†第13話《憤怒》†
おはようございます
海人です。
読んで下さっている皆さん
本当にありがとうございます。
この小説は僕が初めて書いた小説なので言葉の表現や世界観などが
うまく言い表せなくて色々至らない点も多いと思いますが
暖かく見守ってくれれば幸いです。
こんなことを言うのはおこがましいですが
感想、レビュー何でも良いのでください。
頑張って完成させたいと思いますので
それではまた。
†第13話《憤怒》†
アルフを追っている最中に、時計台が砲撃される所を目撃しその場で唖然となる2人。
「まさか…時計台を砲撃するとはな…和平条約をぶっ壊すつもりか!」
「カワード・ブレイスンよ!こんな無茶苦茶なことが出来るのは彼しかいないわ!」
2人は怒りを隠せない
その時、寒気がするような力の波動を感じる2人。
「これは…カワードの身を心配した方が良さそうだな…。」
「今のはアルフの!そんなこと言ってる場合じゃないわ!早くアルフを止めないと!」
「ああ…分かってるよ。」
おそらくもうアルフのフィアスは暴走してる。刻印が出てなければいいんだが…。
思い当たる節があるヴァンスは最悪を想像する。
「とにかく急ごう。リヴィア!出来るだけしっかり俺に掴まれ!アルフ程じゃないが音速くらいなら出せるかもしれない!」
「わ…分かったわ!」
言われるがままヴァンスの背中にしがみつくリヴィア。
「ちょ…ちょっとこの格好恥ずかしい…。」
「少し我慢しろ!行くぞ!」
言うなり体全体から静電気を発しはじめるヴァンス。
そしてその静電気を足に集める。
「衝撃電流!!」
掛け声と同時に足の裏から何十万ボルトの電気を放ち音速で空に跳ね上がるヴァンス。
後ろで失神寸前のリヴィアが悲鳴をあげている、それどこれじゃないのかもう格好は気にしてなさそうだ。
音速により繋がって見える周りの風景、それを横目に見ながらアルフのことを考えるヴァンス。
(あいつの速度ならもうカワードの近くまで行っている筈だ…アルフ早まるな!お前はもう人を殺しちゃだめだ!)
近くの崖上で、移動する敵本陣を見下ろすアルフ。
先ほど同様顔の左側に十字架様の模様があり、“体から染み出る光”。
その光が段々と強くなりまたその場から消えたかと思えば敵本陣前に突然姿をみせた!
突然アルフの姿を確認したカワードは
「本陣停止!他の部隊は前進を続けろ!」
と指示を送りそれを復唱する参謀。
「やはり来てくれましたかアルフレット!ヴァンス達の姿は見えませんがまさかお一人で来たのですか?」
「………。」
余裕をみせるカワードを無言で睨みつけるアルフ。
「そうですね…今更会話など無駄ですね…あなたの力見せて頂きますよ!歩兵200機械科100前へ!あいつをなぶれ!プライドを少しずつ傷つけて生きる気力を削ぎ…そして私の前に差し出せぇ!あははは!あはははは!」
あっという間に300の兵士に囲まれるアルフ。
そして兵士達が一斉に攻撃を開始しようとしたその時
「浄化!」
掛け声と共に“強大な光”が広がり兵士達を包み込んだ!
「素晴らしい!素晴らしいですよアルフレット!これが王たる“光の力”!貴方は私が見込んだ何倍もの力を有していますよ!」
光が収まると兵士達は散り散りに吹き飛び皆気絶していた。
「カワード…何故街を攻撃した?」
「何故?もちろん貴方の力を引き出す為に決まっているじゃないですか。」
「そんなことの為にカルストの時計台を撃ち抜いたのか?」
「もちろんですよ。貴方の必要性が再確認出来たのですから相応な犠牲でしょう。」
あまりにも非人道的な発言に拳を握るアルフ
その時背後から銃声が聞こえ、ぎりぎりで反応したアルフの顔を銃弾が掠める。
!?
その光景に驚くアルフ
先ほど気絶させたばかりの兵士が立ち上がり始めていた。
機械科兵がライフルや機銃を構え狙う中
数人の兵士が銃剣を構えアルフに走り寄る。
アルフはまた“淡い光”を放ち
先頭にいた兵士を顔面への飛び膝で気絶させるとその後ろについていた数人を振り手で一掃。
その後狙い撃ちされた銃弾を軽々と避け、機械科兵の背後に周り込み意識を奪う。
「あはは!素晴らしいですよ!私も少し燃えて来ましたよ!あはははは!」
カワードはその言葉と同時に両手を広げ
「大翼!!」
と叫んだ。
すると周囲の風がカワードに纏わり付き背中に大きな翼の様な形で具現化した。
それを横目で見ていたアルフは
(あれは…風の…あいつも領力者だったのか…)
と考えながら、降りしきる銃弾の雨を避け続け、一人また一人と戦闘不能者を増やしていく。
“大翼”を広げるカワード。
今度は指の先に“風”を集め
「斬風!」
“具現化された風の刃”がアルフ目掛け打ち出される。
それを確認したアルフは、“放っていた光”を腰に差してある剣に集めて一気に抜刀する。
「光刃!」
アルフの抜いた剣からも光の刃が打ち出され、カワードの放っていた刃と衝突し、カワードの放った風の刃は砕け辺りに飛散する。
飛散した風の刃が体に食い込み、のたうちまわる兵士達。
残った光の刃を“気流を操り”躱すカワード。
カワードは腰に差した軍刀を抜き、アルフに対峙する。
「衝撃電流!」
「キャー!もう無理!死ぬ〜!」
あまりのスピードと高さに涙を見せながらじたばたと暴れるリヴィア。
「落としやしねぇから少し黙れ!そして暴れるな!」
「だって恐い!恐い恐い恐い〜!」
(あ〜…フィアスの制御に集中出来ない…こいつ高所恐怖症かよ…やかましい…)
そんなことを考えながら、少し低空を飛ぶヴァンスだった。
今にも踏み出しそうな空気…。
剣を抜き対峙する2人
その背後で撃ち抜かれた時計台の脆くなった部分ががらがらと崩れていた。