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フェアライズ  作者: 海人
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†第1話《再逅》†

†第1話《再逅》†


ヘレニック共和国

エアツィア州カルスト

街の中心に時計台が建ち、西洋風の町並みが広がる。

「ふぁ〜あ…。」

隠しもせず大きなあくびをしたあと

「今日もいい天気だなー。」

とのんきな一言。

平和そのものの綺麗な街に彼はいた。

髪は肩まで伸びつんつんしている、服装はフードのついた半袖の上着の下にタンクトップを着ていて、膝までのぶかぶかジーンズにスニーカーを履いている。


彼の名前はアルフレット・フラッシュ。


アルフはどうせ何も起こらない平和な街のパトロールをしていた。

いつもとは違うルート行ってみっか、とその日は普段あまり警備しない道を通った。


カチャッ

「お前は少し知りすぎた…。」

と人気のない路地裏に2人の人影。

首からカメラを下げ無精髭のはえた記者風の男、黒い上下のジャージにスカーフという見たことのある服に顔の大半を隠す怪しい仮面の男。

仮面の男は記者風の男の心臓に銃を突き付けて、引き金に手をかけ、今にも撃ちそうだった。

あれは…!

と思い当たるふしのあるアルフは

間一髪のところでその場に走り込み記者風の男を突き飛ばし銃弾から助けた。

「何だ!?」

予想外の事態にうろたえる仮面の男。

しかしその男は以外にも冷静に銃口を記者風の男に向け直そうとした。

が、しかしそれは阻まれた。

アルフが手刀によって銃を弾き飛ばしたからである。

「なっ…!」

間髪入れずに拳を握り、仮面の男を殴りつけ狭い路地裏の壁に押さえ込む!

「その格好…お前スレイブの人間か?」

そう問い掛けるアルフ。

スレイブとは以前あった組織でどの国にも属さず条件と報酬次第でどの戦争にも加担するいわば傭兵部隊。

「ぐう…。」

腕を押さえ付けられる痛みに呻く仮面の男。

「スレイブは解散したはずだ…何故その制服を着ている?」

「そんなこと知るかよ!」

はなせ!と男は声をあげる。

「嘘はつかない方が身のためだぞ?」

とアルフは押さえている力を強める!

メキメキと嫌な音が関節から聞こえる。

「ぐおぉ!ホントだホントに知らない!俺が入った時はリーダーが代わった時で…!」と弁明する仮面の男。

「ちょっと待て!リーダーが代わった?」

と若干の焦りをみせるアルフ。

「そうだ!リーダーが代わったんだ!そういや先輩が前とはやり方が全然違うとも言ってた!!」

「………。」

(どういうことだ?スレイブは確実に解散させたはず…リーダーがおりたあと誰かがその座に座り組織を存続させたのか…?)

と予想外の事態に思考を巡らせていると。

「なぁ!もういいだろ!離してくれ!」

痛みに耐え切れなくなったのか声を荒げる仮面の男。

「ああ…最後にひとつリーダーの名前は?」

「名前…?そういやステルスって名乗っていた!」

「ステルスか………よしわかった。」

押さえていた手を離し、仮面の男はその場を去って行った。

「これは少し調べる必要がありそうだな…。」と一人つぶやきそこから離れようとすると

ガシッ

何者かに腕を掴まれる。

!?

振り返るとさっきの記者風の男。

「いやぁ〜助かりましたよ!」

とその顔には笑みがあった。

えっ…?

何でこいつこんなに動じてないんだ?さっきまで銃突き付けられてたのに…。

「私はカルスト新聞の記者でネムルグと申します〜よろしければあなたを取材させていただけませんかね〜?」

(こいつ………あほだ…ダメだ付き合ってられねぇ)

と呆れるアルフ。

「ああ…そういうのパス!それじゃあな。」

と即答しそそくさとその場を離れる。

「ガーン…まぁそう言わないで下さいよ〜。」

とネムルグは必死で追いかける。


その路地の建物の屋上

佇むさっきとは違う仮面をつけた女

その女は屋上から一部始終を見守っていた

「アルフ…。」

と呟く…。


そこで

ネムルグを引き離そうと奮闘していたアルフは視線の気配に気づき振り返ると

そこにはもう女の姿はなかった

「………気のせいか?」

と確かに気配のした屋上を見上げるアルフ

「どうしたんです?というか私の話し聞いてます?」

と纏わり付くネムルグ。

(はぁ〜…助けなきゃよかったかな…?)

と心で思い自嘲の笑みを浮かべる。

どこかで感じたことのある気配を背中に残しながら…。



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