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フェアライズ  作者: 海人
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†第24話《『記憶』戦火》†

†第24話《『記憶』戦火》†



ネイスール国 首都ウォクサム ユグドラス要塞


「いいか!!お前らはこれから、今までで1番過酷な戦いに身を投じる事になる!それは死ぬより酷いことかも知れん…だが!必ず生き残り、母国を守るとその身に誓え!我が国を独立させる為にこのネイスールの大地を守るのだ!!」

オオォォ〜〜〜〜!!!!

士官の激励に腕を挙げ喚起し士気を高めて行く兵士達。

「それではこれより!!ユグドラス要塞防衛作戦を発令する!!各員第一種戦闘配置につけ!!」

イェスサー!!!

その号令を最後に兵士達はユグドラスの各区画に散らばっていく。


「それではこの間の契約通りあなたは東側の区画全面を守備して下さい。」

そう指示するのは、臙脂色の短髪で眼鏡を掛けた男…つまりカワード・ブレイスン。

「分かった。」

「それと…逃げたり、裏切ったり、契約違反と見られる行動は謹んで下さいね。長距離ミサイルが一基、貴方達スレイブのアジトであるハイドに向いていますから。」

「ハイド全体が人質か…つくづく汚い奴だな…てめぇは…!」

「お褒めいただき光栄です。」

(これっぽっちも褒めてねぇし…)

「安心しろよ…別に逃げたり裏切ったりなんかしねぇから。」

「それは良かったです。それではそろそろ教団の連中がこちらに到着すると思うのでよろしくお願いします。」

「ああ…。」

「あぁ〜それと…教団の信者達はフィアスの使い方が酷く上手く強いですから、中途半端な戦い方をすると死にますよ。」

「余計なお世話だ……。」

(分かってるさ…そんくらい)

各国の軍備増強状況はそれぞれの特色にそって行われており、軍は機動兵器の開発と使用、教団はフィアスの研究と使用、騎士団は武器を用いた肉弾戦をそれぞれ得意としていた。

アルフはヘレニックの騎士団出の為、剣を用いた近接戦闘が得意だった。

教団はフィアスの発動限界や操作限界などの研究を積極的に行っており、一般的なフィアスを身体に作用させる(光のフィアスなら身体の稼動を速くするなど)のとは違い、身体から離れた場所に作用させる事に長けている為、圧縮したフィアスを弾として打ち出したり、細胞を活性化を促し傷の治癒を早める事が出来たりと正に魔法のような事が出来る、そのフィアス研究を戦闘行為に特化させているのが教団の僧侶(クレリック達である。

ビィィー!!

敵の来訪を知らせるサイレンが鳴り響く。

(来たか…この要塞は主要門が東西南北の一つずつだから知らないうちに抜かれる事は無いだろうが…)

ドン!ドンッ!!

要塞の東側の門が強く振動する、どうやら外側から何かしらで無理矢理開けるつもりらしい。

あまりの強い衝撃に門の扉が段々とひしゃげ始める!

(さぁ…スレイブ最後の任務だ!)

心で決意したそのとき扉は破られ教団の僧侶達がなだれ込んできた!

教団の僧侶達が目にしたのは広い要塞内の広場に一人立つ黒衣の男だった。

「何っ!護衛が一人だと!?」

流石の僧侶達も罠の危険を感じとり全員停止する。

(ざっと見て2、300人て所か…)

「心配すんなよ!罠なんか張ってない!ただ…そう簡単に通れると思うなよ!!」

!!?

一瞬だった。

アルフがその言葉を放ったその一瞬後には、先頭に居た十数人は斬殺死体と化していた。

余りの出来事に声を失う僧侶達。

「さ…散開!!一カ所に留まるな!やられるぞ!」

僧侶達の指揮官に当たる司教(ビショップの言葉に我にかえり、散り散りになりはじめる僧侶達。

しかし、その程度でアルフの攻撃が終わる筈も無く。

「遅ぇんだよ!!」

そう言ってまだ完全に散っていない僧侶達を次々に死体に変えていったが、周囲の急激な温度上昇を感じ取り、横跳びにその場を離れると、アルフの元居た場所に火球が降ってきた。

「ちっ!!もう始めやがったか!」

アルフの周囲には死体しかあらず、僧侶達は十字架状のオブジェを持ちアルフを遠巻きに囲んでいた。

「聖戦にて、命を軽んじる者に神の裁きを…精霊円陣(エレメントサークル!!」

司教がその言葉を唱えると、他の僧侶達も復唱する。

「おいおい…その聖戦とやらを吹っ掛けたお前らは命を軽んじてないのかよ…!」

アルフはフィアスの高まる気配を感じながら周囲を見渡した。



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