第2.5話
俺はじゃがいもが嫌いだ
プロローグ
ことわざにはいくつもの種類がある。
日本人であれば、誰でもいくつかは知っているだろう。
“三つ子の魂百まで”“河童の川流れ”“坂田は影が薄い”など、日本人であれば常識とも言えるものが多いが「なんで俺の影が薄いのが日本人の常識なんだよ!」…プロローグくらい俺だけでやらせろ。
まぁ、そんな坂田は置いといて、“三つ子の魂百まで”ということわざについて考えたい。
これは、その文字が示すように3歳までの性格は100歳になっても変わらない、という意味であるがこれは間違いではないのだろうか。
実際の所、3歳の子供の感じを残している奴もいる。そういう意味では合っているかもしれないが、3歳の性格など、ほとんどの人が残していない。当たり前といえば当たり前かもしれないが。
何が言いたいかというと、
「イェーイ!飛行機ビューンビューン!!」
おもちゃの飛行機片手にそんなこと言いながらそれを振り回しているこの高校生の石原誠はどうしたものか。
面倒だからみんなの紹介をするか。
石原誠。超資産家の息子であり、弁護士の跡取りでもある。ただ、相当幼い。背が低く、おぼっちゃんヘアーである。ついでに眼鏡をしている。言葉遣いも“~だよ”とかである。
桜井俊介。元気な不良。運動神経が非常に良く、筋肉もすごい。が、頭が悪い。“じゃねー”の伸ばし音を必ずと言っていい程よく使う。
小西僚太。外見がサル。ハゲ。最近関西弁を使うようになった。
狩野秀明。桜井に負けないくらい体格が良くて、良髪質である。上から目線の話し方をする。てか、どっかの偉人キャラ?
坂田学。特になし「待たんかいィィィ!」…いいだろ、こんなんで。名前出してもらっただけでもありがたく思え。
そして俺、柏木広樹。よく“ひろき”と読まれるが“こうき”だ。面倒臭がり屋で寝癖だらけのボサボサな頭をしている。本小説の主人公で、ほとんどの思考が会話文以外であるから、大体の俺が話している箇所は分かるだろう。
まぁ、ざっと紹介したが。
…人間は成長するものです。だからって寝る子は育つとか言って、授業中寝たり、仕事をサボったりしてはいけませんが。
~石原家宇宙シャトル開発及び発射施設の中の宇宙シャトル内部~
学校の理科室が爆発という前代未聞のことが起こり、学校はしばらく休校、その間暇になった俺、石原、桜井、狩野、小西、坂田の6人は桜井の提案で宇宙旅行(?)に行くことになった。
で、何で石原の家なんだ?
今となっては忘れがちなことかもしれないが、石原の家はムチャクチャでかいのだ。東京ドーム15個分以上の土地の面積、なおかつ色々な施設が建設中らしい。
弁護士の家であっても、宇宙開発センターとか必要なのか?
「そろそろ発進だよ!みんなしっかり席に座ってよ?」
「わかった」
「おー!」
「承知した」
「わかったで」
「OK牧じょ「オイ、コイツ追い出していーかー?」すいません、話題が古かったです」
それぞれの反応を確認したかのようにシャトルが発進する。
ちなみに俺たちの座り方は体を空に向けるように座っている。理由は知らん。
さらにちなみに発射前は小西と狩野がトランプでスピードをしていた。結果は6戦中小西が5勝1分け、狩野は負けまくっていた。かわいそうに。
そう思っていると、その2人の痛みを訴える叫びが機内に響いた。
「「ぬぅわー!!」」
…どうやらまだスピードがやり足りなかったらしい。小西も狩野もトランプを必死に持っていた。
まぁ、そんなことは置いといて。
「…」
宇宙はやはりというかなんと言うか真っ暗だった。シャトル内の電気が明るく見えるほどだ。
「「「「「………」」」」」
「何でみんなシケた顔してるの?」
いや、お前がおかしい。
「みんな、重力稼動装置の電源入れるね」
何その装置?宇宙に対する抵抗?
2秒ほどすると地球となんら変わらない感じで過ごせるようになった。
「いや~、宇宙もたまにはいいもんだね?」
「オメー何回宇宙来たんだー?」
桜井が不思議がって石原に聞く。
「小学校入ってから1年に1回くらい」
「なぁ柏木、このぼっちゃん宇宙空間に追い出しても構へんか?」
「同感だ、やるか」
「いやいやいやいや待って!ちょっ!シャレになんないからさ!!」
石原を担いで持っていこうとする俺と小西の背中に狩野の声がかかる。
「待たれい!ここはスピードで勝敗を決しようではないか」
「お前がスピードやりたいだけちゃうんか!」
それも同感だ。
「スピードー?何だそれはー?」
「うん、僕もそれがいいと思う!」
「チッ、しょうがねェな。やるか、小西」
「せやな」
そうしてスピード大会が「俺だけ何も言ってないんだけど!!」始まった。
―1回戦―
「坂田vs小西だよ!…それでは始め!」
「「スピード!」」
最初の掛け声的なものをお互いにした後、ものすごい速さで両者がトランプを消費していく。
「あがりや!」
それでも小西が楽に勝ってしまった。コイツ、強い。
―2回戦―
「桜井vs柏木!始め!」
「「スピード!」」
「ってなんだー?」
「「「「「あ゛!!??」」」」」
まさかの不戦勝だった。
―3回戦―
「狩野vs僕だね。行くよ?」
「あぁ分かっている」
なんか“ヒュゥゥゥゥ”とか効果音あったほうがいいのかな。
「「スピード!」」
狩野の圧勝。
―4回戦―
「坂田vs狩野だよ。準備はいい?」
「「スピード!」」
スピードの試合終了と共に、坂田が桜井にバリカンで頭の毛を全て奪われていた。
「お、なんかこれ“毛根も取れる!“って書いてあんぞー!」
「返せ!俺の髪の毛返せ!!」
坂田、半泣きである。
だが、偶然にもその試合は引き分けであった。
それから次々とスピードは終わっていき、総当たり戦も終了した。
結果
1位 小西僚太 5勝0敗0分け
2位 狩野秀明 3勝1敗1分け←小西に負け、坂田と引き分け
3位 柏木広樹 3勝2敗0分け←小西と狩野に負けた
4位 坂田学 2勝2敗1分け←柏木と小西に負け、狩野と引き分け
5位 石原誠 1勝4敗0分け←桜井以外に負けた
6位 桜井俊介 0勝6敗0分け←最後までルールが分からなかったバカ
「小西ってホントにスゲーな!俺なんてルールすら分かってねーしな!」
いや、お前はバカなだけだろ。
「いやでも小西ホントにすごいよ!スピードの世界大会に出れるよ!」
スピードの世界大会なんて聞いたことすらねぇよ!
「ねぇ出てみなよ世界大会」
「そないな大会ホンマにあるんかいな」
「ん?あるよ?」
「「「あるのかよ!!」」」
スピードの世界大会って…。どんだけしょうもないことに手を出して時間食ってるんだよ。ただの時間の無駄だろうが。
「で、その大会はどのような形式なのだ?」
桂の疑問は最もだ。参加するにしてもしないにしても、形式を聞かないことには何も分からない。
「えっとね、チーム戦だよ。3対3で競うんだ。エントリーは自由だけど、チーム名が必要だね」
それ、世界大会って言うの?
「3対3となると、今さっきやったスピードの順位からして、小西、俺、そして柏木と言うことになるのだな?」
「オイ待て。何勝手に人のこと参加させてるんだ」
「何か不都合でもあるのか?」
そりゃそうだ。小西レベルなら戦えないことはないだろうが俺は平均だ。出ても恥をさらすだけだ。
「まぁ何処のチームが優勝するかにお金を賭けるんだけどね」
石原君、高校生が賭け事をするのは法律違反です!お前ホントに弁護士の跡取りなのかよ!?
「よーするに、競馬みてーなもんかー」
なんで桜井は歴戦の勇者顔で言うんだよ。てか競馬も賭け事だろ。
「うん、そうだね」
「せやかて柏木は出たくないんやろ?それじゃ誰が出るん?」
「順位順に言えば坂田だよね」
桜井に毛根ごと髪の毛を奪われた坂田に視線がいく。
皆の視線が集まると、狩野が口を開いた。
「…スピードの世界大会はチーム戦だ。柏木であれば大きな戦力に成り得たというのに、貴様のようなハゲが変わりではな」
「なんだと?俺と引き分けたのを忘れたとは言わせないぞ!?」
「フン!俺と引き分けた奴はそんなハゲた頭をしていなかった!」
「髪の毛が特徴じゃないだろ俺は!」
「貴様に特徴などないではないか!」
「なんだと!!?」
坂田と狩野の目線が火花を散らす。
「馬鹿が!」
「ハゲが!」
「アホんだら!」
「クッ言わせておけばこのハゲめ!」
狩野が実力行使に移り坂田に襲い掛かる。
「あーあーもうやめてよ~」
止めに行った石原も巻き込まれる。
「このハゲ!」
「なんだと偉人キャラ!」
「痛いって!」
「キャラがない貴様よりマシだ!」
「キャラがないほうが楽でいいんだよ!」
「やめなって!あいたぁ!」
「キャラ補正とは大変なのだな!」
「なんやと!?」
小西参戦!
「ハゲはハゲ同士仲良くハネムーンに行ってくるがよい!」
「「誰がハゲや!」」
小西の関西弁が伝染した!
「それにやな、ロン毛や長髪は男やないと思うねん!」
その定義だと、ここにいる6人中4人がイレギュラーなんだけど。てか、ロン毛と長髪って同じじゃね?
「せや!せや!そないな奴ら男やないねん!」
「なんだとハゲ共!よく分からんいちゃもんをつけおって!!」
「「へっ!バーカ!バーカ!」」
「黙らんかダブルハゲ!!」
「誰がダブルハゲや!わいはちゃんと髪の毛あるわ!」
「わいはミラクルハゲや!」
「見た目ハゲと変わりはないではないか!」
「ハゲちゃうわ!ボケェ!」
「ミラクルハゲや!ボケェ!」
「おのれ小西!侮辱しおったな、このハゲ!表へ出ろ!」
「望むところや!!」
いや、「なんでわいはいつも無視すんねん!」外、宇宙なんだけど…。
「楽しそーでいーなオイー」
桜井が笑って見ている。
「ぐはっ!ぶふっ!」
…坂田殴りながらだけど。
「まぁまぁ皆、宇宙空間は地球より時間が進むのが遅いらしいからもうそろそろ帰るよ?」
「「「「「わかった」」」」」
小西が標準語を話した瞬間であった。
石原家に着くまでわりと時間はかからず、思えば宇宙空間に出ていたというのにほとんど宇宙を見ていなかったような気がする。
「よし、皆よ~く聞いて。僕達はスピード大会に出場して勝たなきゃいけない。そのために修行しよう!!」
「「なんのだよ!?」」←柏木&桜井
桜井と同じ思考回路って……なんか複雑だな。
「いいからいいから。まず髪の毛をポニーテールにします」
「出来たとしても狩野だけだろうが!」
髪の毛をポニーテールにするところから始まる修行って何!?
「え~と、本格的な修行はCMの後で!」
「小説にCMなんてないだろうが!」
「まぁまぁ細かいことは気にしないの」
「細かくないやんけ!」
「それではCMで~す」
~石原家の広大すぎる庭~
「オイー!CMなんて何処にもねーじゃねーかー!!」
「せやで!嘘はあかんやろ!」
「髪の毛~!!」
「もう突っ込むの面倒だ」
「それはそうとして、石原よ、ここで何の修行をするのだ?」
石原はわざとらしく腕組みをしながら言う。
「なんか1人嘆いていたような気がしたけど…。スピード、つまり、あのゲームには瞬発力が必要なんだよ」
「だからここで何すんだってーんだー?」
「瞬発力をつけるんだよ!」
「どうやって?」
俺が聞くと、石原はニカッと笑って言った。
「まず、2人ペアを作ろう」
その言葉に、俺達は俺、石原ペア、狩野、坂田ペア、小西、桜井ペアに分かれた。
「で、分かれてどないするん?」
「片方の人がもう片方を負ぶるんだ」
そう言って、俺が石原を負ぶり、狩野が坂田を負ぶり、桜井が小西を負ぶって投げ飛ばした。
「なんでやね~ん!」
“ザパーン”
池があって良かったな。
「それで、負ぶったまま競走!」
「「「足が速くなるだけじゃねーか!!!」」」
何誇らしげにしてやったり顔してんだよ!
「え~?ダメ?」
「ダメに決まってんだろ!!」
「他に考えはねーのかよ!」
う~んと、と言いながら考える素振りを見せる石原。
だが、その石原よりもザバザバ音を立てて来た小西が先に提案をする。
「こんなんはどうや?腕立て競走みたいなもんは?」
腕使ってる時点で競走じゃないと言いたくなるのは俺だけだろうか?
「え~、僕ヤダよ?腕関係ないじゃん」
「「足より素晴らしいほど関係あるわ!」」
俺が小西に関西弁感染をされた瞬間であった。
「俺から提案があるのだが」
狩野がそう言うと、全員の視線が桂にいく。
「まず、桜井に“僕は変態です”と書く」
「なんでだーー!!」
「それでどないすんねん?」
桜井の突っ込みを華麗にスルーした小西は、桜井にまた池に向かってスローアウェイされる。
“ザパーン”
「…で、どうすんだ?」
俺が聞くと狩野はうむと言って続ける。
「皆で円を描くように座り、各々両方の手で腕相撲をするのだ」
「俺に“僕は変態です”って書く意味ねーじゃねーかー!!」
チキショーと言って桜井は坂田を池にテイキング&ボチャーン!
「それ、腕相撲で修行するってことだよね?」
「その通りだ」
修行にならないと思う。
「じゃ桜井に“僕は変態です”って書く必要ないね」
「それさっき俺が言ったわー!!」
そう言って桜井は石原を池に向かってスパーキング!
てか、投げ飛ばされた奴らは何で戻ってこないんだよ。石原はともかく、小西は戻って来てもいいだろ。
「か、狩野。それじゃあんまりにも桜井がかわいそうだ。他にはないのか?」
「俺はそれ以外に思い付かんのだが…。桜井、貴殿はどうだ?」
「知るかー!!」
そう叫んで桜井は狩野を池にジャイアントスイングで吹っ飛ばした。
やべぇ、次の池行き俺だ。
俺が焦り始めると、投げ飛ばされた奴らが全員戻ってきた。
「思い付いたよ!」
石原がルンルンと効果音が付きそうなテンションの時は、大抵面倒事が起きる。
…今、まさにその状態である。
「ね~使用人さーん!君+4人他の使用人連れてきて~!」
「かしこまりました」
何するつもりだ?
使用人は20秒と経たずに他の使用人を連れてきた。ちなみに全員男。
「お待たせしました。使用人ホワイトです」←髪の毛が白髪の人登場
「ラズベリーです」←頭がアフロの人が登場
「黄色です」←黄色のヅラをつけた使用人登場
「ホワイトです」←髪の毛が白髪の人2人目登場
「ラズベリーです」←頭がアフロの人2人目登場
「5人揃って!」
「「「「「ゴシヨウジャー!!」」」」」
なんでレッドがいないんだよ!
「違う」
小西が冷静な話し方をしている。
「何がでしょうか?」
「自分らおかしい」
「どちらの方をお指摘で?」
「ゴシヨウジャーってなんやねん。炊飯ジャーみたいに言わんといてくれんかいな。そないに甘いもんちゃうねんで」
なんでお前がどっかの5人揃ったヒーローの中の1人みたいな言い方してんだよ。
「「「「「…」」」」」
「まず、何でレッドがおらんの?」
「いや、あの、僕らはその…色とかじゃないんで」
「じゃ何で食べ物交じってんねん」
「「印象がラズベリーなので」」
「何でアフロがラズベリーの印象やねん。それに何で2人もおんねん」
「「いやまぁ…印象が同じだったんで」」
「なんでキャラチェンジすること考えへんやったんや」
「「…」」
沈黙が続く中助け舟を出すホワイトの人の1人。
「ホワイトです」
「うんまぁ、君は合ってる思うんやけどな。君は?」
そう言ってもう1人の方のホワイトを指さす。
「ホワイトです」
「5人揃って!」
「「「「「ゴシヨウジャー!!」」」」」
「待てや!!」
「何か不満でも?」
「大有りや!何でアフロが2人おってホワイトも2人おんねん!おかしいやないかい!」
「黄色です」
「何でイエローって言わんのや!」
「5人揃って!」
「「「「「ゴシヨウジャー!!」」」」」
「もうええっちゅうねん!!」
小西が使用人にクレームを言うのを見かねたのか、石原が坂田に無茶振りをする。
「坂田、助けてあげなよ」
「何で俺?」
「だって出番少ないじゃん。本編と関係なくても出たいでしょ?」
「そりゃまぁ、うん」
「じゃ“なんとかです”って言ってきてよ」
「オッケ、任せとけ」
坂田が何を言うか楽しみだ。
「坂田です」
“ジーッ”
オイ、“えっ?何が悪かったの?”みたいな顔すんなよ。ひねりがなさ過ぎるんだよ。
俺達の中で作戦会議を開く。
「ねぇ、アレどう思う?」←石原
「ダメやな」←小西
「同感」←俺
「俺もそうだと思うぞ」←狩野
「俺もだなー」←桜井
「どうすればいいと思う?」←石原
「坂田の特徴を出せば良いんちゃうか?」←小西
「ダメだ。アイツは特徴がないのが特徴なんだ」←俺
「それでは相当難しいのではないか?」←狩野
「おー、坂田大変だなー」←桜井
「じゃ、坂田の分析しようよ」←石原
「坂田の90%は空気とちゃうか?」←小西
「同感だな」←俺
「残りの10%はどうするのだ?」←狩野
「ゴミでいーだろー」←桜井
「ダメだよ!水分も入れてあげなきゃ!」←石原
「それ言うなら内蔵と骨や血管、神経も入れなあかんやろ」←小西
「面倒だから90%空気で10%が内臓と骨と血管や神経系で、5%水分で20%ゴミでいいだろ」←俺
「100%を超えてしまうではないか。それが分からぬ貴殿ではあるまい」←狩野
「マイナスで坂田成分引いて辻褄合わせしときゃ良くねー?」←桜井
「「「「それだ(や)!」」」」←石原、小西、俺、狩野
結果論
坂田学構成表
90% 空気
10% 内臓と骨、血管や神経系
5% 水分
20% ゴミ
-25% 坂田学
「何でだよ!!」
結果論を見た坂田の第一声である。
「何で坂田学本体から坂田学引いてんだよ!何でゴミの方が内臓とかよりも多いんだよ!てか、何だ空気って!そんなに肺でかくねェよ!」
「おとなしくしてよ空気ンジャー」
「誰が空気ンジャーだ!」
「「「「黙れ空気ンジャー」」」」
「…もうそれでいいです」
使用人の方々も見るに耐えかねたのか、坂田にフォローを入れる。
「空気ンジャー早くこちらへ」
「…はい、かしこまりました」
―――――1分後―――――
「6人揃って!」
「「「「「「ロクデナシンジャー!!」」」」」」
………ホント、ロクでもないな。6だけに、坂田が除外されているんだろう。6だけに。
気付かないならそのままの方が良いかもしれない。勝手な俺の妄想だからな。
「石原よ、これが何の修行になるというのだ?」
「ならないね。何の修行にもならないね」
「じゃあやんなよー!」
桜井が石原をスパーキングアゲイン!
「あー無駄な時間喰っちまったじゃねーか」
「そうでもないよ」
石原戻ってくるの早っ!
「だってスピードの世界大会5ヵ月後だもん」
「「「「先に言えぇぇぇぇ!!」」」」
3,5に続く(?)