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フェアライズ  作者: 海人
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†第6話《過力》†

†第6話《過力》†


仮面の下からは

髪は伸び大人っぽくなったものの

リウ゛ィアの面影が見えた。


「リウ゛ィア…な…んで…。」

と絶望に近い感覚を必死に堪えるアルフ


まさか…まさかリウ゛ィアが…

スレイブのリーダーだったなんて…

ウ゛ァンス以外には予想外の事態に騒然とする倉庫内


物陰に隠れていたネムルグは

ひょいと出てきて

「どういうことですか?」

と質問をする


ウ゛ァンスは

はぁ〜…こうなっちまったら…

と諦め気を使ってネムルグを連れて倉庫を出た


沈黙が広がる倉庫内


「この3年間ずっとか…?」

とアルフが沈黙を破り質問する


「ええ…貴方がスレイブを解散させたときその場にいなかった人を召集して私がリーダーを継いだという事で組織を続けたの。そしてばれないように仮面で顔を隠した。」


「何でそんなこと…辛かっただろ…?」

とリウ゛ィアの精神的な苦痛がどれほどだったか考える


「さっきも言ったでしょ…貴方に…アルフに会いたかった…どうしても納得出来なかったの…だから!」

とぽろぽろと涙を流すリウ゛ィア


こうなったのは

俺のせいか…とアルフは深く後悔した。


その頃倉庫の外では

「マジですか!?二人共スレイブのメンバーだったんですか!」

とネムルグは叫んでいた。


「ああ…しかもアルフはリーダー、俺とリウ゛ィアは副リーダーだった。」

とウ゛ァンス懐かしそうに語る。


「あのアルフって人めっちゃ強いですもんね!まさかリーダーだとは…ん?あれ?じゃあ組織を解散させたっていうのはアルフさんが自らの組織を解散させたってことですか?何でです?」

と懐からメモ帳とペンを取り出しメモをしだすネムルグ


「解散させた理由…ね…まぁあれだ色々あったんだ。」

と話しをはぐらかすウ゛ァンス


「え〜気になりますよ!」

とネムルグは何かを閃き

「そういえば〜幹部さん達と戦ってる時あんなことがあったのにとか、誰かに騙されて利用されたみたいなこと言ってましたよね〜!あれはどういうことですか?」

と質問する


めざとい奴だな…聞いてやがったのか…

とウ゛ァンスは心の中で思う

「あ〜…まぁいつの時代も強い力を持つのはそれ相応のリスクを伴うって事だ。」

とまた話しをはぐらかし

「はい質問終わりだ!もうお前は帰れ!」

とウ゛ァンス


「え〜〜!まだ全然質問が!」

とごねるネムルグ


すると突然何かを思い出すウ゛ァンス

「そうだネムルグ!そのカメラかっこいいなちょっと見せてくれよ。」


「でしょ〜!このカメラお気に入りなんですよ!」

と急に機嫌が直り

カメラを渡す


ガチャ!

カメラを渡されたウ゛ァンスはカメラの中から無理矢理フィルムを剥がし取り出した。


「うぇぁ!?」

と驚きのあまり意味不明の声をあげるネムルグ


「すまんな〜この事は俺らだけの秘密にしてくれ。」

とさらっと言ってフィルムを手でグチャっとやった


「ま…マジですか〜!せっかく撮った写真が!はぁ〜〜〜…」

とその場にガクリと倒れ込む


「まぁこれに懲りたらもうスレイブの事には首を突っ込むな。お前の命が危ないからな」

と言うと散歩してくるわ

とその場を離れるウ゛ァンス


それを物欲しそうにみるネムルグはしばらくそこに倒れていた。


そして倉庫内


「あの時はああするのが1番だと思ったんだ…確かに俺らはたくさん人を殺したが俺らの仲間もたくさん死んだ…そんな状態で組織を続けても皆が崩れていくだけだから。」

と苦渋を浮かべるアルフ


「組織の解散はしょうがないことだと思う…でも何で私は置いてかれたの?」

と涙を隠しながら声を絞りだすリウ゛ィア。

「俺が側にいたらリウ゛ィアを傷つけるだけだと思ったんだ…。」

と精一杯の答えを出すアルフ

実際アルフの強すぎる力は様々な組織にとって魅力的だった。

そのためスレイブが解散したあとどこから聞き付けたのかいくつもの組織がアルフを勧誘にきた。

もちろんそのすべてを断って今のガーディアンを作った訳だが

もしリウ゛ィアと行動を共にしていて

人質などにとられていたらどうなっていたか分からなかった。リウ゛ィアはそういう存在だった。


「私は!私は…アルフが思う程弱くない…。」

とまた涙を見せるリウ゛ィア


「そんなことは知ってる…知ってるけどすべてに勝てる奴なんていないんだ…もし俺と一緒にいて…リウ゛ィアがそのせいで傷ついたとしたら俺は…自分を許せない…!」

と拳を強く握るアルフ


アルフには分かっていた

これの今のこの状況も自分が招いた事だとアルフが前からいなくなった…そのせいでリウ゛ィアはアルフに会いたいが為にスレイブを存続させた。

利用されるだけだとその道は辛いだけと分かっていたのに。それでもリウ゛ィアは組織に身を投じた。


そしてアルフはここである決断をしたのだった。



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