†第5話《再会》†
†第5話《再会》†
「流石ね!」
不意に入口から聞こえたその声にアルフ達はその方向を見た。
そこには今まで見たどの仮面とも違う仮面をつけた女が立っていた。
(この感じどっかで…)
その仮面の女からどこか懐かしい気配を感じるアルフが思い出したのは。
ネムルグを助けた時に誰かからの視線を感じた時のことだった。
思い出したそのあともすこし考えてみたが思い当たる節は出てこない。
「あんた…俺が記者を助けたとき見てた女だな?お前がステルスか?」
と女に直接聞くと。
「その通り…私が現スレイブのリーダーステルス・マーシーだ。」
と仮面の女は言い放った。
その名に心当たりのないアルフとヴァンスは顔を見合わせる。
「やっぱり幹部レベルの相手じゃ全然物足りないかしら?」
「そんなのは物足りるとか物足りないとかじゃねーだろ…それよりお前どういうつもりでスレイブを存続させた!」
と怒りを見せるアルフ
「それはあなたに会うためよ!また戻ってスレイブを続けましょう!」
と言うステルスに
「そいつはお断りだ!あんなことがあったのに組織を続けてなんになる!また利用されるだけだ!」
とアルフは悔やむ気持ちを抑えずに言う。
その時横にきたヴァンスが、
「お前…ただ傭兵を続けたいのか殺し屋として生きたいのかどっちだ!騙されていたとしても俺達は多くの命を奪ってしまった…その責任を負わなきゃいけないんだ!」と普段冷静なヴァンスまでもが声を荒げる。
「どういう方針かなんてどうでもいいのよ!アルフが戻ってスレイブが続けばそれでいい!」
とステルスも声を上げ始める。
「そこまでして何故アルフを……!」
そこでヴァンスは口を閉じた。
あることに気が付いたのだ。
(まさか…あいつは…あいつはステルス・マーシーなんかじゃない!あいつは…。)
「何でもいいさ!そんなに俺が欲しいならちからづくで奪ってみせろよ!それがお前らの方針だろ?」
とまどろっこしい話し合いに耐え切れなくなったアルフは言う。
「………いいわ…今の私の力…見せてあげる!」
腰にあった半月状のダガーナイフを二本取り出し、アルフに襲い掛かった!
ステルスのダガーから繰り出される素早い攻撃を全て紙一重で避けるアルフ。
その連撃を避ける中。
(この戦術…どこかで)
とアルフはどこか懐かしさのようなものを感じ取った。
そして頭の中に検索をかける。
以前のスレイブいた、ダガーを使い素早い攻撃を仕掛けてくる、そして距離をとると。
アルフは急なバックステップで相手と距離をとる、するとアルフの思った通り、女性も扱えるように軽量化された22口径の拳銃で両足を狙ってきた。
バク転で銃弾をかわし、
「お前!リヴィアか!?」
と精一杯の声で銃を構えるステルスに問い掛ける。
するとステルスは銃を下ろし、ダガーを捨て、していた仮面を取り外した…。