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フェアライズ  作者: 海人
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†第12話《慟哭》†

初心者の綴ったつまらない作品をここまで読んでくれてありがとうございます。海人です。挨拶が遅れてすみません、出来れば「つまらない」「もう少しこうした方がいい」など何でもいいので感想を書いてくれるととても嬉しく思います。それでは12話をお楽しみ下さい。


†第12話《慟哭》†


ピピピッ!ピピピッ!

目覚まし時計のアラーム音で急に意識を現実に戻されたアルフ。

汗だくの体がやけに怠く感じられる。

アラーム音を消した後、

(はぁ…嫌な夢をみたな…)

と一人ため息をつきながら寝汗を流すために

シャワー室に向かう。

シャワーを浴びながらも、夢で見た過去の出来事が頭から離れない。

(あの喋り方…間違いなくカワードだった…でもあいつ、この街に何の用があるって言うんだ。)

その不安を掻き立てるように遠くの方で救急車のサイレンが鳴り響いていた。


カワードらしき眼鏡の人物を見かけてから一週間が過ぎたその日、ガーディアンのメンバーで緊急会議を行っていた。

会議の内容は

ここ最近、カルストの住人が5人行方不明になっているというもので、

元スレイブの幹部4人を含めほぼ全員がその会議に集まっていた。

アルフはこの事件にある不安を抱えていた。

一週間前カワードを見かけたこと、夢で見た補給部隊5人の誘拐。

どう思考を繰り返しても最悪の場合しか想像出来ないアルフ。

(カワード…今回もお前なのか…!)

心の中の怒りを隠し会議を進める。

「最後に議題の誘拐事件について何か情報がある奴は挙手して提供してくれ。」

(挙がらない…か…。)

「よし分かった。ただ街を出たまま帰って来ていないだけかもしれないからな…これまで以上に警備を強化してもう犠牲の出ないように心掛けてくれ!それじゃあ解散。」

会議を終えたガーディアンのメンバーは次々と退出して行く。

しかし幹部4人とリヴィア、ヴァンスは退出しなかった。

「なぁアルフ…お前この間…何を見たんだ?」

ヴァンスが唐突にそう質問する。

「………カワード・ブレイスン。」

アルフが口にした思いがけない言葉に唖然とする6人。

「多分だ…あれは多分カワードだった…。」

「やっぱりあいつか…。この誘拐事件を聞いたときあいつの顔が浮かんだんだ、正直1番聞きたくなかった名前だな。」

確かに…と皆が同意する。

「とにかく…これからの対策は…」

とアルフが言いかけたところで急に警報が鳴り響き、数人の兵士が入ってきて。

「アルフさん!北方から独立国軍の一個連隊が接近中です!」

「連隊だって!?」

※連隊とは中佐又は大佐が率いれる最大の兵士集で1以上の大隊乃至は複数の中隊からなっておりその最大兵力は5000。

「はい!機甲戦車12、榴弾砲特科兵約100、対戦車砲特科兵約100、機械科歩兵約300、狙撃普通科歩兵約500の連隊です。」

「何だと…機甲戦車や特科まで…この街を地図から消す気か!?」

焦燥の隠せないアルフ

「連隊は大佐が率いれる最大の兵力だ…そしてこのタイミング、ほぼ間違いなくカワード・ブレイスン!」

ヴァンスがいうと

アルフは窓を開き、“淡い光”を放ちながら外に飛び出した。

「あの馬鹿フィアスを!あれ程医者に止められてただろうが!」

「追いましょうヴァンス!」

「ああ!」

とリヴィアとヴァンスも窓から飛び出した。


その頃遥か北方、機甲戦車の長距離砲の届くぎりぎりの範囲約40kmの位置で、前に連隊を従える眼鏡の男は

「さぁ、戦争(ゲーム)を始めましょうか!目標カルスト時計台!機甲戦車、砲撃開始!」


会議を行っていた家を飛び出したアルフは“淡い光”を放ちながら、本来ならば数十分かかる時計台広場まで数分で来ていた。

(早くしないと大変な事に…。)

と急ぎ広場を通り過ぎようとしたその時、


ドオォン!

耳を劈く爆発音とともに、ガラガラと崩れ去る時計台。

平和な街での、たった今平和だった街での突然の出来事に悲鳴をあげ逃げ惑う人々。

目の前で時計台を何らかの大砲で狙撃される事態に、一瞬の放心状態の後、

「カルストが…、俺達の…街が…う…うおおぉぉぉ!!!!」

(何故奪う)

(何故こうなる)

(何故俺の目の前では失われるものがこんなに多いんだ!)

(何故!何故!何故!)

アルフは哭いた。

それとほぼ同時に、体から“大量の光が吹き出し”顔の左側に十字架様の紋章が現れ、そしてその場から消え去った。



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