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公式企画

彼女の隣の席に彼女の推しがいるんだが

作者: 夏月七葉

 春の風が心地良い。窓から見える青葉は風に揺れ、爽やかに空気が澄んでいる。

 机に肘をついてそれを眺めていた上野(うえの)美春(みはる)は、ふと視線を教室内に戻した。ぐるりと首を巡らせ、自身の隣の席に目を向ける。


 教室前方の開いた窓から入り込んだ風が、隣の席に座った男子の長めの髪をそっと靡かせる。その合間から覗く細長の目は、眼鏡を通して手元の小説に落ちている。

 彼の横顔を頬を赤らめて見つめていた美春だったが、文字を追っていた視線がこちらに向きそうになり、急いで教室の時計を見上げる振りをする。


 青春の一ページ。

 そんな言葉がぴったりな春の日。

 暖かくなり始めたこの季節に芽吹くのは、様々な感情である――。


   *


黒羽(くろば)君、やっぱり恰好良いわぁ」


 ほうっと息を漏らして目を細める美春に、湯毛(ゆげ)(たける)は箸を咥えて溜め息が出るのを抑え込んだ。


 昼休み。建は美春と共に学校の屋上で弁当を広げていた。

 この時期の屋上は陽射しもそれほど強くなく居心地が良いので、建達以外にも数グループの生徒が会話を楽しみながら昼休みを過ごしている。


 新年度が始まって間もない為か、聞こえてくる声は明るいものばかりだ。クラス替えを経て一喜一憂もあるだろうが、どうせなら明るい気持ちで新しい学年をスタートさせたい――そんな心持ちは建にもある。あるのだが――。


「ね、建君。そう思うでしょ?」

「……『そう思うでしょ』って言われても」


 夢見心地のような表情で訊かれて、建は真反対の気持ちで視線を落とした。


(彼女に他の男が恰好良いって言われて、どう返事をしろっていうんだよ)


 建と美春は半年前から付き合い始めた。なんとなく周囲には言っていないが、付き合う前から友人として接していたお陰で、こうして二人で昼食を共にしていても〝仲が良い〟くらいの認識で済んでいる。


 恋仲になる前から、他のクラスにいた黒羽詞朗(しろう)という男子のことを美春が気にしていることは知っていた。

 なんでも『(くろがね)(もり)』という漫画の主人公の親友、クロウに彼が似ているというのだ。美春は『鉄の森』のファンであり、最推しキャラがそのクロウ。詞朗の姿を学校で見た瞬間、推しに似たオーラを感じたらしい。


 好きな漫画も好きなキャラも個々の自由だ。建も自他共に認めるオタクの身。その辺りの理解はあると自負している。

 しかしながら、いくら似ているからといって彼氏の前で他の男のことを、そんな恋する乙女みたいにキラキラしながら語られたら、こちらも心中穏やかでいられない。二年生に上がって建と美春、詞朗が同じクラスになってからというものの、そういう話が増えたように思う。


 少々ムスッとする建に、美春はカラカラと笑った。


「もう、建君。わたしは黒羽君が推しに似てるから言ってるだけなんだからね。わたしの彼氏は建君。他の男子と付き合いたいとか思ってないんだから」


 それも解っている。解っているが、どうにも落ち着かない気持ちも解って欲しい。


「でさ、昨日更新された最新話でね――」


 話は昨夜漫画アプリに更新された『鉄の森』最新話の感想に移っていく。

 それを聴きながら、建は視線を彷徨わせつつ、曖昧に相槌を打った。


 詞朗の話が終わったかと思えば、これだ。更新日の翌日はいつもこんな感じなので覚悟はしていたが、やはり慣れない。


 建が美春にしている隠し事はほとんどない。恋人になった以上、そういったことはなるべくなくしたいと建自身が思っているから、疚しいことはないように心掛けている。


 ただ一つだけ、美春には言えないでいることがあった。


 ちらりと美春を見ると、彼女は嬉しそうにストーリーやら台詞やら描き込みやらの感想を述べている。

 その言葉は決して嫌ではないが、聞きたくないような嬉しいような、そわそわと落ち着かない気持ちになる。


(――だってそれ、俺が描いてるんだもん)


 高校一年の初め、建は中学の時に趣味で描き溜めていた漫画を修正し漫画の新人賞に応募して、最優秀賞を獲得した。それから出版社の編集者に見て貰いながら新しい作品を描き、〝ゆあたりねこ〟というペンネームで漫画アプリ上にて『鉄の森』の連載を開始したのが、美春と付き合う少し前だ。

 

 現役高校生の新人デビューは華々しく――といきたかったが、人生そう上手くはいかないものだ。

 連載当初はそれなりに注目されたものの、閲覧数はあまり伸びず、しかし一定数の読者がついてくれたお陰で今も連載は続いている。とはいえ、同じ漫画アプリで連載している人気上位作品とは天と地の差。一歩間違えれば打ち切りなんてこともあり得る危うい立ち位置なのは、変わりようもない事実である。

 今は担当してくれている編集者と相談しながら、苦心して描き続けている。


 そもそも目立つのが苦手なこともあって、そんな状況を周囲に話せるわけもなく、彼女である美春にも打ち明けることができずにいた。


「そのシーンのクロウがとっても恰好良くてね! こう剣を提げ持つ姿が言葉に表せないくらい綺麗で――って、ごめん。建君は興味ないんだったね」

「興味ないというか……読んでないから詳しくなくて」


 付き合って暫くしてから美春が『鉄の森』のファンだと知り、なんともいえない複雑な心情を抱いた。

 付き合いたての彼女が自分の漫画を読んでいて、その上気に入ってくれている。それはとても嬉しくて舞い上がるような気持ちだったが、一方であまり人気の伸びない拙作に後ろめたさも覚えた。

 だから、自分がゆあたりねこであることを言い出せなかった。


『――ごめん。その作品、読んでなくて』


 あの時言った言葉は自分の耳には噓臭く聞こえたが、美春はそのままの意味で受け取ったらしい。


 しかしながら『鉄の森』について語れる友人もいないらしく――人気がないので当然だが――、最新話が更新された翌日にはこうして建に感想をぶちまけるのが常になっていた。

 堰を切ったようにわっと喋り、我に返ってこうして謝罪されるのもいつものことである。


 アプリ上に送られてくるコメントにも目を通しているが、こうして直に感想を伝えてくるのは編集者と美春しかいない。編集者の場合は仕事が前提にあるのでアドバイスの意味合いが強いが、美春はファンの感想として垂れ流されるので、色んな意味で落ち着かない。

 いっそ打ち明けてしまえばと思ったことも一度や二度ではないが、どうしても後ろめたい気持ちや恥ずかしさが邪魔をする。


「とにかく、次回も楽しみ。建君も興味出てきたら読んでみてね」

「……うん。そうだね」


 自分の空々しい声が春風と一緒に飛んでいった。


   *


 美春が楽しそうに笑っている。それを見ていると、建の気持ちも楽しくなる。

 そのはずなのに、今胸の中は黒い何かで一杯になっていた。


 美春がああいう表情をするのは、大抵友人か建と一緒にいる時だ。時間を共有して楽しいと思ってくれているのだと、嬉しい気持ちになる。

 しかし今、美春の目の前にいるのは、親しい友人でも建でもなく、あの詞朗なのだ。


 中庭の隅からこっそり覗いている建にはどんな会話をしているのかよく聞き取れないのだが、お互いにとても楽しそうだ。目を凝らすと、美春の頬が少しばかり紅潮しているように見える。

 花壇のすぐ傍にあるベンチに並んで腰かけた二人は、まるで仲の良いカップルのようだ。


 人見知りをせず誰にでもフレンドリーに接する美春だが、詞朗に関してはクロウに似ているからという理由で中々声をかけられずにいたらしい。詞朗の方は友好的なタイプではないようで、自分から誰かに声をかけるようなところを見たことがない。

 だから、二人の接点はただのクラスメイトという立ち位置で留まるかと思って安心していたのに、まさかの展開である。


 しゃがみ込んだ建の背後にある渡り廊下を女子生徒二人が何やら小声で話しながら通り過ぎるのを聞いて、建はそっと立ち上がった。

 ここで長い間こうしていては、不審人物認定されてしまう。

 建は後ろ髪を引かれる思いで、その場を後にした。


 建も詞朗も、容姿でいったら同等くらいだろう。一般的に、中の下、といったところだろうか。容姿端麗なんて夢のまた夢だが、然程不細工でもない――と思っている。

 しかし、詞朗は美春の推しキャラであるクロウにそっくりなのだ。要は好みの容姿ということで、その点では建の方が劣っていると言っても良い。


 美春は詞朗がクロウに似ていると言うが、本当のところは違う。その逆だ。クロウが詞朗に似ているのだ。

 漫画のプロットを練っていた頃、キャラクターデザインをどうするか考えながら校内を歩いていたら、偶然目の前を詞朗が通り過ぎた。あまり目立たず物静かで、何処か近寄り難い彼のことは以前からなんとなく知っており、その歩く姿が考えていたクロウの雰囲気と重なった。

 だからそのまま彼をモデルにクロウの姿をデザインしたのだ。


 まさかクロウが彼女になる人の推しになり、その結果このような事態になるなんて、当時は夢にも思わなかった。

 もしもタイムマシンなんてものがあったら、今すぐにでも時間を遡って過去の自分に詞朗をモデルにするのはやめろと言いたい。

 こんな形で〝後悔先に立たず〟という言葉を身を以て知ることになるとは思わなかった。その意味の通り、今更足掻いてもどうにもならない。


 だが、性格はそれほど悪くはないだろう。自分にはよく気が回るような快活な爽やかさはないが、それなりに人当たりは良い方だと思うし、他人を怒らせるようなこともあまりない。

 とはいえ、詞朗の性格がよく判らないので、彼が女子に好かれるような爽やかな一面を持っている可能性も充分にある。もしそうなら、自分は彼に負けてしまうかもしれない。


 そういえば、昨夜は妹のプリンを勝手に食べて泣かれたっけ。数日前は道端で困っているお婆さんを見て見ぬ振りしてしまった。先週、教室でゴミを床に落としてそのままになってしまった気がする。

 廊下を歩いている内に、自分の駄目な部分がどんどん湧き出てきた。こうなると脳味噌が勝手に幼い頃の記憶まで引っ張り出してきて、変な後悔が身の内側で渦を巻く。


(――気持ち悪い)


 外の空気を吸おうと手近にあった窓を開けて顔を出すと、今にも雨が降り出しそうな雲が重く空を覆っていた。


   *


 梅雨というのは、どうにも憂鬱になる。陽が差さず、しとしととした雨が連日続き、土に染み込む雨水のように暗い何かが身体に吸収されてくるみたいだ。


 あの日から、度々美春と詞朗が一緒にいるのを見ることがあった。二人はいつも楽し気で、他の誰も間に入れるような雰囲気ではなかった。

 そうでなくても建に割って入れるような勇気はなく、ただ離れたところから見ているしかない。


 別に二人の間に恋が芽生えたという確証はない。寧ろ考え過ぎだと、自分でも思う。

 しかし、二人が会話をする場面は、大抵建のいないところなのだ。建が偶々見かけることで、それを知るのだ。


 頭を過るのは〝浮気〟の二文字。美春に限ってそれはないと信じたいが、二人の様子を見ているとつい考えてしまう。


 傘を打つ雨音を聞きながら朝の通学路をとぼとぼ歩いていると、背後から明るい挨拶が響いた。


「おはよう! ……何かあった?」

「何かって?」


 顔を覗き込むように腰を曲げた美春に、建はいつも通りの仮面を被って訊き返す。

 しかし、美春は晴れない表情のまま視線を地面に落とした。


「なんか暗い顔してるんだもん。……でも、今に始まったことじゃないよね。ちょっと前から建君、なんだか変だもん」

「……」


 いつもと変わらぬ態度を装っていたつもりだったが、美春には見抜かれていたらしい。目の前に推しを描いた張本人がいることには気づかないのに、彼女は人の心に聡いところがある。それを知っていたのに――いや、知っていたから、心の何処かでは隠し通せるとは思っていなかった。


 建が立ち止まると、美春は数歩先を行ってから振り返る。

 促すようなその瞳を見たまま話せなくて、建は足許を見ながら重い口を開いた。

 ポツポツと、雨が地面に落ちていくのと同じように、ゆっくり言葉を落としていく。


 最近、美春と詞朗が一緒にいるところをよく見ること。見かける二人がとても楽しそうであること。それを見ると、心がざわつくこと。不安であること。

 思っていることを、包み隠さず話した。美春に真っ向から訊かれた以上、もう隠しておけないと思ったのだ。


 それを美春はどんな顔で聞いているのだろう。話し終えても、怖くて顔が上げられない。

 視界に映るのは、スニーカーを履いた自分の足先と遊歩道に張った雨水に波紋が広がる様だけ。


 しかし息の詰まるような時間は、たった数秒で打ち壊された。


「あー、やっぱり見られてたか」


 軽い口調に胸がぎゅっと痛くなる。

 やはり美春は心変わりしたのだ。建よりも詞朗を選んだのだ。


 この後は別れ話になるのだろう。それを思うと、胸の痛みが増して息が苦しくなる。

 美春の言葉を聞きたくない。耳を塞ぎたい。

 けれど、傘を持った手は塞がっている。いっそ片方だけでもと持ち上げた左手が、正面から掴まれた。

 驚いて思わず目を上げると、いつになく真剣な表情をした美春がいた。


「――来て」


 手を引かれ、雨の中を小走りに進む。

 美春の揺れる髪を見ながら、先ほどの彼女の表情を思い出す。引き結んだ唇に、覚悟を決めたように吊り上がった細い眉。澄んだ瞳が潤んでいたのは、雨のせいかそれとも――。


 抗うこともできずに連れていかれた場所は、学校だった。傘を閉じたり靴を履き替えたりする時は流石に手が離れたが、建の意思を確認もせずに再び引っ張っていく。

 美春の腕はとても細くて、振り払おうと思えば簡単にできる。しかし、それはしたくなかった。

 彼女が伝えたいことがこの先にある。先刻までそれを聞きたくないと思っていたのに、彼女の顔を見たらそれを知りたいと思ってしまった。


 ずんずんと階段を上がり、辿り着いた先は図書室だった。

 朝礼前の図書室はとても静かで、本を借りにきたのかただの暇潰しか、二名の生徒しか見えなかった。


 美春はそのまま本棚の奥へと進み、その先にあるテーブルに向かった。


「……あ、おはよう」


 テーブルの隅に座っていた影が気配に気づいて顔を上げる。その人物に目を見開いた建を連れて、美春は彼の傍に近づいた。


「おはよ、黒羽君」


 建は美春と詞朗を交互に見て、ぐっと唇を噛んだ。


 答えは、やはり予想通り変わらないらしい。

 二人は朝からこの場所で、逢瀬をする約束をしていたのだろうか。しかしその場に建を連れてきて、美春はどうしようというのだろう。詞朗との仲を見せつけて、潔く身を引けと言うのだろうか。


 暗い顔をする建に構わず、美春は詞朗の手許にあったタブレットを引っ掴むと、画面をこちらに向けてきた。「あ」と焦るような詞朗の声は完全に無視している。

 そんな美春の行動も、詞朗の困った様子も、画面を見た瞬間に何処かへ吹っ飛んだ。


「――これ」


 そこにあったのは、漫画の一ページだ。描きかけのそれは清書の途中ながらによく描けていて、絵の上手さが一目で判る。

 それに――。


「これね、『鉄の森』の同人漫画なの」


 見ればすぐに判る。自分の描いたキャラクターだ。誰が描いたものであっても、我が子同然の彼等を見間違えるはずがない。

 このページは、戦闘シーンだろうか。主人公とクロウが剣を構え、何かと対峙している。


「わたしがお話考えて、黒羽君が漫画にしてくれてるの」


 初めてまともに二人の顔を同時に視界に入れた。美春は嬉しそうに、詞朗は恥ずかしそうに、しかし二人共笑っている。

 それを見たら何だか力が抜けて、危うくタブレットを落としかけた。


   *


 ゴールデンウィークが始まる少し前、美春が廊下で落としたペンケースを詞朗が拾ったことが、二人が話をするきっかけになったという。どういう話の流れだったのか二人も覚えていないというが、ともかく二人共『鉄の森』を読んでいて、更新を楽しみにしているということが判明した。

 そこから話は盛り上がり、同人漫画を作ってみたいという詞朗の言葉に美春が乗って、二人で描き始めたのだそうだ。

『鉄の森』なんて誰も知らないし、漫画を描いていることを詞朗があまり知られたくないと言うので、こっそりと作業を進めていた。


「だから建君にも言えなかったの。ごめんね」

「……すみません」

「え、あ、いや。事情も分かったから、謝んなくていいよ。ていうか、こっちこそ、ごめん」


 事の経緯を話し終えた二人が頭を下げるので、建は慌てて顔を上げるように促した。

 隠していたことで誤解を生んだのは間違いないが、勘違いを暴走させたのは建の責任だ。寧ろこっちが謝りたい。


「でも、凄いね。黒羽君って絵上手だったんだ」


 他のページも見せてもらったが、プロの原稿かと見紛うほどよくできている。詞朗がこれほどまでに上手い絵を描く人だとは知らなかった。


「えっと、その……小さい時から絵を描くのが好きで、ずっと描いてたから」


 照れたように頭を掻く詞朗は、近寄り難いイメージとは違って親しみを覚える。こんな感じだったのなら、早くに声をかけてみても良かったのかもしれない。


(それにしても)


 まさかこんな身近に二人も『鉄の森』のファンがいるとは思わなかった。何だか少し面映ゆい。

 複雑な気分ではあるが、これで連載を続けていくモチベーションは上がりそうだ。


 建が感慨に耽っていると、急に美春が立ち上がった。


「建君も黒羽君の絵が上手って言ってるんだから、自信持って」

「う、うん……あの、でも……」

「だから、本にしよ! そんで、イベント出ようよ!」


 ずいっと詰め寄られて、詞朗が困ったような笑顔でこちらに助けを求める視線を寄越す。

 その様子から察するに、美春はこの漫画を製本して同人誌即売会に出たいらしい。しかし、詞朗は恥ずかしくてそういうものには出したくないといったところだろうか。


「建君もそう思うよね!?」

「え、その……」


 これはどう返答したものか。

 複雑な感情は更に絡み合って、思考が追いつかない。


(そもそも、彼女とキャラのモデルが自分の漫画の同人誌描いてるってどういう状況……?)


 戸惑う建の視界の端に映った窓の外では、すっかり雨は上がって、一筋の光が差し込んでいた。

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