†第20話《思惑》†
お待たせしました。
もうほとんど見てくれていないかもしれませんが
感想を書いてくれる人がいたので
最後まで頑張ります!
もし他に見てくれている人がいたら
あんな感じで良いので感想書いて下さい!
よろしくお願いします。
†第20話《思惑》†
レアーズィ皇国ゼアサラス宮殿“皇主の間”
王宮に相応しい綺麗な黄褐色の石畳、規則正しく並ぶその石畳には赤い絨毯のように血液が広がっていた。
「何故…こんな事に…。」
ごふっ!
そんなことを呟き血の絨毯の中心に横たわる男は咳とともに吐血する。
何故…俺が血だらけなんだ…?
何故…力が及ばなかった?
何故…俺は倒れて…いるんだ?
まずい…視界が無くなった…
段々呼吸が薄れていく…
怖い…苦しい…これが…これが死か…
完全に力を失いその場で絶命した。
その男の名は
フェア・ツヴァイ・フルング・レガリス
レガリス王家の第一皇子。
「兄さん!僕の言うことが信じられないのかい?」
数分前の皇主の間でツヴァイに向かって意見を述べるのはフェア・ラグナロク・ツェベート・レガリス
レガリス王家の第二皇子。
「黙れ!お前の言うことが正しかった試しがあるか?お前は視野が広すぎだ…国の事を…民の事を全く見ていない!」
「違うね!僕は民の事を思えばこそ…国の事を思えばこそこういう風に言ってるんじゃないか!」
「ふっ…詭弁だな…お前は目先の事は何も見えちゃいないさ!我が国の行く末を案じるなら戦争を起こそうなどと言う幻想を捨てろ!あんなものは何も生まん!」
「いや…違うよ…理想と思想の違うもの同士は結局分かり合えないのさ…だから分かり合えない時は、力を使ってもう一方を屈服させる…そうして世界は統制されて行くんだよ!そうなることでしか秩序を生むことは出来ない…悲しい世界なのさ!」
「お前は神にでもなったつもりか…?そうやって自分以外を見下しているから大事なものが見えて来ないのだ…少しは大人になってはどうだ?これはお遊びの戦争ごっことは訳が違うのだよ!」
「ふ…ふふ…。」
「何がおかしい?」
「どうやら僕達も分かり合えないみたいだね………!」
「!?」
周囲に何らかの気配を感じ
横飛びにその場を離れると
今ツヴァイの立っていた場所の石畳が強い力に押し潰されたかの様に破砕する。
「ラグナ!貴様!!」
突然の攻撃に怒りを見せるツヴァイ、それに対しラグナは不適な笑みで返す。
「ふふ…兄さんがいけないんだよ…?言ったじゃないか思想が合わなければ屈服させるって…ふふ…ふふふ…ふははははは!!」
大声で笑い出すラグナ
「お前…血迷ったか…?」
「いいやぁ?そんなことはないよ!僕は至って正常さ!兄さんを殺せると思うと嬉しくてさ!ふふ…ずっと気にくわなかった…いつもちやほやされるのは兄さん…僕の話題なんか殆ど出てこない…家に居ようがテレビの中だろうがね!!いい気になってるだけなんだよ兄さんはさぁ!皆に祭り上げられて僕の気も知らないで…いいよねぇ兄さんは…何の努力もせずに…ただ僕より3年早く生まれただけなのに第一皇子ってだけで国を貰えるんだから…それに引きかえ僕は誰にも知られず誰からも相手にされずに一人散っていくんだ…。」
「ラグナ…お前…。」
憐憫の目を弟に向けるツヴァイ。
それに対し怒りを見せるラグナ。
「やめろよ…!やめろ!そんな目で見るなよぉぉぉぉ!!!」
ツヴァイは先程と同じ気配を周囲に感じたが今回は避けなかった
圧縮されたフィアスが炸裂する!
身体の中心には直撃せず右半身が鈍い音とともにひしゃげて血を流す。
「ぐおぉぉぉぉ!!!」
身体を何か大きな力で無理矢理ねじられる…そんな想像を絶する痛みに悶絶するツヴァイ。
「何で避けないのさ!大人しく殺される気になったの?つまらないから精一杯抵抗してよ!僕ら殴り合いの喧嘩とかしたことなかったじゃない!まぁこれは殺し合いだけどね。」
(俺だ…俺が悪いんだ…きっと俺がこいつの心をここまで歪めてしまったんだ…くそ…ラグナが…こいつが可哀相だ…ただ単純に…でも…こいつを生き残らせたら間違いなく世界はまた戦乱になる………楽にしてやろう…俺はこの痛みに誓う…こんな歪みを生まない世界にすると…!)
痛みに耐えながら心で決意を固めたツヴァイは左手にフィアスを集中させる。
「殺爪!」
するとフィアスは具現化し3本の大きな鉤爪のような形になった。
「やった!兄さんがやる気になった…。」
「すまない…こんなになるまで気づいてやれなくて…この痛みは咎だ…俺はこの痛みを背負って国を導いてみせる…だから…今は眠れ我が弟よ!!」
「そういう人を憐れむ態度をやめろって言ってんだよ…。」
一呼吸睨み合ったあと互いのタイミングで飛び出す二人
ラグナより少し早いタイミングで飛び出したツヴァイはその手につくった鉤爪でラグナに斬り掛かった!
しかし、その鉤爪の刃はラグナを捉える事は出来なかった。
突如黒い煙のようなものが立ちはだかりラグナを守ったのである。
「何!?」
その後ラグナを守った黒い煙のようなものは膨張して弾けとび、その衝撃がツヴァイを襲った。
予期せぬ爆発で床の石畳に身体を強かに打ちつけたツヴァイだったが直ぐさま体勢を立て直しラグナに向き直った。
「それがお前のフィアスか…!!」
「そう…これが僕の闇のフィアス…兄さんの色も闇だけどそんなものは比べものにならないよ…僕の心の闇の方が遥かに大きいからね!!」
「くっ…!闇魔!!」
ツヴァイが声を掛けると背後から黒い物体が現れ、次第に大きな腕のようなものに変貌した。
「兄さん…もう何をしても無駄だよ…虐殺!!」
闇魔を出したツヴァイの周囲に黒い煙が集まる。
そして何が起きたか分からぬままツヴァイは血だらけで横たわっていた……。




