学校の生徒だぜ?」
「ふーん。」
表情とは裏腹に、俺は内心焦っていた。
「お前、自分が襲われたら、とか考えないの?」
「走って逃げればいいだろ。」
「ハァ~」
まぁ、走って逃げれるとは思えないが…まぁいい、話題を逸らそう。
「ところでお前、テスト勉強はいいのか?」
「フッ、ヤッテナーイゼ♪」
ウインクしながら言うなよ、気持ち悪い。
「お前ら、席に着かんか~!」
今時竹刀はないよ先生…
「やべっ、次中野の授業かよ…またな、淳也。」
☆☆☆
同日同時刻、魔術師境会。一つの円卓には、八席中六席に人が座っていた。
そして、彼らが座る席には、色が付いていた。
黄色の椅子に座る男がぼやいた。
「最近、黒やん見んぞよ?」
「アイツは今どこにいるんだ?」
便乗してして質問したのは、赤色の椅子に座る男だ。
「たぶん、この時間だと、学校じゃない?」
紫色の椅子に座る扇情的な服を着た女が答えた。
「真面目だねぃ。学校位サボればいいのねぃ。」
茶化したのは緑色の椅子に座るピエロのような服を着た男だ。というより、メイクもしているので完全にピエロだ。
「淳也君と優樹菜さんが通ってるのは、公立だから仕方ないよ。」
茶化した男に真面目に答えたのは、灰色の椅子に座る仮面を被った女(?)だった。
そして、それまで無口だった白色の椅子に座る神父服のような物を着た男が口を開いた。
「そんなことより、これを見ろ。」
その男の言葉により、円卓の中心にあるスクリーンに映像が映り出した。
「これは先日の映像だ。幸い近くに黒王がいたからよかったものの、これから魔物が増加するかもしれないことが過去のデータからわかった。」
「どういうこと?」
「百年毎にある魔の年が近づいて来たってことかぃ?」
「そういうことだ。よって各々の部隊への警戒レベルを最大まで上げてもらいたい。尚、この場に居ない者については、私から伝えておく。」
「了解ぞよ。」
「了解。」
「了解したわ。」
「了解ぃ。」
「了解です。」
「では、解散してくれ。」
「「「「「「守るべき永久の聖櫃に」」」」」」
最後まで読んでくれてありがとうございます。出来たら感想お願いしますm(_ _)m